6歳の私 15歳の私 今の私が出来るまで



日本にいた頃の生活
一言で言えばとても順調に物事がはこんでいたと思う
小さい子供によく『将来は何になりたいの?』と
聞くおばさんやおじさんがいる
私の場合子供の頃に答えていた将来なりたいものに、
ちょっと横道にそれそうになりながらも、無事就くことができた
両親や兄弟、友達にも恵まれた
もちろん小さな不満や悩みはあったけれど
平凡で穏やかな日々を送った
6歳の私がみていた夢と、15歳の私が向きあった時
そして日本での仕事を経て、様々な思いを抱え
このニュージーランドへ辿りつくまでの
長かったようで短く、辛かったようで楽しかった日々


あれはまだ幼稚園の時だった
卒業制作の一つとして、将来の夢と手形を押した白い布を
園内の庭に埋めた
いわゆるタイムカプセルだ

私はこの幼稚園の一期生として入園した
ある朝先生が『明日まで将来なにになりたいか?を考えてくるように!』と
私達園児におしゃった

幼心に将来自分は何になりたいのだろうと真剣に考えた事を思いだす
翌日まだ習いたての、けっして上手とは言えない平仮名で
真っ白な布に一所懸命に自分の夢を書いた事を思いだす

幼稚園児の私が必死になって考えた夢は中学卒業の日まで
土の中に埋められていた
タイムカプセル堀り起こすまでの数年間
自分が白い布に何を書いたのかさえすっかり忘れたまま...


中学の卒業式のあとの悲しみの中で
私や友達は『タイムカプセル』を堀りおこしに行かなければという
思いでいっぱいだった
私を含めほとんどの友達は、何を自分が書いたかなんてとっくに忘れていた

ワクワクした
6歳の自分はいったいどんな事を考えていたのか??
今、自分が描きはじめた夢とあの頃の自分の夢はどう違うのか?
早く知りたいと思った
あの日の事が、おぼろげながら思い出される
6歳の自分と15歳になった自分が向きあった瞬間



白い布に残されていたのは、小さい、小さい手形とミミズのような字
そこに書かれていた夢は、15歳の私の夢とは違うものだった
ヤッパリという思いとガッカリした思いが交錯した事を覚えている

6歳の私が夢みていたものは、誰もが夢にみるような平凡な夢だった
しかし友達の中にはとてつもない夢を書いている人が何人もいた
それは何も現実を知らない子供だから書けちゃった事なんだろうか?
本当は、それはとてつもない夢なんかじゃなくて
誰もが願ってよい事なのかもしれない。
実際に世の中にはそんなとてつもない夢を叶え
生きている人もいるのだから・・・

人は日々の生活の中で知らず、知らずに
自分になれるものとなれないものを決めつけて
可能性を狭めてしまっているのかもしれない
『こんな夢持ったってなれるはずないよー!!』ってな具合に








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