あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

マラッカの海に消えた

マラッカの海に消えた ~マラッカの海に消えた~


田中亜木子は、夫の一郎がペナンに海底油田の試掘で長期単身赴任を機に、赤坂のマンションに引っ越した
それからというものの、毎夜変な電話に悩まされる
どうやら前の住人はデート嬢だったらしい

ある日、誘いの電話がまた鳴った
独り身の寂しさと興味本位から、約束のクラブへと向かう亜木子
しかし、相手の男性は現れなかったが、そこで意外な人物を見かける
それは、長髪に浅黒く焼けた肌、雰囲気こそ違うが、夫の一郎に間違いなかった
“ペナンにいる筈の夫がなぜ東京に?”
夫に違いないその男はボーイからメモを受け取ると足早に去っていった
亜木子は店員にメモの件を問うと、会社の上司の田岡専務がこれから会いたいという内容だった
田岡は、亜木子と以前不倫関係にあった男なのだ

翌日、亜木子はニュースで田岡専務が殺されたことを知る
“夫が昔の関係を知って、田岡を殺したのだろうか?”
わき上がる疑惑…
いてもたってもいられなくなった亜木子は、夫のいるペナンへと旅立つ

そこで亜木子は、夫が交通事故で現地人をはねたことを上司の南部から聞かされる
事故を起こした日は、亜木子が東京赤坂のクラブで夫を見かけた日と同じだった…



~感想~
夫への疑惑、異国の地で事件の真相を追う妻の周囲で次々と起きる怪事件、アリバイトリックに密室トリック…これでもかというぐらい内容がてんこ盛りなので、飽きずに最後まで惹きつけられて読破
ペナンの地ならではの風習を用いたラストシーンも余韻に浸れる

という事で、私的評価は星【★★★★☆】4つです

この作品は、山村氏が小説化デビューする前、江戸川乱歩賞に4回目に応募した『ゆらぐ海溝』で、惜しくも受賞は逃したものの、選考委員からの勧奨があって翌年『マラッカの海に消えた』と改題刊行された
山村氏は「題名を変えるなら“マラッカ海峡殺人事件”にして」と懇願したそうだがあえなく却下、この題名は出版社側が決めたそう



◆この原作のドラマ作品◆
昭和54年6月23日放送
土曜ワイド劇場
『マラッカの海に消えた・謎の蛇寺と海底黄金』
出演/田中亜木子…三田佳子/横内正/根上淳/三ッ木清隆/佐藤英夫 ほか

昔の作品で未見の為、ドラマの内容等の詳細は判りません




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