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今回も、日経ワインセミナーで飲んだ生産者のワインです。キアンティのさらに上のレンジになります。キアンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ2015。このワインのブドウはラ・サラのもつ畑の中でもより標高の高い、310m以上のエリアのものが使われているそうで、グラン・セレツィオーネの名前の通り1.5haのシングルヴィンヤードの選りすぐりのものになります。土壌としてはアルベレーゼ石灰岩やシスト、それにキアンティ独特の砂岩が広がっており、沖積世以来のミネラルに富んだものとなっています。セパージュは、サンジョヴェーゼ100%。価格はこちらも不明です。色はガーネット系。赤黒くはありますがそこまで濃くは無く、透明度も程々にあります。香りはバニラの印象がふわっと香り、それに続いてラズベリー等の赤ベリーのジャム、チェリー、チェリージャム、それにドライプルーンといったしっかりしたフルーツ香の印象があります。また、スミレや赤い花といった気配はこのワインにも感じられました。その他、やはり茶色いスパイスやドライハーブ、コショウなどの要素、それに少々のキノコっぽさなどもあったでしょうか。味わいはフルーティです。明確な果実味のアタックがあり、それが後口まで存在感を残します。そこに、しっとりとした乳酸系の酸が寄り添います。渋みは結構感じられ、中盤から後口にかけては確かな主張があります。ボディはフルに近いミディアムといった所。滑らかかつまろやかな口当たりでした。このワインにも、やはり鴨のローストを合わせてみるとバッチリ。鴨の脂に対しては、このワインのしっかりした味わい、特に渋みがよりはっきり出ていることで相性が非常に良かったですね。勿論、肉の旨み塩気にも行けます。こう書きますと肉に合わせて何ぼのワインかな、と思いますが、面白かったのがサワラの叩き。この時期のサワラは脂も乗ってより美味しくなりますが、それに醤油をかけただけのものをつまんでみますと、タタキにしてあることでの皮目の香ばしさを伴うサワラの香りにワインのスパイシーさやフローラル感が妙に行けますし、フルーティさも醤油と喧嘩せず。そして、魚の脂ののった味わいはワインの果実感にぴったりだったり。意外な発見でした。流石に上級レンジだけあり、各要素がしっかりしつつも調和しており、スケール感、熟成可能性を感じさせてくれる1本でした。そんな赤ワインとサワラの叩きがよく合ったというのも面白いところです。恐らく、日本に輸入して販売となりますと5000円クラスになるのでしょうが、ポップなラベルと、それとは裏腹な本格派の味わいはなかなか魅力的ではあります。にほんブログ村
2019年12月15日
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今回はイタリアワインです。日経ワインセミナーの際の2番目の赤の生産者のものになります。キアンティ・クラシコ・リゼルヴァ2016。生産者はラ・サラです。トスカーナのグレーヴェ・イン・キアンティにあるワイナリーで、その起源は1260年にまで遡るという歴史ある作り手です。その歴史の中で、メディチ家御用達となったこともありました。畑は150~350メートルのところにあり、サンジョヴェーゼを中心に、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどを手掛けるようです。セパージュは、サンジョヴェーゼ90%にカベルネ・ソーヴィニヨン10%。価格は不明です。実は、セミナーの後主催の方と飲んだ際に、残ったものを分けていただきました。輸入は高島屋がオリジナルで少ししていたようですが、ワイナリーとしては今日本に売り込みたいようとのことでした。色は紫感のある赤黒。透明度は無しといっていいレベル。香りはスミレなど紫の花を思わせるものがありつつ、プラムやプルーンといった色の濃いフルーツ、赤ベリーやブルーベリーのコンポートないしジャムといったしっかりしたフルーツ香が出ます。その他、茶色いスパイスや黒コショウ、それに若干の赤コショウといったスパイスや、遠くに少々の乾燥ハーブ。また、微かに焼きイモ的香ばしさを伴う甘いニュアンスや、ヨードっぽさもあったでしょうか。味わいは、アタックには果実味がキッチリ広がりますが、流石の明るい乳酸系の酸が入りバランスの良さを感じます。渋みは後口にかけてピッとアクセント的に感じられました。ボディはミディアム。丸く、滑らかさを感じる質感でした。最近スーパーでよく見かけるので、鴨のローストをつまんでみましたがこれはやはりバッチリ。鴨の脂とワインの果実感やスパイシーさ、渋みが相まってうまみが増しますし、肉の方の鉄っぽい旨みにも間違いありません。また、面白かったのが鰤の塩焼き。脂ののったブリの旨みに、ワインの果実味がいいですし、香りの華やかさも、ブリのしっかりした味わいと香りがよく受け止めてくれました。その他、レバニラ炒めなんかにも合ったりして、懐の広さを見せてくれました。このワインも、トスカーナの魅力をよく感じさせてくれるワインでした、そして、この食事との相性の幅広さもかなり高ポイントだなと。日本で今現在買えるのかはわかりませんが、近いうち扱う所が出てきてもおかしくはないかと思います。にほんブログ村
2019年12月13日
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今回はイタリア、ピエモンテのワインです。しかも18年熟成モノ。ランゲ・ネッビオーロ2001。生産者ニコレッロは、1900年代初頭にランゲとロエロに設立されたワイナリーだそう。ネッビオーロは寝かせてこそ真価を発揮するという哲学のもと、造ったワインを自社で長く熟成させてからリリースしています。また、価格的にも手頃で、高級な銘柄の多いピエモンテのネッビオーロを手軽に楽しませてもくれます。こちらのワインも、2000円前後で購入できます。色は黒さもありますが流石にガーネットカラーです。エッジは透明度高。香りは腐葉土や黒い土、キノコなどスーボワ的なものや、熟成バルサミコ、ドライフラワー、ドライトマトといったものが感じられ、熟成感しっかり。そこに、ナッツやチョコレート、鉄っぽさが加わります。フルーティさもありますが、赤ベリーやイチジク、ナツメヤシ、それぞれのドライフルーツが、といったところ。ただ、時間と共に黒ベリーやダークチェリーの気配は感じられるようになりました。味わいは流石に穏やかなものです。柔らかな果実味のアタックがありつつ、意外に多い小さな赤い果実系の酸が、粉っぽいタンニンやそれに伴う渋みと一緒にスッと出てきます。ボディはミディアムですがライト寄りと言っていいでしょう。柔らかでしなやかな質感でした。香りの印象通キノコとの相性はよく、色々なものをベーコンと共にバターソテーにしたものなどは良いつまみでした。キノコの香りそのものとワインの香りが合いますし、旨みがありつつも穏やかなキノコの味わいにもいいですね。勿論、ベーコンのスモーキーさや脂、塩気といったものにもいけます。また、このワインもピザとはよく合い、ピザ生地にもいいですし、こちらはベタなペパロニを合わせましたが、ピーマンの青い香りや、サラミの塩気旨みに対してもよく馴染んでくれました。もちろん、トマトソースにはバッチリ。以前から、その手頃さとヴィンテージの古さから気になっていた銘柄でしたが、勿論熟成感はあるものの、きっちりまとまっており、良くも悪くも?手堅いワインでした。この価格帯で熟成ネッビオーロの雰囲気を楽しめるのですからありがたいものです。[2001]ニコレッロ ランゲ ネッビオーロ [2001]Nicolello Langhe Nebbiolo [2001年] イタリアワイン/ピエモンテ/赤ワイン/ミディアムボディ/750ml楽天内にも扱いはあります。こちらのお店では投稿時時点で1935円。にほんブログ村
2019年12月09日
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今回はイタリアの赤です。近くのスーパーで売られていたワインくじ的なものの中にありました。ネプリカ・ロッソ2016。生産者トルマレスカは、トスカーナで現在26代目を数える名門アンティノリが、1998年にイタリア南部、ブーツ型の国土のかかとの部分にあたるプーリア州に設立したワイナリーです。当地のワイン産地としての可能性を評価し畑を取得、地場品種を中心にしつつも、スーパータスカンで鳴らしたアンティノリらしく、カベルネ・ソーヴィニヨンなども栽培しているようです。セパージュは、ネグロアマーロ、プリミティーヴォと言う地場品種にカベルネ・ソーヴィニヨンを加えたもの。価格は1400円程度。色は紫感のある赤黒。透明度もほぼありません。香りは茶色いスパイスや軽い漢方っぽさ、カラメルやトースト的な香ばしさといったものも感じられますが、ダークチェリーやチェリージャム、赤ベリーのジャムやドライイチゴといったフルーツ香がしっかり出ています。その他、軽いトリュフっぽさや、スミレ、大きな赤い花などのフラワリーな雰囲気も少々。味わいは、香りに似合った果実味のアタックの印象の強いものですが、べったりしたものではなくキレイ目で優しいそれでした。そこに、味わいの印象をキュッと締める明るい、ちょっと梅的な酸や軽い渋みが加わり、全体的に割とシュッとした印象を受けました。ボディもミディアム程度で、ハリと滑らかさのある質感です。食事との相性では、特に鶏肉との相性の良さを感じました。ローストチキンとは特にバッチリで、シンプルな鶏の旨みや香り、骨周りの鉄っぽさといった味わいに、ワインの果実味や酸が合いますし、鉄っぽさはフルーティ+茶色いスパイスっぽさと相まって華やかな旨みに変わりますね。一方、豚肉ともよく馴染み、神戸で購入しました神戸ポークのジャーキーは最適なつまみに。ジャーキーになることで凝縮している豚肉の旨みが、ワインの各要素によってバッチリ引き出されます。あと、意外とギョーザなんかも合ったりしました。南イタリアの地場品種を使った赤と言いますと、やはり果実味ガツンな濃厚ワインと言うイメージを持ちがちでした。しかし、このワインはトルマレスカと言う事もあるでしょうが、最近はやはりエレガントに仕上げていますね。【アンティノリ トルマレスカ】 ネプリカ ロッソ [2016] 750ml・赤 【Antinori Tormaresca】 Neprica Rosso購入したワインくじも1400円程度でしたが、価格に似合った、むしろそれ以上の価値のあるわいんだったかと思います。にほんブログ村
2019年03月10日
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さて、先日のヴィノムオカヤマで頂いたワインも今回で最後です。フリウリの人気生産者によるオレンジワインになります。ヴィトフスカ・ソーロ2013。生産者ヴォドピーヴェッツはイタリアのフリウリにあるワイナリーで、ここも昔から農業を営んでいたそうですがワインの自家元詰めを始めたのは1997年と比較的最近です。カルソ地区というエリアにあるそうですが、石灰岩の上に赤土が被る土壌で、強風も吹くと言う事で厳しい環境となっています。そんな土地の土着品種がヴィトフスカと言うブドウで、ヴォドピーヴェッツはカルソの個性を表現すべくそんな土着品種に拘り、有機無農薬で栽培、醸造時はアンフォラで醸し発酵も行っています。この2013は最新ヴィンテージと言う事で、イベントで早めのお披露目となったようです。と言う事で価格は現時点では不明です。色は見事にアンバーカラー。アプリコットジャムの様な色合いでもありますが、透明度はしっかりあります。香りは色合いに引っ張られている部分もあるかもしれませんがアプリコットやアプリコットジャムのニュアンスはあったと思います。また、黄桃の缶詰っぽさも少々。さらに、キンカンやオレンジピール、カリンと言ったフルーツのニュアンスが。その他、軽い蜜っぽさやハーブ、オリエンタルスパイス、加えて若干のナッツやカラメルの気配、紅茶、石灰的な雰囲気と言ったものも感じられたでしょうか。味わいは割とすっきりしたもので、しっとり系の酸がビシッとど真ん中に入りつつ、優しい果実味がその周囲にほんのり広がると言ったバランスでした。渋みはやはりしっかりあり、タニックとさえいえるような強さアタックから後口にかけて存在感を見せ、収斂味を感じさせます。ボディはライト。クリアーさと滑らかさのある質感でした。イベントでは、鶏の丸ごとオーブン焼きと合わせましたが、鶏の旨みにワインの味わいが合いますし、肉の質感や皮目のパリッと感とワインの質感も良かったです。ただ、渋みの部分を受け切れていない感じもありまして、このワインもより脂の強い肉、豚やイノシシ、あるいは牛肉と言ったものと合わせるとより面白いタイプかも知れません。それこそ、オレンジワインの会でのカボチャの肉詰めと言ったものにはこのワインもバッチリ合いそうです。その他、牛肉のカルパッチョやタルタルステーキなんかも面白いかも。均整の取れた部分もありますし、香りもフルーティさの中に複雑さのあるいいワインですが、渋みの印象は流石オレンジワインだなと。今回は最新ヴィンテージを一足早く頂けたという面白さがありましたが、このワインはもっと寝かせることで更に輝きそうな印象です。【イタリア フリウリ 白】ヴォドピーヴェッチ ヴィトフスカ ソーロ 2011Vodopivec Vitovska Solo 2011楽天内では2011ヴィンテージが7533円で投稿時現在確認できます。ヴィンテージの状況にもよるでしょうが、恐らく2011でもまだ若いくらいではないかなと。にほんブログ村
2018年11月26日
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10月のヴィノムオカヤマ2018で飲んだワイン、続いてはオレンジワイン会で飲みましたリトロッツォのロゼです。リトロッツォ・ロザート。ラツィオ州のグラードリと言う土地でイタリア人とフランス人のカップルでワイン造りを行っています。畑ではビオディナミを実践、醸造・醗酵時もSO2を始め何も添加しないという自然派ぶりですが、驚きなのは自根でのブドウ栽培まで行っているという事。その範囲も、畑の3分の1に及ぶそうです。セパージュは、アレアーティコ、プロカーニコ、サンジョヴェーゼ。3種のブドウを混醸しているようす。価格は3000円程度のようですが、楽天内にはロザートは現時点では無いようです。色は結構しっかり赤さがあり、ルビーカラーに近いくらい。透明度はしっかりあります。香りは最初に少し還元的なニュアンスや穀物ないし麦わらやもみ殻っぽさが出ました。しかし、メインの要素はやはり華やかな赤いフルーツで、特にチェリーっぽさが強いです。サクランボやダークチェリーなどフレッシュなそれは勿論、リキュールやジャムっぽさもあったでしょうか。また、赤ベリーやそのドライフルーツも。加えて、赤よりもう少し濃い、微かなプラム的要素も感じられました。その他、ハーブやトマト、軽いブラックペッパー等のスパイスといったものも。味わいはしっとりしつつも太さのある乳酸系の酸がアタックから後口にかけてまで前面に出ています。果実味は繊細で、その背景と言ったバランス感でした。ボディはライトですが軽いエキス分やパリッとハリのある質感で、酸の強さも相まってか強さを感じるものでした。イベントでは鯖のコンフィ、鶏の丸ごとオーブン焼きの2種に合わせましたがどちらもよかったです。鯖とは、先ず鯖そのものの旨みや香りに相性がよく、特に魚の旨みや脂に対してワインの酸やフルーティな香りが噛み合いっていました。そこに、カボスのさわやかな風味が加わることでより馴染む印象に。鶏とは、もう素直に肉の旨み+塩気にワインの果実感が嵌る、と言った所。また、そのハリのある質感と肉の繊維質の食感との相性もいいですね。このワインもビアンコと同じく1リットルなのですが、軽い還元的なニュアンスはあるものの基本的にやはりフレッシュフルーティ、そして酸基調のちょっとシリアスなところも見せるワインらしさを楽しく感じられるワインだったのではないかなと。食卓の華やぐ1本です。にほんブログ村
2018年11月24日
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続いてのヴィノムオカヤマ2018でのワインはイタリアのロゼです。ヴィーノ・ロザート・アンフォラ2016。生産者カンティーナ・ジャルディーノはカンパーニャ州に2003年設立のワイナリーです。元々マストロベラルディーノにいたアントニオ氏が、タウラージにも使われる地場品種アリアニコの古木が植え替えられていく現状を何とかしたいと、仲間からの出資を受け独立しました。と言う事で、ブドウは全て買いブドウになりますが、元々化学的な薬剤を使っていなかった農家と契約、さらに草生栽培や無施肥での栽培を依頼しているようです。セパージュはアリアニコ100%。その名の通りアンフォラを使っての熟成ですが、アンフォラはなんと手作りだそうです。価格は6000円程度ですが実はこれ1500mlです。色は鮮やかなルビーカラー。透明度はしっかりあります。香りはベリー香満載で、ラズベリー、クランベリー、イチゴ、さらにはそれら赤ベリーのリキュールの様なニュアンスもあったでしょうか。そこに、微かな野菜ジュースっぽさやトマトの気配が加わります。また、オリエンタルスパイスや下草と言った要素、更には若干の腐葉土やスミレ、それに新品の高級桐箪笥?の様な木の雰囲気も少々感じられました。味わいはフルーティな果実味のアタックがありつつ、香りや色合いに似合った小さな赤果実的な明るくフレッシュな酸がしっかり感じられバランスがよいです。渋みの印象はほぼ無し。ボディはミディアムライト程度で、クリアーで滑らかな質感ですがハリも感じるものでした。イベントでは、岡山パクチーのサラダ仕立てをつまみながら飲みました。パクチー自体との相性は可もなく不可もなくと言った所なのですが、掛かっているソースのナッツの香りとの相性が非常に良かったのが印象的でした。このワインも、鶏肉や豚肉などに合わせるのは手堅いでしょう。焼鳥やチャーシューなどなら間違いないでしょうね。ただ、今回のナッツとの相性の良さもありましたし香り面に拘って、鶏肉ならバンバンジーなど、豚肉ならローストにベリーのソース何かも良さそう。また、8月のワイン会で頂いた紅茶漬け鴨肉の燻製のような料理にも合わせてみたいところ。スパイシーさを見せつつも、基本フレッシュフルーティなワインでバランスもよく、まさに昼から、しかも屋外で頂くというのに最適なワインだったかなと。マグナムボトルですし、それこそクリスマスパーティなど人の集まる場面でも活躍してくれそうです。【6本〜送料無料】ヴィーノ ロザート アンフォラ 2016 カンティーナ ジャルディーノ 1500ml [ロゼ] [マグナム・大容量]Vino Rosato Anfora Cantina Giardino [自然派]楽天内では更新時現在こちらのお店で5940円です。とっつきやすさもありますし、ワイワイ楽しみながら飲みなれない方のワインの入り口として、なんてのにも良いのではないのかなと。にほんブログ村
2018年11月22日
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10月に行いましたオレンジワイン飲み比べ会のワイン、今回はイタリアのものになります。リトロッツォ・ビアンコ2017。生産者レ・コステはイタリアのラツィオ州で2004年に創業した新しい造り手です。イタリアの造り手のみならず、フィリップ・パカレやダール・エ・リボと言ったフランスの造り手の下でもワイン造りを学んでいます。と言う事で、畑でも有機無農薬的な栽培を行い、醸造でも野生酵母使用、ノンフィルターでSO2も添加無しという自然派です。セパージュは、プロカニコと言う地場品種を中心にマルヴァジアなどいくつかの品種を用いているようです。価格は3000円程度。1リットルワインになります。色は、醸造法こそ皮ごと醸すスタイルですが、そこまでオレンジ感はなく、濃い目のレモネード的な雰囲気。澱が凄いのでちょっとにごりました。香りは、開けたてはやはりちょっと還元的なニュアンスがあり、加えて酵母や穀物っぽい雰囲気も。その中に、レモン的な柑橘っぽさが見えます。時間と共に還元のニュアンスが落ち着くと、レモンに加えミカンやオレンジ、ライムなど青い柑橘と言ったフレッシュな柑橘、レモネードといったものが感じられ、更に少々のキウイやパッションフルーツのような要素も。その他、スポーツドリンク的な感じも受けましたし、軽い吟醸香やメロンっぽさもあったでしょうか。味わいは、やはり醸しているだけあって意外と渋みが出ています。後口にかけて舌先に収斂する感じがありました。その背景に、柔らかな果実味が拡がり、渋みと共に存在する明るい多量な酸と共にフレッシュな味わいとなっています。ボディもライトで、サラリとした印象でした。会ではチーズプレートからサラダの辺りで飲みました。ブルーチーズはリモンチェッロでウォッシュしているという事でしたが、流石に味ではチーズに負けるものの、香りの相性は結構良く、チーズのレモンの風味をワインがより引き出してくれるような感じでした。他にも、シェーブルやブリーもいいつまみでしたが、なんといっても良かったのはサラダ。野菜のフレッシュさ、甘みに対してワインの酸や果実味、柑橘の香りがいいのは勿論、上に乗せて頂いた若いチーズのまろやかさや旨みに対してワインの各要素がまさに丁度いい感じで良く馴染みました。このワインに合わせる様にとご用意くださったそうですが、流石チーズ専門店だなと言う所でした。還元的なニュアンスは確かにありますので、どうしても苦手と言う方はいらっしゃるでしょうが、基本的には柑橘を中心としたフルーティさを楽しめる親しみやすいワインだったかと思います。ただ、味わいにある渋みがその柑橘香とも相まって、ただ軽いだけではない味わいの立体感を感じさせてくれると言う所もありましたが。まあそれでも、1リットルありますし、よく冷やしてワイン会やパーティの席でワイワイ楽しみ、食事に合わせて更に楽しむ、といった使い方をしたいところです。【6本〜送料無料】リトロッツォ ビアンコ 2017 レ コステ 1000ml [白]Litrozzo Bianco Le Coste楽天内では、現在こちらのお店で2786円と3000円を切ります。1リットルあってこの価格と言うのもうれしいところですね。なお、このワインだけ写真がありますがこれは後日別のイベントで撮ったものになります。そのイベントについてはまた記事にしたいと思います。にほんブログ村
2018年11月10日
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8月末に行いました中華料理とロゼワインの会のワインもこれで最後。トリはイタリアです。ヴィヌディリーチェ2014。生産者のイ・ヴィニェーリは2000年創業と言う伝統産地イタリアでは新しい造り手です。シチリア・エトナ山の、醸造家や栽培家の集まりだそうで、土着品種や伝統的な栽培・醸造法を重んじています。必然的に、有機無農薬での栽培、醸造時には野生酵母の使用や無濾過なのはもちろん、冷却装置さえ用いないという自然派な作りになります。セパージュは、アリカンテ、グレカニコ、ミネッラ。価格は、6480円でした。色は割と淡い印象で、オレンジがかったピンクと言った所。透明度もあります。香りはアンズっぽさや梅っぽさが出ており、1つ前のジョセフ・ロティのロゼと共通する雰囲気もありました。そこに、イチゴなどの赤ベリー、ザクロ、チェリーと言ったものが加わります。フルーティなだけではなく、ピンクペッパーやハーブのニュアンス、それに黄色い花や若干の綿あめっぽさといったものも。また、微かに紹興酒的な気配もあったでしょうか。味わいはフルーティです。穏やかなものではありますが、果実味のアタックがキッチリあります。それをじわりと明るい酸が口の中に広がりながら追いかけてくるといった印象。バランスの良さを感じます。ボディはライトですが、クリアーで、ハリやエネルギーを感じる質感です。シュッとした印象を受けました。会では、最後の麻婆豆腐のところで飲んだのですが、これが驚きの好相性。麻婆豆腐の唐辛子や少々の山椒、そして肉の香りに、ワインのフルーティさやその奥のスパイシーさ、アンズや梅の雰囲気がよく合いますし、旨み・塩気・辛み・油を感じるコクのある味わいに、ワインの果実味と酸が丁度いい噛み合い方を見せました。麻婆豆腐って今まで色々合わせましたが、どれも悪く無いくらいか、辛みとアルコールで刺激がきつくなるかと言った感じだったのですが、今回はドンピシャで、非常に驚きました。シチリアと言う事で南国らしく濃いワインをイメージしていると、このワインには驚かされるでしょう。標高が高く寒暖差の大きいエトナ山らしい、キレイ目な、それでいて個性も感じられるワインでした。何より、麻婆豆腐によく合うというのが本当に驚きでした。【6本〜送料無料】ヴィヌディリーチェ 2014 イ ヴィニェーリ 750ml [ロゼ]Vinudilice I Vigneri2014ヴィンテージの楽天内での扱いは現在ここだけのようです。とっつきやすいが、実は奥深い、と言うようなワインだったかなと。にほんブログ村
2018年09月19日
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今回はイタリア・シチリア島の赤です。赤ですが、暑い時期にも楽しいワインです。チェラズオーロ・ディ・ヴィットリア2015。生産者プラネタは、シャルドネなどで有名な、ガンベロロッソではトレビッキエリ獲得数州ナンバーワンという、シチリアを代表するワイナリーです。が、実は1995年創業の新しい作り手でもあります。実に350haもの畑を所有し、各エリアで適したブドウを栽培しています。そのブドウも、上記シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンといった国際品種は勿論、ネロ・ダヴォラ等の地場品種もキッチリ手掛けています。本ワインは、そんな地場品種を用いたものになり、ネロ・ダーヴォラ60%、フラッパート40%。価格は、写真のお店で3153円。色は紫感がありつつも、鮮やかさを感じるもので、濃いルビーといったところ。ヴィットリアのサクランボの名にふさわしい色合いだったかなと。香りはラズベリーやストロベリーといった赤ベリー、それにアメリカンチェリー、果物のグミのような、色合いに似合った赤いフルーツのニュアンスが中心で、そこに少々のブルーベリー感も加わったでしょうか。また、干しブドウなどのドライフルーツ感も。その他、軽いトマトっぽさや、甘草を中心とした茶色いスパイスっぽさも感じられましたし、赤い花や若干の黒コショウのような雰囲気も。味わいは渋みの印象がしっかりあります。軽やかでドライなものですが、インパクトとしては存在感あります。旨みも感じられ、そこに柔らかな果実味が拡がりつつ明るい酸がピッと入ります。どれかの要素に偏り過ぎることなく、バランスのいいものとなっており、クリアーでなめらかな質感のミディアムボディと相まって、軽快に楽しめます。シチリアのワインという事で、マグロのソテーをあわせてみましたが、火が入って身が締まりつつうまみの凝縮したマグロの味わいと食感に、ワインの旨みや味わいのバランスの良さが寄り添ってくれますし、香りもコショウを利かせたマグロの香りに華やかさを添えてくれました。今回は用意できませんでしたが、柑橘のソースなんか使うとさらに良く馴染みそうです。後は、やっぱりミディアム赤には鶏肉という事で焼き鳥をつまんでみました。タレのモモ串なんかですと、肉の味わいは勿論、タレの甘辛さにワインの香りがよく合いましたし、意外と砂肝(塩)と合わせても、渋みのおかげか肉の鉄っぽいうまみを引き出してくれる感じでした。フルーツの香りが豊かで、味わいはバランスがよくもやや渋みの存在感があり、口当たりはミディアムで軽快と、暑くなってきた時期にも楽しいワインです。ちょっと冷やしてもいいかもしれません。食事にもよく合いますし、これからの季節屋外で楽しむなんてのもいいかもしれませんね。にほんブログ村
2017年06月24日
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今回は随分久しぶりなイタリアワインです。シチリアの赤になります。テッラ・ディ・ソーニ・シチリア2011。生産者ヴィヴィエラ社は2002年創業という比較的新しいワイナリーです。エトナ山北東部に位置し、畑では有機栽培を実践しています。テッラ・ディ・ソーニとは夢の土地という意味だそうで、このワインが生まれた、自社畑とワイナリーのある土地の事を指すそうです。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーに少々の土着品種ネレッロ・カプッチョを混ぜるというもの。価格は、2000円程度のものですが2011ヴィンテージは既に楽天内にはないようです。色はガーネット的なもので、赤みを感じます他透明度もある程度あります。香りは、一部バリックで10か月熟成のワインを用いているからか、クリームやカスタード的な雰囲気を感じました。また、黒コショウや軽い下草、さらに遠くにハムや干し肉のようなニュアンスも。しかし、なんといってもメインはフルーティさで、ラズベリーやクランベリー、イチゴといった赤ベリー、それらのドライフルーツやジャムといった要素や、チェリー、ザクロといったものを感じられました。味わいは思った以上にバランス型でした。果実味のアタックこそありますが柔らかくこなれたもので、そこに乳酸系の明るい、それでいて果実味に似合った優しい酸が加わります。ただ、渋みは割とあり、後口にかけてキュッと締める感じ。タンニンの存在感は舌触りにも少々感じられました。ボディはライトと言っていいかもしれません。丸く、しなやかでほんわか広がる感じ。食事との相性では、何だかんだ牛肉とのそれがよく、ローストビーフと焼き野菜のサラダをつまんでみますと肉の旨みや脂に、ワインの果実味やタンニン、やわらかな質感がよく馴染んでくれました。また、焼き野菜ともまずまずで、ゴボウの風味にも悪くないですし、カボチャに対しても、甘みにやや味わいが圧され気味ではありますが、それでも香りの面では相性いい感じ。一方、フライドチキンとは可もなく不可もなくな感じ。肉の部分の旨みとは流石にタンニンなどのおかげか馴染みますが、皮の部分や味付けとの相性は特にお互い干渉しあわないといったところ。赤いフルーツの香りと柔らかでしなやかな質感と、シチリアの太陽さんさんなイメージからすると2011にしてはシュッとしており、畑の場所はエトナ山という事で標高も高いのかもしれませんね。テッラ・ディ・ソーニ・シチリア・ロッソ[2013]/ヴィヴェラ楽天内には2013ヴィンテージがありました。1598円とお手頃。にほんブログ村
2017年01月29日
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今回も帰省時に飲んだワインです。以前コスパワイン会で飲みましたバルベーラの樽アリバージョンになります。バルベーラ・ダルバ・スーペリオーレ・ラ・ロジーナ2013。生産者はエルバルーナ。ピエモンテで、18世紀から続いているワイナリーで、現在は有機栽培を実践するなど自然な作りを志向、イタリア国内の認証団体から有機栽培の認定も受けています。栽培品種は、バルベーラやネッビオーロといったピエモンテらしいもの。こちらのワインは、選別された畑のブドウを用いたというもので、ロジーナとはお爺さんの名前だそう。樽熟成していますが、あくまで用いるのは大樽で、バリックは使いません。価格は2800円くらいですが、マキコレワインなので楽天内にはありません。色は黒さはありますがルビーカラーといっていいくらい。赤みや透明度を感じます。香りは、開けたては黒蜜、土、キノコ、バルサミコ、それに茶色いスパイスといったものが感じられ、さらにラズベリー等の赤ベリーのコンポートやジャム、ブルーベリーといった要素が出ますが、アルコール感も強め。それが、翌日になりますとそのアルコール感がすっかり大人しくなり、上記要素に加えてチョコっぽさや軽い醤油のニュアンス、木の雰囲気といったものもあらわれたでしょうか。味わいは開けたてはやはりアルコールのアタック強め。果実味は温かく丸く広がり、そこに乳酸系の明るい酸が加わる、渋みは後口にかけて口全体に広がるといった感じです。それが、翌日になりますとやはりアルコール感が弱まり、果実味の印象は変わらないものの、酸の存在感はより強まる感じでした。口当たりの柔らかいミディアムボディですが、軽い収斂味があり芯のしっかりした印象も受けます。食事との相性では、ピザやローストビーフサラダを合わせてみますとやはりいい相性でした。ピザは、ツナやブラックオリーブを用いたトマトソースのものでしたが、オリーブの香りやトマトの甘み旨みに対し、ワインのベリーっぽさやバルサミコのニュアンス、柔らかい果実味がよく合いました。また、生地はナポリ風でしたが、その甘味もいいつまみになりますし、焦げた部分の香ばしさとワインの黒いニュアンスの間に引き合う関係も見られました。一方ローストビーフサラダとは、ローストビーフの脂や旨みに対しワインのフルーティさやスパイシーさ、それに後口にかけての渋味などがよく馴染みました。また、野菜は根菜などの焼き野菜でしたが、ニンジンやゴボウなどの甘みや滋味深い味わいは、ワインに寄り添う感じで中々の相性でもありました。樽無しの方と比べますと、やはりボリューム感があります。ただ、濃いとかそういう感じではなく、よりふっくらした、丸みのある、といった感覚でしょうか。ただ、ちょっとまだ若いのか、開けたてのアルコリックな状態より、翌日の落ち着いた状態の方が現状より好ましく感じる方が多いのではないかなと思います。にほんブログ村
2016年07月27日
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さて、4月のバンフィ社のガラ・ディナーのワインもこれで最後です。本当は、もう1種類スムスがあったのですがそちらはメモの取り忘れです…。クム・ラウデ・トスカーナ2012。バンフィでは、サンジョヴェーゼに加えて国際品種も栽培しています。前回記事にしましたチェンティネ・ロッソにもメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンが使われており、さらにシラーも手がけています。という事で、このワインのセパージュもカベルネ・ソーヴィニヨン30%、メルロー30%、サンジョヴェーゼ25%、シラー15%となっています。4種を別々に醗酵させ、さらに個別にバリックへ移しマロラクティック醗酵、6か月の熟成を行い、ブレンド後さらにバリックで6か月熟成、最後に瓶熟6か月という手のかかったワインです。写真のお店のワインは、今回飲んだものより一つ古い2011ヴィンテージになります。価格は、3390円。色は黒さの強いガーネット。ただ、エッジにはルビーも出ています。香りはやはりフルーティです。ただ、色の濃いものの要素が多く、ベリーではブルーベリーやブラックベリーが中心。ストロベリー的な雰囲気もありますが、そちらは控え目ですね。また、ベリーのジャムっぽさも。そこに、プラムや少々のカシス的なものが加わります。その他、軽いヨードっぽさやビターチョコ、茶色いスパイス、blackオリーブ、若干のスミレといったものも感じられました。味わいは果実のアタックがしっかりありますが、そこまでごつい、べた付くというようなものではないですし、乳酸系の酸の印象も鹿実にきっちりついてきています。また、渋みもアタックの段階から後口にかけて存在感があります。ボディはフルボディですが、まろやかさ、丸さのある口当たりで、やわらかな羽根系の印象。トータルとしては濃いがバランスがいい、といった感覚でした。会では、真庭産湯けむり地鶏と春野菜のパッパルテッレ、岡山県産牛ハチノス、ギアラ、センマイのトマト煮込みのところで飲みましたが、どちらにも合います。パッパルテッレは、鶏の味わいがよく出ており、結構しっかりした味わい。その旨みに、ワインの果実味の奥にある旨みや酸味、やわらかなボディ感がよく馴染みました。トマト煮込みは、モツのコクと独特の香り、それと一体化しているトマトの旨みや酸味・甘みにたいし、ワインの果実味、渋み、そして香りのスパイス感といったものが嵌ってくれました。資料には、豆類のスープ、パンのスープ、グリルした肉、中熟成タイプのチーズが合うものとして挙げられています。家庭でなじみのあるものですと、やはりお肉でしょうね。牛は勿論、ラムチョップなどもよさそうです。味付けはシンプルに塩コショウでもいいでしょうし、茶色いソースも良さげ。濃さとバランスを兼ね備え、熟成もするでしょうし若いうちからも美味しく飲める、国際品種もしっかり使われていると、まさにモダンイタリアという感じの1本でした。ミニ・スーパータスカンといったところでしょうか。時々、卵黄が二個入ったふたごのたまごで全卵使用、生クリーム無しのカルボナーラを作るのですが、それにこのタイプのワインがよく合うので、一度試してみたいところです。にほんブログ村
2016年06月03日
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4月に開催されましたバンフィ社のガラ・ディナーのワイン、ここからは赤。先ずはカジュアルレンジの赤です。チェンティネ・ロッソ2013。モンタルチーノは、粘土石灰岩や火山性岩石の土壌や6月7月にもっとも雨が少なくなる地中海性気候のおかげで、サンジョヴェーゼ栽培に適した環境となっています。1860年代には41社で栽培されていたそうですが、それが2012年には235社と6倍に増えています。セパージュは、サンジョヴェーゼ60%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、メルロー20%。畑は、白のチェンティネと同じような場所のようです。価格は、楽天内では写真のお店などで1598円。色は暗いガーネットといったところでしょうか。黒さが基本ですが、赤さもありますね。香りは実にフルーティです。定番の赤ベリーやブルーベリーが感じられ、さらにベリーのジャムやヨーグルトのニュアンスも。さらに、チェリーやいちじく、ザクロといったものや、ドライプルーンの雰囲気もあったでしょうか。その他、赤い花やバルサミコ的な要素も少々。味わいは香りに似合った果実味中心のもの。そこに、やはり小さな赤いフルーツ的な明るくシャープな酸が加わります。タンニンも程々あり、後口にかけて渋みの印象を残すほか、舌触りにも感じられます。クリアーさもあるミディアムライトなボディとあいまって、全体として軽快さを感じますが、その一方で果実の凝縮感もあります。会ではピッツァのタイミングで飲みましたが、ピッツアの生地の焦げた部分の香ばしさがワインの色の濃いフルーツのニュアンスによく合いました。また、ソースとの相性としては果実感を塩気と旨み、チーズのまろやかさで切り替えるといった感じですが、サラミ・フィノッキオーナの香りや旨みに対しては、ワインのフルーツ感や果実味、軽い渋みがよく馴染んでいました。このワインにはやはりトマト系が鉄板でしょうね。少し黒い雰囲気もあるので、トマト+肉、鶏や牛のラグーソースや、もっとシンプルにミートソースなどでもいいかも。その他、マルゲリータなどのトマトソースのピッツァにもいいでしょうね。フルーティで程々の渋味もあり、気軽で、食事と合わせても楽しいワインです。赤ワインを飲みなれない方の入り口にもいいかもしれません。ただ、そこは流石バンフィの赤、果実味の凝縮感が、各要素とバランスよく存在しており、完成度の高さも感じさせてくれました。にほんブログ村
2016年06月01日
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まだまだ続くバンフィのガラ・ディナーでのワイン、続いても白です。セパージュも前回のチェンティネと少し似ています。レ・リメ・トスカーナ2014。このワインのブドウも、モンタルチーノ南の傾斜地の畑のものだそうで、地質としては砂質土壌だそうです。ただ、そこはやはりヨーロッパ、石灰を多く含むものではあるようです。こちらは、樽は用いられておらず醗酵からステンレス。セパージュは、シャルドネとピノ・グリージョが半々。レ・リメとはイタリア語で韻という意味で、品種のハーモニーのイメージなのだとか。色は薄い黄色。前回のチェンティネより淡いですね。香りは、軽い蜜っぽさやナッツといった要素が出つつも、青リンゴや、スイーティ、グレープフルーツ、レモンといった爽やかフルーティなニュアンスが中心となっています。その他、白い花っぽさや微かなグリーンハーブ、それにマジパン的な砂糖菓子的な風味もあったでしょうか。やはり、チェンティネよりはフレッシュさ強めです。味わいも、勿論アタックに果実味はきっちりありますが、太く明るい酸の印象がより強く、果実味と拮抗するレベルで感じられます。この辺りもハーモニーですね。ボディはライトで、しなやかさやハリ感を感じるタイプ。ミネラル感も少々ありました。会では、豚肉のローストの辺りで飲みましたが、これまた豚にはよく合いました。このワインも、やはり豚肉の味わいを受け止めつつ、塩気+旨みに対し果実味やボディ感、それに、こちらはより存在感のある酸が、よく馴染んでくれました。また、香りの面でも、豚肉独特の香りに、ワインのフルーティさが嵌る感じ。資料には、合う料理として魚料理、サラダ、軽めのプリモピアットが挙げられていましたが、まさしくコースの早い段階のあっさりした料理などに幅広く合わせられそうです。チェンティネと比べますと、こちらがよりフレッシュでカジュアルな感じでしょうか。合せる料理の幅は本当に広そうで、要は煮込み、あるいは黒いソース+赤身肉などの、色の濃い料理でなければ取り敢えず喧嘩はしない、といった感じでしょう。これからの時期、屋外で良く冷やして楽しんだりするのにもうってつけなワインかと思います。出来れば、昼から行きたいところです^^にほんブログ村
2016年05月30日
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今回も勿論ドゥオモのバンフィのガラ・ディナーのワインです。今回は白。チェンティネ・ビアンコ2013。バンフィはモンタルチーノの生産者という事でやはり赤ワインのラインナップが豊富ですが、勿論白ワインも手がけています。やはり、国際品種であるシャルドネやソーヴィニヨン・ブランを植えており、他にピノ・グリージョにも力を入れているようです。チェンティネとは、高台にある自社農場の事だそう。という事で、セパージュはシャルドネ40%、ピノ グリージョ30%、ソーヴィニョン ブラン30%となっています。価格は、楽天内では写真のお店の1672円が現在の最安値のようです。色は薄い黄色ではありますが、その範疇の中ではしっかりしている方でしょう。麦わら程度でしょうか。香りはやはりフルーティ。暖かい地方らしく、熟した南国フルーツ系の甘いニュアンスが感じられます。そこに、ミカンなどの黄色い柑橘も加わります。グレープフルーツよりは色が濃い、しかしオレンジには至らない程度な印象です。その他、黄色い花や軽いオリエンタルスパイス、ハーブ、それに若干のオリーブオイルのようなものもあったでしょうか。加えて、余韻にかけて軽くですがフレーバーティー的なものも。味わいは香りに似合った果実味のしっかりしたものです。アタックにばっちり存在感があります。酸はしっとり系で果実味を脇で支える感じですね。苦味も少々。ボディはライトですが、香りや味わいに似合った柔らかさやまろやかさを感じるタイプ。シャープというような雰囲気は全くありませんね。会では、前菜と、その次の豚肩ロースのローストの辺りで飲みましたが、相性はバッチリ。前菜では、やはり鶏白レバーペーストのクロスティーニがよく合います。ボディの丸さ、果実味のインパクトに、レバーの滑らかさやコク、塩気と旨みといったものがよく馴染みますし、ここでもやはりピンクペッパーが効いてます。また、北海道産塩ダラとジャガイモにもいい感じ。塩ダラの強いうまみと塩気、そこに加わるジャガイモの旨みに、ワインの果実味が馴染みますし、奥にある酸を少し引き出してくれるような感覚もありました。また、豚のローストにもよく合い、豚のしっかりした旨みにこれまたワインのしっかりした香りや味わいが良かったです。また、ズッキーニや空豆など野菜も豊富に添えてありましたが、それらの甘みにもいけますね。ちょっとバリックも使っているようで、香りに複雑みもありますし、華やかな香りと果実味が印象的なワインでした。久々に、「南の白」を飲んだ、という気持ちにさせてくれましたね。ただ、その一方で料理には非常に合わせやすく、価格的にもこれはなかなかコスパワインだなと。にほんブログ村
2016年05月28日
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3月に開催いたしましたコスパワイン会のワインもこれで最後です。トリはイタリアの赤。いわゆるマキコレワインになります。バルベーラ・ダルバ・ラ・ベットラ2011。生産者エルバルーナはピエモンテ州で、18世紀の終わりに創業したワイナリーです。その後、1985年からは有機農法を実践、現在はイタリアの認証団体の認証も受けています。10ヘクタールほどの畑でバルベーラやドルチェット、ネッビオーロといった定番の品種を栽培しています。ラ・ベットラとは畑名だそうで、東南に位置します。バリックは使用せず、大樽での醗酵・熟成のようです。セパージュはバルベーラ100%。価格は2400円程度ですが楽天内に扱いは無し。写真は撮っていましたが消えてしまいましたので会の全体写真でご容赦ください。右端のワインになります。色は赤黒いですが透明度はあります。ルビーカラーを暗くしたような感じでしょうか。香りはキノコっぽさやバルサミコ、カラメルや黒蜜、軽いナッツっぽさといった要素の他、赤いバラやスミレっぽさ等花の香りも感じました。その他は、やはりフルーティさしっかりで、ラズベリー等の赤べりー、プラム、ダークチェリーといったようなニュアンス、それにブルーベリー、というかブルーベリーヨーグルトのような雰囲気も感じられました。味わいは、柔らかな果実味が軸で、そこに明るい酸が入ります。渋みは後口にかけてキュッと印象を占める感じで、トータルとしてチャーミングなバランス感です。ただ、ボディはミディアムながら目の詰まった印象があり滑らか、それでいて、14度という高い度数由来のボリューム感もあり、ハリと柔らかさを感じさせつつも存在感がある印象でした。これも、ハム系とはよく合いました。特に、やはり生ハムにはバッチリですね。目の詰まった味わいと赤身の部分もいいですし、ボリューム感や渋みと脂の部分もよく馴染みます。脂っこさを抑えて旨みをぐっと引き出す感じでした。味わいのバランスはチャーミングですが、結構力のある食材とも合わせられそうです。ラムやシカ、そして牛肉ならフィレといった脂の強過ぎない赤み肉のローストなどは間違いなさそうです。ソースはバルサミコがいいでしょうか。また、マグロのカマ焼きなど脂があるものなら味の濃い魚の方が面白いかもしれません。あとは、ナッツっぽさに合わせて松の実を使ったジェノベーゼなども面白そうです。香りの良さ、果実味や酸の柔らかいバランス、それでいて存在感のあるボディと、流石マキコレというべき、満足感のあるワインでした。因みに、これの樽熟成バージョンもあるそうで、購入店の店主曰く、そちらはこれよりさらに良いそうなので、是非飲んでみたいところです。にほんブログ村
2016年05月24日
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今回はイタリアの白。モスカート系です。ムスカテッダ・モスカート・ディ・ノート2014。生産者マラビーノは、シチリア島のさらに南東の端の辺りに位置するワイナリーです。エリアとしては、ネロ・ダヴォラ発祥の地だそうで、最近まで赤ワインしか飲まなかったような土地なのだとか。伝統的にワインが作られてきた土地ですが、設立は2002年と新しいワイナリーです。ただ、地元を愛する経営者一家が、土着品種を中心に栽培しています。畑では、ビオディナミを実践。大変に乾燥し、風も強い地域なので、ビオもやりやすいようです。セパージュは、モスカート・ディ・ノート100%。価格は、写真のお店で3024円。色は黄金。皮ごと発酵させているそうで、皮の色素が多分に反映されていますね。香りはやっぱりマスカットです。独特のマスカット香がバッチリ出ています。しかし、皮の影響か黄色い要素も感じられ、オレンジママレードやキンカンといった濃い柑橘、それにミツイモの焼き芋のような濃厚なニュアンスも感じられました。その他、タイムなどのグリーンハーブ、茶色いスパイスといったものや、あと、少々のマラスキーノ的な雰囲気もあったでしょうか。味わいは甘口かと思いきやキッチリドライ。果実味は非常に繊細なものでほんのりと出ているといった所。酸はしっとり系で、苦味を少し伴います。それらの要素が、繊細なレベルで拮抗している感じ。むしろ、一番印象的だったのはエキス分かも。収斂味を感じます。ボディはミディアムで、滑らかさと丸さを感じる質感。食事との相性では、丁度スーパーでカジキマグロのバジルソテーなるものが売られていましたので合せてみましたが、やっぱり合いますね。カジキの旨みや火を通すことで生まれる食感に対し、ワインのエキス分のあるドライな味わいが寄り添ってくれます。また、バジルの香りやオリーブオイルも、ワインの香りとの間に共通項があるのか、相性をより高めてくれました。あと、一緒にプチトマトを軽くソテーしたのですが、濃くなったトマトの甘みにワインの味わいが嵌りますし、香りの面でも勿論いい感じ。同じく魚系で、加熱用マグロがありましたのでネギマ鍋にしてみましたところ、これも意外に悪くないですね。マグロのしっかりした旨みに対してもワインの味わいが負けませんし、ネギの甘みにもいけます。また、柚子塩や柚子皮を一緒にしますと、香りの相性もグッと華やかに際立ったように思います。華やかな、マスカット系らしい香りとは裏腹なドライな味わいは中々面白いです。香りに派手さはありますが、存外食事に合わせやすかったのは、やはりこの味わいのおかげかなと。ここまでドライなら、ちょっと癖のある珍味系辺りにも試してみたかったですね。にほんブログ村
2015年12月02日
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今回はイタリアの白です。サン・ヴィンチェンツォ2014。生産者アンセルミはヴェネト州・ソアーヴェ地区のワイナリー。現当主のロベルトがワイン作りに本格的にかかわり出したのが1974年。それまで無名の存在だったソアーヴェですが、バリックによる熟成や低収量に出来る栽培方法の導入で、ソアーヴェの知名度を一気に引き上げました。ただ、ソアーヴェは法的に高い収量が許されており、ロベルトとしては納得のいかないものも多くあるようで、ソアーヴェDOCを脱退、現在はソアーヴェを名乗っていませんが、勿論今でもこの地のブドウでワインを作り続けています。セパージュはガルガーネガ80%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ5%、シャルドネ15%。価格は、写真のお店で2030円。色は黄色。結構しっかりした色合いで、成程よくあるソアーヴェの雰囲気ではありません。香りはパッションフルーツやマンゴー、マンゴスチンなど南国フルーツのニュアンスが非常によく出ています。そこに、グレープフルーツ的な柑橘、黄色い花、それにハーブっぽさや白コショウ的な雰囲気といったものが加わります。また、ミネラルっぽさも少々。味わいは濃い色合いや華やかな香りに似合った果実味中心なもの。ただ、そこまで濃いものではなく、全体的にバランス感の良さはあります。酸はしっとり系で旨みを伴う感じ。ボディはライト。ミネラル感があり、クリアーでパリッとした印象。食事との相性では、やはりちょっと濃さのあるものの方が合わせやすい感じ。お寿司をつまみましたが、鯛よりはブリやイカ、エビなど力のある味わいのネタの方が果実味とより馴染む感じ。特に、イカはワインの香りともマッチする感じで中々の相性でした。また、焼き野菜のサラダと合わせますと、パプリカなどの焼けて甘さの増した味わいや香りに、やはりワインの果実味、華やかな香りがしっかり噛み合ってくれました。この香りは独特ですね。他の産地ではあまり見ない、イタリアワインだなあといった印象です。ただ、やはりソアーヴェと言われて連想するそれとは力強さなど大分違う感じです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2015年10月25日
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先日のヴィノムオカヤマで頂いたワインもこれで最後です。個人的に好きなシチリアの生産者の赤になります。ヴィーニェ・ヴェッキエ2004。生産者ラ・カラブレッタはシチリア島のエトナ山のワイナリー。標高700~800mという非常に高いエリアに存在し、シチリアという南の産地ながら冷涼さを持ったワインを作っています。創業は1900年、4世代にわたってワイン作りに携わっていますが元詰めを始めたのは1997年と最近。ただ、ブドウの平均樹齢は70年から80年、環境的にフィロキセラの影響も受けていないため昔から有機無農薬で栽培されてきたものです。セパージュはネレッロ・マスカレーゼ。楽天内では写真のお店で2754円です。色は明るいガーネット。赤さやや強めで透明度も多少あります。香りは、ブルーベリーやブルーベリージャム、赤ベリーのジャムといったものや、ザクロ、イチジク、チェリーなどなどフルーティさしっかり。そこに、シナモンなどの茶色いスパイス感やトマト、ドライトマトといったニュアンス、それにチョコレート的な要素といったものが加わります。また、若干還元の雰囲気も見られたでしょうか。味わいは果実味中心。そこにしっとり系の酸としっかりした渋みが加わりバランスを取っている感じです。ただ、果実味はしっかりしているので全体的に拮抗して繊細、というものではなく、ジューシーな感じです。タンニンは渋み通りの存在感のあるもので、舌触りにも感じられます。ボディはそこまで重いものではなく、丸さ、柔らかさ、温かさを感じるミディアムといったところでしょうか。イベントでは、鱧のフリットのタイミングで飲んでしまったのですが、これが思いのほか悪くありません。鱧という魚は、脂っこさ等はありませんが、味自体は滋味深く決して弱いものではないと思いますが、その味の強さと、カリッと揚がった衣の存在感が、ワインの果実味やタンニンに負けず、それでいて臭みなどは全く出ず、一体感とまではいきませんが寄り添う感じでした。また、アグロドルチェにすることで甘みの強まったタマネギの存在も、果実味や酸、また香りとの相性の面で効いていたかなと。鱧の後は単独でちびちび飲みましたが、間違いなく果実味が軸ではあるもののそれがべったりしたものではなく、むしろ熟成により柔らかさ軽やかさがあるため、問題なくすっと飲めてしまいました。他に何か合わせるなら、魚ならブリやマグロ、それに脂の乗ったウナギやアナゴでしょうか。肉なら、赤身+キノコなんてよさそうです。しっかりした味わいにフルーティーな香りと、今回のイベントのワインの中では最も万人受けするタイプかなあとも思いますが、自然派な雰囲気も勿論あり、楽しいワインでした。また、その香りや味わいの雰囲気は涼しいこれからの時期にぴったりかなと。個人的には、秋のワインというイメージです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年10月15日
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先日のヴィノムオカヤマで飲んだワイン、今回は最近流行りの気配が見えますオレンジワインです。ヴィトフスカ・オリージネ2009。生産者ヴォドピーヴェッツはフリウリのワイナリー。1997年にヴォドピーヴェッツ兄弟が創業しました。栽培するのは土着品種のヴィトフスカのみ、栽培ではとても低い木を密植し、有機無農薬を実践します。また、醸造でも非常に特徴的で、白ブドウのヴィトフスカを全て温度管理無し、野生酵母による醸し発酵を行います。また、バリック以外に地中に埋めたアンフォラでの醸造も。価格は、楽天内では写真のお店で6264円。色は、醸し発酵による果皮の色合いが出たもので、ツヤのあるオレンジ。香りは柑橘っぽさがありますが、キンカン的な雰囲気があり果皮を感じますね。その他、ミカンやレモンっぽさも。加えて、洋ナシっぽさもあり割とフルーティさはあります。また、ハチミツっぽさやカスタード、さらにマラスキーノやキルシュヴァッサー的なニュアンスなど、甘い要素を結構感じました。味わいは果実味+苦味の印象が強め。先ず果実のアタックがありそれにぴったりと苦味が追ってくる感じ。また、酸も勿論あり、しっとりしたものですが明るく生き生きとしたものが果実と苦味の奥に見えます。旨みもあり、全体としてはバランスにいいものです。ボディーはエキス分とまろやかさ、なめらかさを感じるものですが、そこまでごつくなくライトといって差し障りないかなと。イベントでは、牛肉の屋台風パイとクリアピック・ソーモンを合わせてみました。醸し白という事で、バランスの良さがありつつもある程度の力強さもありますので、パイの中の甘辛い牛肉の味付けにも負けません。パイ生地の香りとの相性もよく、まずまずの相性でした。また、花椒の香りとワインのキンカンっぽさも中々馴染みます。サーモンパイ包みとは無難な感じ。サーモンの旨みや香り、キノコの香り(特にソース)と喧嘩せず、互いの要素をしっかり楽しめました。ただ、対比があるとか馴染むとかといった感じではなかったでしょうか。パイの香りとワインの香りにはやや引き合う感じも見えたようにも思いますが。醸しらしい苦味や色合い、香りが出ていますが、それらが果実味を軸に非常に上品にまとまっている感じを受けました。この生産者のワインは以前に別のものを飲んだことがありますが、そちらも、やや果実味の印象が強めなもののバランスの良さを感じました。価格的には割としますが、それに似合ったワインを作る非凡な生産者だと思いますね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年10月13日
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まだまだ続くヴィノムオカヤマでのワイン、今回はやや趣向の違う1本です。ペルセギン。生産者ポッサことボナニーニ・サムエーレ・ハイディはリグーリアの国立公園や世界遺産にもなっている景勝地チンクエ・テッレのワイナリー。元々ワイン作りは盛んだったようですが、急斜面での畑作業の難しさやコスト高から近年は激減。そんな状況を憂いたチンクエ・テッレ国立公園会長の息子サムエーレがこの土地の伝統を守ろうと2004年にスタートしました。ペルセギンは、現地の野生のモモおよび、その葉をアルコールに漬け込み、ワインと砂糖で割ったリキュールの事で、ポッサでは砂糖とアルコールを使わず、発酵途中のワインにモモの葉を漬け込んで作っています。セパージュは、ヴェルメンティーノやボスコ、アルバローラといった複数の地場品種になります。価格は、楽天内では3153円。色はツヤのある黄色で、ややオレンジも感じます。香りは、なるほど、モモの葉と言われればそうかもという緑の濃い木の葉のような雰囲気はあります。ただ、自然派系らしい微かな還元のニュアンス、それにオリエンタルな雰囲気のスパイスやハーブ、加えて、ややジンジャーエールないし生姜そのもののような要素がよく出ておりその印象が強かったです。また、アロエヨーグルトっぽさも。ただ、その奥にはリンゴやミカン的なフルーツ感も。味わいは、先ず微発泡しているのが特徴的。結構勢いもあり、海外のハーブを使ったビールを思わせます。また、スタイル的に当然ですが甘みがあります。そこまでがつんとしたものではなく柔らかいものですが、それでも第1の要素ではありますね。また、後口にかけて、苦みや旨み、それに意外に乳酸系のしっとりした酸が感じられました。ボディはライト。イベントでは、ボッリートと牛肉の屋台風パイ、花椒風味をつまみました。ボッリートとの相性はまあ無難な感じ。甘味がありますが、料理の塩気や旨みも負けておらずその対比によって旨みがより目立ちますし、ソースを合わせればパセリの香りも加わってワインのハーブ系の雰囲気と馴染む感じも受けました。一方、パイの方は先ずパリッとしたパイ生地の香ばしい香りや味わいにワインの香りや甘味がよく映えました。このワインのスパイシー系のニュアンスは、パイ生地など小麦の焼けた香ばしさと相性がいいようです。加えて、花椒の香りやピリッとした刺激に対しても相性が良く香り同士が違和感なく馴染むのは勿論、舌に残る刺激と甘み・香りがしっくりいったのが面白かったですね。厳密にはフレーヴァードワインになるかと思いますが、面白い1本でした。容量も500mlという事で、デザートワイン的に飲むべきものなのかもしれませんが、そこまでの甘みではなく、結構食中酒としても行ける感じでした。特に、香り的に中国料理の他東南アジア系の料理なんかとも合わせてみたいところ。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年10月11日
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先日のヴィノムオカヤマでのワイン、続いては白、しかもマグナムサイズです。ヴィーノ・ビアンコ・マグナム。生産者のカンティーナ・ジャルディーノは伝統産地イタリアでは変わった、畑を持たないワイナリーです。南部カンパーニャにあり、元々はエノロゴとして大手ワイナリーで働いていたアントニオ氏が家族や友人と飲むための自家消費ワインを作っていたことがスタート。タウラージの農家からブドウを買い、それでも2000本程度を仕込んでいたのだとか。その後、収量アップや助成金も出るとあって、古い木を抜き新しい畑を仕立て直しているタウラージの状況を見、貴重な古木のブドウを守りたいと、友人らとともに出資しワイナリーを設立。古木のブドウを付加価値を付け購入、それを醸造し販売し、古木を守る動きを広げたいと考えているそうです。セパージュは、コーダ・ディ・ヴォルペ50%、フィアーノ25%、グレーコ25%。価格は、楽天内では4644円。マグナムでこの値段です。色は濁りしっかりですが、ツヤのある深い黄色でオレンジに近いくらい。香りはナッツやカスタードを思わせるニュアンスがふっと入り、さらにグリーンハーブっぽさやアロエないしアロエヨーグルトのようなやや青い系の雰囲気も。また、柑橘の要素も感じ、グレープフルーツやブンタンなど薄めの黄色のそれが出ていました。味わいは思った以上にドライ。果実味の印象は繊細で、あまり強くありません。しっとり系の酸と旨み、それにミネラル感の印象の方が前に出る感じです。濁りはありますが口当たりはクリアーさを感じ、ライトボディ。ただ、ライトなりのエキス分はあったでしょうか。イベントではボッリート共に頂きましたがこれはよく合いました。肉の鉄っぽさを旨みとして磨き出してくれますし、一方でダシとドライな味わいや旨みとの相性も良好。加えて、柔らかく煮込まれた肉の食感とワインの質感とがよく馴染みました。勿論ソースもいい感じで、パセリの香りやアンチョビの塩気を加えることで、ワインとの香りの面での相性、さらに肉の旨み、ソースの塩気、ワインの味わいの馴染み方もより華やかになったように思います。還元の印象もあまりなく、色合いこそ濁りがありますが、食事とも合わせやすく中々使い勝手のよさそうなワインでした。食事には幅広く行けそうです。マグナムですし、大人数でのイベントやイタリアンでの食事の機会などにあると楽しそうな1本かなと。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年10月09日
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先日のヴィノムオカヤマで飲んで印象的だったワイン、先ずは今回の中でもトップレンジのこちらから。メルロー1999。生産者はラディコンです。イタリア、フリウリの自然派生産者であり、自然派の中でもビッグネームとして知られています。現在ワイン作りを行っているスタニスラオ氏がワイナリーを任されたのは1980年。当初は、カベルネなどの国際品種を植え、バリックでの醗酵熟成などを行っていたそうですが、1995年からは昔は行われていたという白ワインのマセレーションや大樽での熟成を実践、畑でも有機無農薬栽培を始めています。価格は、楽天内の写真のお店では19418円。色はガーネット。赤さ、透明度があり熟成感を感じますが、やや濁りも。香りは、ラズベリーやイチゴなどの赤ベリー感もありますが、チェリーやプラム、それに洋酒、洋酒を使ったフルーツケーキといったメルロー感満載なものです。また、ココアやチョコレート、軽い黒土っぽさもあったでしょうか。また、微かにですが土埃的な還元系の雰囲気も。ただ、甘いニュアンスが強く気になるほどではありませんが。味わいは、明るくハイトーンな酸主体。驚くほどインパクトあります。果実味は、酸の背景としてほんのりと広がるといった感じ。渋みは程々で、後口にかけて渋みと共にじわじわと印象を増してくる感じです。ボディはクリアーなミディアムライトといったところ。ただ、柔らかさ、丸さは感じました。イベントでは、ボッリートと合わせてみました。肉の旨みの部分とワインの旨みの引き合いは見られましたが、そこまでバッチリ!という程でも無し。やはり、酸主体で軽い口当たりだとは言え、トマト系など赤い料理と合わせる方がよさそうです。香り高く、味わいのバランスも良好で、流石の風格。正直、つまみなしでも十分飲めてしまいました。ゴツさや雄大さはありませんが、これもまた、一つの偉大なワインといえそうです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年10月07日
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今回はイタリアの白です。産地としてはややマイナーな、リグーリア州のものになります。オンダ・ディ・ルーナ・コッリ・ディ・ルーニ・ビアンコ2011。リグーリアはトスカーナ州の北西にある、地中海に面した地域です。ルナエ社は、1966年創業。ラ・スペツィアというエリアにあり、まさにリグーリアとトスカーナの境になるのだとか。白ブドウでは、ヴェルメンティーノやトレビアーノのほか、幾つかの地場品種が作られているそうです。セパージュは、ヴェルメンティーノ70%、アルバロー ラ15%、グレコ15%。価額は、楽天内に2011ヴィンテージはなく、写真のものは2013ヴィンテージで2894円。色はツヤのある濃い黄色。黄金とまではいかないまでも、深い色合いです。香りは、割りと円やかな要素が出ており、ナッツやクリーム、松の実などを感じます。そこに、リンゴやミツ、ビワ、柑橘ではキンカンやオレンジといったものが感じられました。その他、白胡椒などの軽いスパイス、白い花、ベッコウアメなどのニュアンスもあったでしょうか。味わいは、色の濃い柑橘系の果実味がしっかりで、味わいの中心になります。しかし、そこに明るくしなやかな酸と、塩気を感じるミネラル感が速やかに追いかけて来ます。バランスはよくとれた作りだと感じました。ボディは丸さも感じるミディアムライト。エキス分は程々です。食事との相性は幅広くいけます。お寿司をつまむと、白身、青魚、赤身、イカや貝などなんでもござれです。味の濃いネタには、ワイン果実味や香りの濃い要素がマッチしますし、さっぱりしたネタには、ワインのミネラルや酸、香りのスパイスっぽさなどが寄り添う感じでした。面白かったのが牛肉。ステーキを食べたのですが、塩コショウをし忘れまして(^^;しかし、肉の甘味をしっかり感じられましたところ、その甘味にワインの果実味がよく合いましたし、香りの各要素も肉の甘味香りにはまりました。白でも、こういうタイプなら、味付け次第で牛肉もいけますね。その他、ちりめん山椒を使ったサラダもつまみましたが、山椒の爽やかな香りとワインのスパイス感+柑橘のニュアンスに親和性、共通性が見られいい感じ。ワイン単体としても、中部イタリアの白っぽさがよく感じられるワインでしたし、食事との相性は万能系で、非常に楽しいワインでした。グラスは、やや大きめのシャルドネグラスを使いましたが、ピッタリ合っていたように思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2015年01月05日
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今回は北イタリアの白です。品種は、土着ではなくシャルドネになります。ブッシアドール ランゲ・シャルドネ2010。生産者はアルド・コンテルノです。ピエモンテ州で、18世紀から続くバローロの名家、ジャコモ・コンテルノの一族です。5代目に当たりますが、ワイナリーを引き継いだのはお兄さん。その後、アルノは兄とのワイン作りについての哲学の違いから1969年に独立、自身のワイナリーを始めました。やはり、バローロを中心に生産しており、白はこのシャルドネだけになります。価格は、写真のお店では8600円ですが、これは期間限定特価だそうで、基本的に9000円を切ることは無さそうです。色はツヤのある淡い黄色。バローロにバリックは使わないそうですが、このシャルドネには焼きは抑えてあるものの、バリックを使用しています。香りは、オレンジや少々のグレープフルーツっぽさといった柑橘の要素や、パイナップル、それに軽いイチゴっぽさなどフルーティさしっかり。さらに、焼き栗、蜜、洋酒やドライフルーツを用いたケーキのようなニュアンスもあり、全体的に甘い雰囲気が強め。そこにヨードっぽさや白コショウ、ハーブ、微かなキノコっぽさなど複雑なニュアンスも加わってきます。味わいは、香りの印象程果実味は突出しておらず、バランス型といっていいくらいです。果実味は確かにやや前に出ては来ますが、繊細さがありますし。そこにしっとりと柔らかな印象の酸が、拮抗する程度で加わってきます。ボディも、クリアーな質感かつ繊細さのあるもので、精々ミディアムライトといったくらい。香りは華やかですが味わいは大人しく、単独でも飲みやすいワインですが、食事にももちろん行けます。パプリカなどが入った鶏のテリーヌをつまみましたが、野菜の甘みや香りにワインの香りや果実味がよくマッチします。また、テリーヌのあまりきつくない柔らかな旨みにもいい感じでした。魚介では、サワラのクリーム煮をしてみましたがちょっと違う感じ。クリーム系のものよりも、よりシンプルにグリルなどの方がよさそうです。また、お寿司ですと、サーモンや脂ののったブリに香りの華やかさと果実味がいけますし、赤身との香りの面の相性もまずまず。生魚系も結構いけるようです。面白いワインでした。ピエモンテの白という事で、もう少し峻厳なタイプをイメージしていましたが、北の産地らしく抑制は効いているものの、華やかな香りと穏やかな飲み口で、スイスイ飲める楽しいワインでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年12月14日
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今回はイタリア・ピエモンテ州のバルバレスコです。といいましても、とても買いやすい値段のものになりますが^^;バルバレスコ・スアーニャ2010。生産者カッシーナ・ゲルチーナは1910年創業のワイナリー。バローロ城から3キロのところに8haの畑を所有し、ゲルチーナ湖と呼ばれる湖を敷地内に持つ大きな作り手です。畑では環境保全型農法を実践しているそうで、ネッビオーロやモスカートの他、ロエロ・アルネイス、グリニョリーノ、ナスチェッタといったブドウを栽培しています。価格は、写真のお店で2100円でしたが既に完売です。色は濃いルビーといったところ。若さがある為オレンジ感はありませんが、透明度はそこそこあります。香りは、イチゴやラズベリー、ブルーベリーとベリーフルーツのニュアンスがシッカリです。その中に、トマトやローリエなどのハーブといった、やや青さもある要素が加わってくる感じ。加えて、黒コショウや茶色いスパイス、土っぽさ、それに金時人参のような雰囲気といったものも感じました。味わいはなかなか繊細&バランス型。乳酸系の明るい酸と柔らかな果実味が拮抗している印象。で、どちらも繊細さがあります。一方、渋みはやはりネッビロオーロらしくバッチリ感じます。ただ、舌触りのタンニンの印象はあまりありません。加えて、旨みも十分です。ボディはミディアムフル程度。ミネラル感もありますね。クリアーでバランスのいいタイプのワインですので、食事に合わせるなら赤身肉や鶏肉、それに魚系がいい感じかなと思います。鴨肉を見つけたので、塩コショウでシンプルに焼いて合わせてみましたが、肉の旨みや香りにワインの果実味や渋みが、ソース的に合いつつも旨みの引き出しもしてくれいい相性でした。焼くときに、ローズマリーなどハーブを使ってもよかったかなあと思います。また、焼きアナゴ(白焼き)をつまんでみますと、アナゴの香りや脂感にワインの質感や渋み、旨み等がなかなかはまりました。バルバレスコの凄味を感じられるというようなワインではありませんが、バランスのいいネッビオーロを手ごろな価格で楽しめるというのは魅力的だと感じました。楽天内で完売なのも頷けますね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年07月13日
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今回はイタリアの赤です。トスカーナのワインですが、国際品種も使っているタイプ。面白い名前です。ド・ウ・デス2009。生産者ファットリア・カルピネータ・フォンタルピーノはトスカーナのワイナリー。キャンティクラシコとの境界近くにあるそうで、20世紀からワイン作りが行われていたという畑を、1960年代から現オーナー家が所有しています。といいましても、畑の平均樹齢は18年、最年長の木で40年程度。サンジョヴェーゼの他、カベルネ・ソーヴィニヨンなども栽培しているそうです。ド・ウ・デスという変わった名前ですが、ラテン古語で「与えよさらば与えられん」という意味だとか。セパージュは、メルロ34%、サンジョベーゼ33%、カベルネ・ソーヴィニヨン33%。価格は、写真のお店で3866円。色は黒紫。濃いです。香りは、樽の影響かココナッツやナッツ系のニュアンスを感じました。また、フルーツ感は、意外と赤ベリーっぽさが出ています。ただ、煮詰めたものやジャム系のそれですが。加えて、干しブドウや干し柿、柿のジャムといったような雰囲気も。その他、トリュフや土的な要素、スミレ、若干の佃煮っぽさといったようなものも感じました。味わいは、色に似合ったタニックなもので、渋み、舌触りともにきっちり感じます。ただ、果実味と酸はどちらも大人しい目かつバランスがよく、かなり落ち着いた印象は受けます。ボディはフルボディですが、口当たりは割となめらかで、重い!という感じではなく、ある種カリフォルニア的な柔らかさはありました。今回は、トマト、レバーペースト、そして菜の花ペーストという3種のカナッペをつまんだのですが、相性結構良かったです。トマトとは、トマトの甘みや酸味がワインの渋味と均衡してハイトーンながらバランスを感じますし、穏やかな果実味がそれを支えている感じ。バケットはトーストしていましたがその香ばしさもよかったです。レバーペーストのものとは、レバーの香りや旨みにワインのパンチ力をぶつけて、その対比を楽しむ感じ。ここでも、レバーの濃さに対し渋みがいい働きでした。菜の花とは、実は一番良かったかも。菜の花の旨みや甘みはしっかりしており、ワインのインパクトを受け止めつつ、香りの面も相まって各要素が引き立てあっている感じでした。個人的に、菜の花って実は赤ワインによく合うと思っているのですが、今回のワインにもよかったです。このワイン、パーカーからは「新しいスーパートスカーナ」と評されているようですが、なるほどイタリアらしい明るさはありつつも、落ち着いたバランス感や濃さはそれ系の雰囲気ありました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年05月28日
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今回はイタリアのちょっといい赤です。マルチリアーノ2000。生産者ファレスコはウンブリア州のワイナリーで、創立は1979年と伝統産地イタリアでは新しい目。イタリアにおいて、ワインコンサルタントとして活躍しているリッカルド・コタレッラ氏が自身と弟さんとともに始めました。現在、コタレッラ氏はメルローの第一人者として知られていますが、元々は土着品種を重んじていたそうです。150年前に植えられたというメルローを、補助的に試したところそれが大成功、今日に至っています。セパージュは、メルローでも土着品種でもなくカベルネ・ソーヴィニヨン70%、カベルネ・フラン30%です。価格は、写真のお店では5000円でしたが既に完売です。色はガーネット。熟成の影響か紅みを感じますが、透明度は低いです。香りは、カベルネ系らしいコーヒーや杉っぽさ、鉛筆の芯的ニュアンスといったようなものがあり、そこに黒ベリーやバルサミコっぽさ、それに少々の赤ベリーのジャムのような甘い雰囲気、赤い花といった要素が加わってきます。また、ココアやキノコ、湿った黒い土などのニュアンスも。味わいは、14年の熟成を経ていますが、乳酸系の明るい酸が、流石に優しくはありますがきっちり中心にあります。果実味も、これまた優しく柔らかさを感じるものですが、酸の周囲を包んでいます。渋みは、これもやはり酸や果実と均衡がとれたものですが、後口にかけて存在感を示します。舌触りにも少々。 ボディはミディアムフル程度で、柔らかいものです。食事との相性では、ローストビーフと焼き野菜のサラダと合わせたところ、赤身で旨みたっぷりのローストビーフにワインの果実味や渋み、香りのフルーティさがよく合いましたし、焼き野菜では、かぼちゃの甘さ、ほくほくの食感に、ワインの香りや質が感いけます。また、ジャガイモにもいいですし、流石イタリアワインというべきか、トマトにもやっぱりよかったです。他にも、やはり肉系のお料理と色々合わせてみたいですね。14年の熟成を経ていますが、香りや果実味の印象など、優しくはあっても弱くはなく、ワインの力を感じることができました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年05月18日
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今回も続けてイタリアワインです。北部、ピエモンテ州の赤になります。ドルチェット・ダルバ・サンタンナ2011。プリンチピアーノは、バローロボーイズ達が脚光を浴びた時期に、同じようにモダンスタイルのバローロを造り評価を得たそうですが、その後、そのつくりに疑問を感じ、薬剤等の使用をやめ、バリックから大樽への切り替えを行うなどし自然なつくりを志向しています。サンタンナは畑の名前だそう。価格は、写真のお店で2079円。色はガーネット系。黒さも勿論ありますが、レンガ的な要素も見えます。また、少々にごりもありました。香りはラズベリーやイチゴといった赤ベリーのニュアンスがよく出ていますほか、それら赤ベリーのムースのようなまったり感のある雰囲気も。その他、定番の茶色いスパイスっぽさや、軽いココアのような要素も感じられました。味わいは突出した要素のない、非常にバランスのいいものとなっています。乳酸系の酸、果実味は勿論、渋味や旨みも程よく拮抗している印象です。ボディはミディアムライト。口当たりは滑らかながら透明感を感じる質感です。食事との相性では、バランスのいい穏やかなワインであることから、鶏や豚など濃すぎない肉類との相性が良好でした。鶏肉は、トマト煮と肉じゃがで合わせてみましたが、トマト煮とは、肉の旨みとワインの味わいは勿論、香りのベリー感とトマトの相性も良かったですし、肉じゃがとは、醤油ベースの味わいが意外なほど嵌りました。勿論、旨みを吸ったジャガイモともいいです。香りの共通項も何かしらあるように感じました。豚肉は、脂身の少ない煮豚にバルサミコを少し垂らすという食べ方でしたが、肉の旨み、食感にワインの旨みや質感がマッチしましたし、バルサミコが加わるおかげで香りの相性もアップ、全体的に一体感のある組み合わせになりました。パワフルなモダンスタイルを離れた生産者のワインだけあって、穏やかさ、バランスの良さが感じられました。デイリーに、食事とあわせても楽しめますし、そのバランス感をじっくり楽しむのもいいかと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年01月17日
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今回はイタリアワインです。北イタリアの白になります。チャンパニス・ヴィエリス・シャルドネ2010。生産者はヴィエ・ディ・ロマンス。北イタリア、スロヴェニアとの国境に近いフリウリのワイナリーです。赤やロゼも手がけますが、このワイナリーの本領はやはり白。ビアンキスタと呼ばれ、シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリージョなどで骨太なワインを造っています。ブドウは完熟にこだわり、種まで柔らかくなるくらいまで収穫しないのだとか。セパージュはシャルドネ100%。ヴィエリスは樽ではなくステンレスタンクで醗酵・熟成させるタイプです。価格は、写真のお店で3465円。色は薄く、淡さを感じる黄色です。香りはミツっぽさに加え、樽を使っていないにもかかわらず焼き芋や焼き栗といった甘く香ばしいニュアンスが感じられました。その他、ハーブっぽさや白い花、オレンジや蜜柑といった柑橘、それに少々の石灰っぽさも。味わいはフルーティかつジューシー。果実味中心で、穏やかな酸がそれを裏から支えているといった印象です。ボディは丸さがありつつも、ボリューム感、エキス分を感じるミディアムといったところ。大柄なワインですので、合わせる食事もしっかりしたものの方がいいようです。シーフードですと、サーモンやハマチなどが入ったサラダを合わせてみましたが、ワインのパワーに脂の乗ったハマチが一番嵌ったかなという感じです。肉系はどうかなということで、鶏肉のポトフやフライドチキンをつまんでみたところ、ポトフの穏やかな味わいも悪くないですが、フライドチキンくらいパンチが効いているくらいで丁度よかった感じです。衣の油や肉の脂にワインのボリューム感や果実味が効きますし、肉の鉄っぽさも旨みに結び付けてくれます。シンプルかつ味のしっかりした白い肉の料理がいいようで、他に煮豚もいいつまみになりました。ヴィエ・ディ・ロマンスらしいボリューム感のある1本でした。大き目のグラスを用いたいところです。しかし、その中にもキレイさがあるのは流石。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年12月18日
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今回はイタリア・ヴェネトの赤です。秋に美味しい優しい自然派の1本です。ロッソ・マシエリ2011。生産者ラ・ビアンカーラはヴェネト州、ガンベッラーラに1989年に創業したワイナリーです。ガンベッラーラは馴染みは薄いかもしれませんが、ソアーヴェの隣のDOCになります。畑ではビオディナミを実践する他、醸造においても野生酵母による醗酵、酸化防止剤の低減ないし不使用、樽も新樽は使わないという筋金入りの自然派です。栽培品種は地元伝統のガルガーネガを中心に、トレビアーノやメルローといったものが主です。セパージュはメルロー100%。価格は、写真のお店で2184円。色はガーネット系ながらも赤み強め。香りは、赤ベリーや黒ベリー、チェリー、さらにはそれらのコンポート、少々のプラムっぽさといったメルローらしいフルーティさがあるもの。ただ、勿論それだけではなく、バルサミコや醤油っぽさといった要素や、麦チョコや押し麦とった穀物や穀物に甘いニュアンスを伴ったものが感じられました。味わいは意外と渋味しっかり。メインの要素となっており、舌触りでもタンニンを感じられます。また、この手のワインらしく旨みも十分。一方、果実味、酸は大人しめ。ドライフルーツ系の果実味に、乳酸系の酸が寄り添います。ボディはミディアム程度で、結構クリアーな印象。柔らかさもあります。食事との相性も結構いい感じです。柔らかさがあるのはわかっていましたので、牛肉のタタキをつまんでみましたが狙い通りのいい相性でした。サシの多い和牛でしたが、その脂にワインのタンニンや香りが嵌って、旨みを引き出しつつ脂っこさは抑えてくれますし、豊かな旨みや果実味が肉の旨みと引き合いを見せてくれました。あと、面白かったのが鳥とキノコの味噌煮といい相性だったところ。シンプルに数種類のキノコと鶏肉を味噌汁風に炊き合わせただけのものなのですが、味噌やキノコ香りとワインの香り、鶏の脂とワインのタンニン、そして全てが一体となった旨みとワインの旨みと対応する要素が多くありました。味噌の香りと相性いいのは驚きでした。ここのワインは白の評判が良く、実際私も何度か飲んでいるのですが、赤も中々に面白かったです。そこまでビオビオしていないので、この手のワインに慣れていない方にも接しやすいワインかと思います。白のほうより赤の方がとっつきやすいかも。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年11月08日
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今回はイタリア北東部、エミリア・ロマーニャ州の白です。エミリア・ビアンコ・ソラータ2011。生産者カルディナーリはピアチェンツァ東端にある家族経営のワイナリー。10haの畑を持ち、昔から実践されていた混植混醸を行っています。また、混植されている畑では除草剤などを使わず、醸造でも酸化防止剤も控えている自然派な作り手。ただ、歴史自体は新しく、1970年創業だそうで、現代は2代目が管理しています。セパージュはマルヴァジア、ソーヴィニョン・ブラン、オルトゥルゴ、モスカート。価格は、写真のお店で2709円です。色は濃い黄色。黄金といっていいくらいです。香りは、使用品種のアロマティックな感じが出ていますが、どれかが突出しているという感じはありません。それでも、ちょっとソーヴィニヨン・ブラン的グースベリー感やグリーンハーブっぽさはあったでしょうか。その他、軽い白コショウ感や石灰岩的雰囲気、それにフローラル、黄色い花、ナッツ、蜜、それに軽いオイリーさといったものも感じられました。味わいは明るい酸が印象的。色や香りのイメージとはちょっと違う、ミネラル感を伴う骨太なものながら、軽快さもある酸です。果実味はトーン低め。酸の背景となっている感じ。後口にかけて旨みも感じます。ボディはさらっとしたライトですが、ハリはありました。食事との相性では、やはりしっかりしたものが好ましそう。骨付き鳥の白ワイン煮とあわせて見ますと、鳥の鉄っぽい旨みやハーブの利いた香りが、ワインの香り・旨みと良くマッチしました。明るい酸も、脂感を上手く和らげてくれます。一方、お寿司をつまんでみますと、脂の乗ったブリやサーモン、それに赤身といったものとの相性はよかったですが、サンマやサバといった青物との相性ではやや臭みが出てしまう感じでした。イタリアでも混植混醸=ゲミシュター・サッツが行われているとは聞いていましたが、今回初めて飲むことが出来ました。使用品種の影響もあるのでしょうが、アロマティックな感じはありました。ただ、冷涼な酸がありつつもおおらかさも感じたのは、土地の個性だったのかなと思います^^にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年10月19日
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今回も白ですが、コクのあるタイプなので真夏よりはもう少し涼しくなってからの方が向いているかもしれません^^;ビアンコ・ディ・ムーニ2010。生産者はダニエーレ・ピッチニン。イタリア・ヴェネト州のワイナリーです。元々レストランのソムリエだったそうですが、2006年にワイナリーをスタートさせました。チーモという山の斜面に、地場品種のドゥレッラなどをビオディナミで栽培しています。醸造においても、so2はあらゆる段階で使用しないという、ヴェネトの自然派らしい徹底振りです。セパージュはシャルドネ80%、ドゥレッラ20%。価格は、写真のお店で2090円。色は琥珀色といっていいくらいのもの。醸造中の空気の影響でしょうね。香りは、これが結構真っ当^^;で、硝煙や濡れた石、アスファルトといったニュアンスに、ナッツやバターっぽさ、それにカスタードといった甘い要素が加わります。また、リンゴや洋梨といったフルーツも。味わいは果実味中心で、そこに旨みを伴います。酸はしっとり系でそこまで前には出ませんが、必要な存在感はあるかなといった印象。ボディは、思いのほかクリアーさがあり、ミディアムライト。口当りは丸いです。食事との相性は、味の濃さが有る程度あるものがやはりいいようです。チャーシューを摘んだところ、肉の旨みやダシの甘み、香りが、ワインの果実味や旨み、香りとよく嵌りました。少し、肉の鉄っぽい旨みも引き出してくれます。魚介では、白身魚の刺身などはイマイチですが、エビのグリルや、白身でもクリームを用いたテリーヌといった物とはなかなかいけました。色合いには驚くかもしれませんが、香りや味わいは穏当なもので、この手のワインの中ではとっつきやすいものかなと思います。にほんブログ村
2013年07月25日
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今回はイタリアのソーヴィニヨン・ブランです。フリウリ・グラーヴェ・ソーヴィニョン・ブラン。生産者ビドーリは1924年創業のフリウリのワイナリー。現在は3代目がワインメーカーやテクニカルマネージャーを務めているそうです。2002年には新しい施設を建設し、今勢いのあるワイナリーのようです。セパージュはソーヴィニヨン・ブラン100%。価格は、写真のお店で1995円。色はシンプルな薄い黄色。北のソーヴィニヨン・ブランらしい色合いです。香りはグラッシー!まさにこの品種らしい青い草、芝系のニュアンス、さらにグリーンハーブといった要素がバッチリ感じられます。柑橘っぽさも十分で、蜜柑やグレープフルーツといったニュアンスが出ています。そこに、ミネラルや青いブドウっぽさといったものが加わってくるでしょうか。味わいは明るくシャープさのあるキレイな酸が1本ビシッと入っています。それを割と膨らみや温かみを感じる果実味が被っているような印象。ミネラル感はありますが、シャープというわけではなく、しなやかという程度のライトボディとなっています。単独でもスイスイ飲めるタイプです。これからの時期などは特に良く冷やして楽しみたいところ。ただ、勿論食事ともok。といいますか、やはり食中で楽しんでなんぼな気はします。シーフードとの相性は勿論良好。鯛やイカの刺身をつまみましたが、身のほのかな甘みや旨みとワインの果実味、酸、そして奥にあったのであろう旨みとの良くマッチしました。また、鯛といえばアクアパッツァにしてみたところ、これまた好相性。火の入った魚の身の旨み、オリーブオイルやハーブの香り、それに貝からの旨みやトマトの甘み酸味がワインの各要素と引き合ってくれました。その他、今回は試せていませんが白い肉系との相性も良さそうですし、ちょっと季節は過ぎましたが香りのいい山菜などの天婦羅といったものにも面白そうです。これからですと、夏野菜の煮浸しや揚げ浸しなんかいいかもしれません。色々試したくなるフードフレンドリーなワインです。ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランに近い部分も多いですが、ニュージーほど強さや黄色いニュアンスを感じないのが特徴的に感じました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年05月28日
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今回はイタリアの白。最近イタリア北部などで見かける超自然派な1本。ビアンコ・ブレッグ1999。生産者ヨスコ・グラヴナーはフリウリのワイナリー。かつては温度管理したステンレスタンクで醸造を行っていたそうですが、現在では有機無農薬での葡萄栽培は勿論、醸造においても、温度管理無し、野生酵母に任せた発酵、白葡萄の皮をむかない、素焼きの大きな甕「アンフォラ」を用いるといった徹底的に人為を排したワイン作りを行っています。セパージュはシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリージョ、リースリングと国際品種。地場品種のリボッラ・ジャッラは不使用です。価格は7500円程度でしたが楽天内では既に完売。写真のものは04ヴィンテージで6195円とちょっと安く出ています。色はオレンジ。やや濁り感もあるでしょうか。黄色などではなく明らかなオレンジです。香りは意外にフルーツの要素が出ており、色合いに似合ったオレンジっぽさや金柑、アプリコットといったものが感じられます。また、フルーツと言い切れないレベルのものですが、ウリ科の植物の実っぽさも。その他、シェリーや少々酸化っぽいニュアンス、ミツっぽさ、白コショウや茶色いスパイスなど様々な要素があり複雑。味わいは、先ずその口当りの良さ、バランスの良さに驚きました。まさに球体といった感じ。滑らかで、エキス分もありますが硬質というよりはハリがあるといった程度。「なだらか」という感覚を持ちました。果実味や酸味は特段突出したものは無く、やや果実のインパクトが前目といった程度。むしろ、旨みが一番の要素かもしれません。後口に掛けて渋味も少々。食事との相性では、白い肉系に合わせましたが結構無難にいけます。鳥肉とパプリカのテリーヌをつまんでみますと、ワインの香りやボリューム感と肉の旨みやパプリカの香りがなかなかのマリアージュ。さらに、ローストポークとあわせてみますと、やはり塩分+肉の旨みがワインの各要素に良く合います。また、ポン酢系のタレでも悪くないですが、粒マスタードの方がやや好相性だったかもしれません。非常に個性的なワインで、好き嫌いは分かれるでしょうし、ボルドーブルゴーニュを中心とした伝統的フランスワイン中心の価値観でははかれないといっても過言ではないでしょう。ただ口当りのきれいさ、バランス感は間違いなくいいですし、個性満点の香りも嵌る人は嵌るでしょう。食事も、シンプルな肉料理のほかアジア料理なども面白そうです。因みに、アンフォラを使う生産者は他にもいくつかあり、彼らの多くは「醸造の最ある程度の空気と触れ合わなければならない」という考えを持っているようです。この生産者のワインはどれも結構な値段しますが、中にはもう少し手頃なものもありますので、この空気に触れなければならないという哲学に一度触れてみたいという方は、そういった手頃なものを探して試して見られてもいいかも^^にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年02月23日
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先日のワイン会のワイン、ここからは赤です。1本目は軽めの赤をと思い選びましたイタリアワインです。これもマグナムボトル。」モンカロ・マルケ・サンジョベーゼ・マグナム2011。生産者アジェンダ・アグリコーラ・モンカロはイタリア中部・マルケ州のモンテカロットにある協同組合です。1964年に造られた、まだ比較的新しい組合で、最新の設備の導入と有機無農薬栽培の実践を行っている現代的な生産者です。セパージュは、サンジョヴェーゼ85%、モンテプルチアーノ15%。価格は、写真のお店で1081円。マグナムサイズでこのお値段です!色は赤さの強いガーネット。透明感も少々あり、ルビー的な印象さえ受けます。香りはスミレや軽いヨードっぽさ、赤ベリーコンポート、微かなトマトといったような要素を感じるほか、土っぽさや黒糖、少々の黒ベリーのニュアンスも感じ、この辺はモンテプルチアーノ由来でしょうか。その他、少しですが茶色いスパイスっぽさも。味わいはフルーティ。果実味は軽快で最初のインパクトもありますがすっと消えます。明るい、らしい酸がしっかり入っており、後口に掛けて支配的となっていきます。タンニンは程ほどで、渋味がないことはないくらいのもの。ボディはライトですが、明るい酸の影響かハリは感じました。会ではレバーペーストとあわせてみますとやはりいい感じ。レバーの柔らかなコクにワインの果実味や程ほどのタンニンが良くマッチします。一方、鉄っぽさに関しては、そこまで引張るというものではありませんでした。また、さんまと粒マスタードをつまんでみますと、さんまの塩気と旨みにワインの酸がアクセントをつけました。加えて、鴨鍋とあわせますと、和風だしとも喧嘩しませんし、鴨の旨みや脂とも悪くありません。ただ、むしろ鴨の旨みがからんだ野菜との相性が、甘みと旨みと果実味の相性的によかったかもしれません。コストパフォーマンスといいますと、南米ワインの独壇場な感さえありましたが、いやいや伝統産地も負けていないよというところを存分に見せてくれたと思います。勿論、濃さや重さという点では不利でしょうが、酸を基調としたフレッシュフルーティな味わいは結構好きです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年02月05日
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今回はイタリアワイン。北部ピエモンテの赤です。バルベラ・ダスティ・スペリオーレ・パッスム2007。生産者カッシーナ・カストレットはピエモンテのコスティオーレ・ダスティという村のワイナリー。女性オーナーのワイナリーだそうです。パッスムとはパッシート、つまり陰干しブドウを用いたということ。高まった糖度のおかげで14.5度の高い度数となっています。セパージュは、勿論バルベラ100%。価格は、写真のお店で4179円。色はガーネット。赤さは強めで、濃いルビーに近いくらいかも。香りは茶色いスパイス各種やバルサミコ、黒い土、さらには黒蜜っぽさといった要素など、色の黒いニュアンスを多く感じます。また、黒いとまでは行きませんがキノコ的なものも少々。フルーツっぽさでは、ブルーベリーやブラックベリーも感じますが、結構赤ベリーのニュアンスもあります。また、赤ベリーのジャム的な要素も。味わいは陰干しブドウといっても甘さのあるものではなく、果実味も繊細なもので裏方に回っています。メインは旨味で結構重心の低いもの。そこに、乳酸系ながら明るさのある酸味がパッと咲くような印象。ボディは柔らかな質感のミディアムフル。タンニンの印象はあまりなく、渋味も脇役で口当たりも滑らか。食事との相性では、これはやはり赤身肉です。それも、脂の強いものではない方がベター。ローストビーフサラダや牛フィレのステーキといったものと合わせますと、赤身の滋味と旨味がよくマッチしますし、果実味が肉の旨味や塩気と相乗効果を見せてくれました。その他、鴨肉のローストなんかもいいでしょうね。ソースはバルサミコ系か、無しで塩コショウのみ位がよさそうな感じ。また、鹿肉との相性も期待値高そうです。牛もそうですが、トリュフなどキノコと共にというのも試してみたいところ。バルベラといいますと、ネッビオーロよりお手軽な品種・ワインというイメージがあったのですが、結構いいものを見かける頻度が増えたような気がしています。これも、決して手頃な価格帯ではありませんが、それに見合ったスケール感、バランス感のあるワインでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年01月08日
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今回は南イタリアの少し熟成感の出てきた赤ワインです。バウッチョ2006。カンティーヌ・マドンナ・デレ・グラッツィエは、南イタリアのバジリカータ州のワイナリー。比較的新しいようで、現当主の祖父の代から農業を、父の代からワイン作りをはじめたのだそうです。ただ、本格的にワイン作りをはじめたのは現当主(まだ30代前半だそうです)になってから。気候風土に恵まれており、祖父の代から無農薬で農業を営んでいるそうです。セパージュは、地場品種アリアニコ100%。樹齢は50年以上です。価格は、写真のお店で3129円。色は南イタリア品種らしい黒さのあるものですが、エッジにはガーネットも見えていますし、透明度も無くはないです。香りは、黒い土やバルサミコ、キノコ、それに少々皮革っぽさやオイリーさのようなものが感じられます。勿論、フルーティさもあり、ベリーのコンポートのようなニュアンスが感じられますが、むしろ干し葡萄やドライフルーツっぽさの方がよりインパクトあるかもしれません。あと、少々の黒蜜っぽさも。味わいは実に穏やかです。タンニンの存在感があり、渋味や口当りを感じますが、それも落ち着きのあるもの。果実味は、若いこの品種のものとはやはり違って削げ落ちた印象を受けます。酸味は背景として拡がっており、後口にかけて少々主張してくるといったところです。ボディはミディアムフル程度な印象。軽やかさや柔らかさを感じるくらいでした。非常にまとまっており、味や香りが嫌いでなければ単独で楽しんでもいいと思います。生ハム、干し葡萄、ハード系チーズなどをつまみながらでもいいでしょうね。食事にあわせるなら、鳥肉がちょうどいいようで、ローストチキンの甘辛い味わいと鳥の鉄分のある旨みは、ワインの果実味や、奥底にある旨みと結構良く結び付いてくれました。また、チキンのトマト煮こみも、味わいをきつくしすぎなければこれまたいけます。ローズマリーなどのハーブが利いているとなおよしといった感じです。アリアニコといいますと、タウラージを筆頭に力のあるワインのイメージがあったのですが、このワインは6年熟成しているということを抜きにしてもかなり穏やかなスタイルだなという印象です。香りや果実味、酸の中に南っぽい雰囲気を感じさせはしますが、基本的にバランスのいいスタイルのワインでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2012年11月15日
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最近白ワインが多いですが、今回も白です。北イタリア、アルト・アディジェ地方の1本。ゲヴュルツトラミネール2011。生産者ケラーライ・トラミンは100年以上の歴史を持つケラーライ=協同組合です。300近い組合員を持つ大きな組合で、ゲヴュルツトラミナーの故郷といわれているトラミン村にあります。オーストリーとは非常に縁の深い土地で、このワイナリーも元々はオーストリア人によって作られたそうです。セパージュは、勿論ゲヴュルツトラミナー100%。価格は、写真のお店で2415円。色は薄い黄色。青みがかっており、若さもありますが、アルザスなどの濃いゲヴュルツとはちょっと違います。香りは、やはりらしいライチっぽさや白コショウ、グリーンペッパーなどのスパイシーさといった要素が良く感じられます。また、ミツっぽさや洋梨、マスカット、それにバラっぽさといったものも。ただ、ライムやスウィーティのような青い柑橘、さらに、グリーンハーブっぽさもあり、結構爽やかさもあります。味わいは割と穏やかで、この地域らしい果実味メインでエキス分やミネラル感のある骨太な味わいではありますが、果実味自体に優しさはあります。酸も柔らかなものですが、それでも明るいものが果実味とエキス分の間にピッと入ります。ボディはライトで、こちらも結構穏やか。食事との相性では、結構シーフードにも合い、イカやサーモンのお寿司と合わせますと旨みや甘みの相性を見られました。ただ、香りに関してはワインが支配的ですね^^香りとの相性を狙って、鳥肉のバジルソテーとあわせてもみたのですが、やはり旨みの相性は見せてくれるものの、香りのほうはワインの勝ちですね。ただ、食事の香りを全て塗りつぶすというほどではないので、食事に合わせやすいワインということも出来そうです。実は、以前アルト・アディジェとオーストリーワインの会をやったときにこれの2009を飲んでいます。そのときは、熟成感が少し出ていたのかミツっぽさや黄色いフルーツっぽさが強く、シーフードというよりは断然白いお肉といった感じでした。ヴィンテージの差もあるのかもしれませんが、今回は若いゲヴュルツの意外に爽やかな魅力を感じられました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年11月07日
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今回もまたイタリアの赤。エミリア・ロマーニャのやや辛口です。コッリ・ピアチェンティーニ・ボナルダ2011。生産者イル・ヴェイは、ピアチェンツァ郊外の小さな村にある、夫婦で営まれている小さなワイナリーです。地場品種による伝統的なワイン作りを志向し、有機農法の実践や、醸造時における二酸化硫黄の使用量を抑えるといったことにも挑戦しています。特に、この地域では伝統的に、酵母や糖を加えず簡単な瓶内二次発酵を行い微発泡なワインを作るため、ボトリング時に二酸化硫黄を全く加えないそうです。セパージュは、地場品種ボナルダ100%。価格は、写真のお店で1680円。色はやや濁った、紫感の強いガーネット。透明度もあります。香りはプラムや黒ベリー、イチゴ、イチゴジャムやその他ベリージャムといった甘いフルーティなニュアンスが中心。しかし、ビオ系らしく軽い還元的ニュアンスや麦チョコのような雰囲気も。その他、醤油やバルサミコ、黒い土などの黒い要素や軽い茶色いスパイスも感じられました。味わいはやや辛口というだけあって、アルコールの辛さを消すほどではありませんが、残糖を感じる程度の甘みがあります。また、少々ですが微発泡しています。口当りはクリアで軽めなミディアムライトボディ、タンニンは、口当りの面では主張しませんが渋味はきっちりあります。酸味は乳酸系の明るい酸ですが、繊細で甘みや渋味に比べればかなり大人しめと、バランスはやはりこの手のワインに良くある感じです。食事との相性では、やはりトマト系。これもピッツァとあわせますと、トマトの酸がワインにアクセントをつけてくれるほか、甘み同士の相性も良好。また、醤油ベースの極普通なから揚げをつまんでみたところ、モモ肉の部分とあわせますと肉の旨みがワインの奥底にある旨みを良く引っ張り出してくれました。また、脂がタンニンの存在感を上手く落ち着かせてもくれ、結構いい相性でした。あとは、あまりブルーのきつくないゴルゴンゾーラや、干し葡萄などのドライフルーツをつまみにするのも良さそうですし、塩分という意味では生ハム辺りもほしくなるワインです。甘みもありますし、味わいのバランスは、これまでの高級ワインを頂点とする価値体系からは逸脱しまくったタイプですので、万人受けはしない、特に、ワイン通な方にはまず合わないかなとは思いますが、合う人はとことん嵌るワインだと思います。個人的には、価格も価格ですし、気軽に楽しめていいかなと。バルなどのグラスワインなんかには向いてるんじゃないでしょうか。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年10月14日
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涼しくなってきて赤ワインがより美味しい季節となりましたね。ということで?、今回は中部イタリアの赤です。テッレ・ディ・ジャーノ・ウンブリア・ロッソ2010。生産者モレッティ・オメロはウンブリア州、モンテファルコ・サグランティーノで3代続く農家です。といいましても、ワイン作りは1995年からと最近のスタートで、元々はオリーブオイルが評判だったのだとか。素人からのスタートという事で、必然的にビオ的な作りになっているそうです。セパージュは、サンジョヴェーゼ、チリエジョーロ、メルロー。価格は、写真のお店で2079円。色は、まだ若いためかバッチリ黒紫です。ただ、エッジにはルビーカラーが。香りは、肉系のニュアンスや茶色いスパイスが相まってちょっとハムっぽさが出ています。その他の要素は、ブラックカラント、イチゴを中心としたドライフルーツっぽさ、少々のイチゴジャムといったフルーティなものが多くなっています。味わいはやや渋味が印象的ではあるものの、突出したものの無いバランス型です。やや前に出た渋味に、ほのかな果実味や乳酸系の酸が追従します。また、ミネラル感もあり少々塩気を感じる位。ただ、果実味は徐々に出ては来ました。ボディはミディアムで滑らか。食事との相性では、やはりトマト系とのそれが良好ですね。ピッツァマルゲリータとあわせると、トマトソースの酸味や甘みがワインの優しい果実味に良く合うほか、チーズのコクがワインのタンニンと、また、バジルの香りがワインのスパイシーさと引き合います。加えて、タコのトマト煮もなかなかいいつまみになりました。タンニンの部分を受け止めてくれる要素がない分ピッツァほどではありませんが、タコの旨み、塩気、トマトの3つが、ワインの果実味やミネラル感といい相性でした。その他、メンチカツをつまんでみると、柔らかながらも脂のある味わいに、ワインの滑らかさとタンニンが結構合っていい感じでした。タニックさとキレイさ・柔らかさが共存している、この辺の地域の自然派らしいスタイルでした。手軽に楽しめる1本です。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年10月10日
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今回はイタリアのお手頃な赤です。モンテプルチアーノ・ダブルッツォ2009。生産者ザッカニーニは、アブルッツォ州で12世紀からワイン作りを行っているワイナリーです。近年評価が高まっており、ワインアオドヴォケートで90点を獲得したり、ガンベロ・ロッソでコストパフォーマンス賞的な「オスカー賞」を獲得したりしているそうです。セパージュは、勿論モンテプルチアーノ・ダブルッツォ100%。価格は、写真のお店で1580円。色は赤黒く、透明度は0です。ただ、エッジにかけてはガーネットっぽさが出ていますね。香りはブルーベリーやラズベリー、ブラックベリーといった各種ベリー、さらにはベリージャムといったベリーっぽさが一杯です。さらに、ドライプルーンやコケモモ、ヤマモモといったものも感じられ、非常にフルーティ。また、甘草や茶色いスパイス、佃煮、カラメル少々、なめし革、ジビエといったような要素も。味わいも、色や香りに似合ったジューシーな果実味が中心です。酸は穏やかかつ柔らかで、酸の後ろに背景として入っている感じ。渋味は程ほどで、口当りも滑らかですが、後口にかけてタンニンの存在感を少々舌触りに感じはします。ボディはミディアムフル程度で、口当りは意外と岩清水系。単独で飲んでもいいのかもしれませんが、あまり変化のあるようなタイプでもありませんし、果実味重視なバランスですので、食事やつまみと一緒の方がいいでしょうね。穏やかなブルーチーズとあわせると、塩分や辛さがワインの濃さ、果実味にいいアクセントをつけてくれました。また、ローストポークやローストビーフと合わせれば、ソース的な相性の良さを見せつつ、肉の鉄っぽい旨みにも上手く働きかけてくれます。あと、この時期にはちょっと重いですが^^;、ビーフシチューも、シチューの甘みや旨みとワインの果実味や香りがマッチしてなかなかでした。果実味バッチリですが、飲み口は香りや色合いから想像するものとは大分違ってキレイなものでした。ボトルはなで肩タイプですが、やはりピノ的、とまでは行きませんが、滑らかさのあるスタイルであるのは確かだと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年08月25日
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明日は満月!ということで満月ロゼです。今月は南イタリア、プーリア州のもの。ロザート・プーリア2010。生産者チェファリッキオは1991年開業という、比較的新しいワイナリーです。開業当初から全て農園にデメターの認証を得ているという自然派です。加えて、他の農産物の栽培や牧畜なども行っており、農園全体で循環を作ることを意識しているようです。セパージュは、ローカル品種のウヴァ・デ・トロイア100%。価格は1800円程度ですが、楽天内にはありません。写真のものは08ヴィンテージで、しかも売り切れ^^;何も無いのもあれなので、とりあえず貼っておきました。ラベルも、実は2010は白になっています。色はまさに真紅のバラ色。紅いです。香りはチェリーっぽさが強く、マラスキーノチェリーやチェリージャムっぽさも。さらに、ラズベリーやイチゴといった赤ベリーや微かなクリームっぽさといったものが加わります。その他、微かに青っぽいトマトやスパイスといったものも。味わいは、メインと言えるくらいはっきり渋味が出ています。口当りにはさほど印象はありませんが味覚の点ではタンニンしっかりですね。そこに、ミツっぽい甘さのある果実味が加わります。明るいものですが強さのあるものですね。酸味は非常に穏やかで完全に背景かつ脇役。ボディは丸くミディアムなものです。後口には旨みも。また、微発泡しています。食事との相性では、ピッツァマルゲリータをあわせてみたところトマトソースとはやはり相性がいいですね。特に、酸味の弱いワインなのでトマトの酸が加わると味わいのバランスがより良くなる感じです。また、チーズのまろやかさは渋味や果実味を穏やかにしてくれます。その他、ゴルゴンゾーラのようなクセのあるチーズもいいつまみになりましたし、焼き鳥(タレ)も、タレの甘さとワインの果実味、肉の旨みとワインの旨みがなかなか良く合いました。甘みのある料理とは結構良さそうです。なんとも特徴的なワインでした。ちょっと酸味が大人しすぎるので、個人的にこれを単独で沢山飲もうという感じにはなりませんが、良く冷やしてトマトの前菜などと楽しむには割りといいかもしれません。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年08月01日
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今回はトスカーナ。ブルネロ・ディ・モンタルチーノです。ブルネロ・ディ・モンタルチーノ・モントゾーリ1999。生産者アルテジーノはブルネロの地に1500年から存在している大変に歴史のあるワイナリー。現在はチンザノ家の所有となっているそうです。元々評価の高かったワイナリーのようですが、チンザノ家の取得後、畑に「クリュ」の概念を持ち込んだり、フレンチオークのバリックを導入するなどして、さらに評価を高めました。価格は、写真のお店で7014円ですが既に売り切れ。楽天内にはも無いようです。色は典型的なガーネット。透明度もそこそこます。香りはバルサミコや干し葡萄のニュアンスが良く出ています。そこにチョコレートやブラックベリーといった黒い要素が加わります。その他、赤べりーやブルーベリーのジャム、ダークチェリー、べりーやアプリコットなどのドライフルーツといったフルーティさ、キノコ、ドライハーブといったようなものも感じられました。味わいは香りの黒い要素の多さに似合った果実味中心のもの。こなれ感はありますが、フルーティさも感じられます。酸味は落ち着いたもので、柔らかく大人しいそれが果実味に寄り添います。タンニンはしっかり存在感があり、渋味、舌触りとも感じられます。ボディはやはりこなれ感のあるミディアムライト。以外に柔らかく優しい口当りです。それなりに熟成感もあるので単独で飲むのもいいでしょうが、タンニンが結構元気なので食事と合わせたいところです。相性としては、鳥肉系はなかなか良く、チキンのハーブソテーなどは香りの相性、タンニンと肉の脂や旨みの相性が良好でした。また、鴨のローストはさらに好相性で、肉の鉄っぽい部分をワインのタンニンや旨みが美味しさとして引き出し、さらにそこにベリーを中心としたワインの香りの甘い要素が加わって肉の旨みや塩味がより柔らかく華やかに拡がります。その他、やはりトスカーナということで牛などもいいでしょうが、脂の多い部位よりはやはり赤身がいいようです。流石にいいワインです。99ヴィンテージということでもう少し熟成感強いのかなと思いましたが、まだ割と元気なところも見せてくれます。古酒好きな方にはちょっと早いかもしれませんが、個人的には今のバランス結構好きです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年07月06日
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今回はイタリアワイン。トスカーナの赤です。ロッソ・ディ・モンタルチーノ2008。生産者ラ・ジェルラは伝統産地イタリアにあって1978年創業という新しいワイナリー。地元出身のセルジオ・ロッシ氏がビオンディ・サンティからワイナリーを買い取ったのがスタートだそうで、現在もロッシ氏が代表。優れた醸造設備や大きなセラーを持っていますが、一方でビオ的なつくりを実践してもいます。セパージュはサンジョヴェーゼ・グロッソ100%(サンジョヴェーゼの改良品種)。楽天内に08は既に無く、写真のものは09ヴィンテージで2919円。色はガーネットですが透明度は高め。香りは土っぽさや革、腐葉土的なものがよく出ているほか、マジパンのようなニュアンスも。その他は、やはりフルーティさが主役でブルーベリーやクランベリーといったベリーやそのジャム、或いは干し葡萄なども含めたドライフルーツっぽさといったものがあります。加えて、プラム的なもう少し濃さのあるフルーツも。味わいは、果実味が中心ではありますが、バランスに優れたタイプ。その果実味自体も優しさ、軽やかさのあるもので、そこに乳酸系の穏やかな酸と結構しっかり目の渋味が加わってきます。タンニンは、前述の渋味の他、口当りにも印象を残します。エキス分はほんのりで、柔らかなミディアムボディ。タンニンの存在感はある程度あるので、トスカーナらしくやはり牛肉には合います。ローストビーフやタタキもいいですが、トマトとの相性もよく、トマト煮こみやローストにカポナータを添えるなんていうのもいい感じでした。赤身の旨みと果実味が合う他、脂とタンニンの相性も良しです。また、トマトとはやはり酸や香りの相性がいいですね。また、ボディが優しく、少し透明感も感じるようなスタイルですので、鰹のたたきなどの赤身の魚、チキンソテーなどの鳥肉にもいけます。ロッソ・ディ・モンタルチーノってもう少し収斂味があったりボディの厚い印象があったんですが、これは非常にすっきりとした、ある種ピノ的な世界観のあるタイプでした。バランスいいですし、飲み疲れたりもせず、価格なりの価値のある1本かと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年06月16日
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今回はイタリアワイン。ちょっといいお値段の、ピエモンテ産シャルドネです。リディア・シャルドネ・リザーヴド・セレクション2008。生産者ラ・スピネッタはピエモンテ州のランゲにあります。バローロとバルバレスコで有名な地方ですが、ここがあるのはモスカートやバルベーラの多いアスティです。というわけで、バルベーラでも高い評価を得ていますが、やはりバルバレスコが現在のフラッグシップのようです。現当主ジョルジョ・リヴェッティ氏は海外でも醸造を学んでおり、新樽のバリックを使うことにこだわりを見せています。「リディア」とはジョルジョ氏ら3兄弟のお母さんの名前だそうで、シャルドネ100%。やはりバリックでの発酵、熟成を行っています。価格は、写真のお店で5900円。色は、黄金ほどの濃さはありませんが、バリック熟成らしいつやのある黄色です。香りにも、蜜やナッツ、バター、それに少々のホワイトチョコっぽさといった樽を感じさせるニュアンスがよく出ています。その他、白い花やベッコウアメ、パッションフルーツないしマンゴーといったフルーツっぽさも感じられました。時間と共にフルーツっぽさはよく出て、カリンやメロン、モモ、グレープフルーツやライムといった要素が感じられるようになりました。味わいは、質量を感じるボディが印象的。紛れも無くフルボディです。しかし、果実味は落ち着いたもので、そこまで前面に出ては来ません。旨みがしっかりあり、そこに大人しい目ながらも強さのある酸が加わり、各要素の調和は取れています。ミネラル感もあり、重いワインですが口当りは滑らか。これは、大振りのグラスでちびちび飲むのに適したタイプかなと思います。香りの変化量も結構ありますし。食事に合わせるなら、やはりクリーム系や甲殻類などが間違いないでしょう。ただ、鰆とシイタケのクリーム煮に合わせますと、鰆の味に勝ち気味なくらいでした。鶏肉使うくらいの方が良さそうです。甲殻類なら、エビやカニをバターソテーというのがいいでしょうね。アメリケーヌソースのパスタやピザなんかも面白そうです。長期熟成の出来るタイプを目指したということで、流石にしっかりしていました。しかし、口当りの滑らかさもあり、時間をかけて飲めば今の段階でも結構楽しめてしまいます。香りの要素にも、ブルゴーニュなど他の産地とはちょっと違うものが見え、なかなか面白いワインだと感じました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年05月31日
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今回からはまた平常運行です。今回はイタリア北部、エミリア・ロマーニャ州の白です。ピニョレット2009。生産者アルベルト・テデスキは州都ボローニャの南西にあるモンテヴェーリオという地域のワイナリーです。自然公園二ほど近い場所に畑を持ち、葡萄栽培はビオロジックを実践しています。ピニョレットとは、この地域の地場品種だそうです。セパージュは、そのピニョレット100%。価格は、写真のお店で2499円。色はツヤのある黄色。もう黄金といってもいいレベルです。香りはバターや木材、クリームやナッツ、それにカラメルっぽさと樽系のニュアンスがしっかりあります。そこに、白い花やグレープフルーツ、ライム、リンゴ、少々の蜜っぽさ、それに乾燥ハーブ、ドライアプリコットやマンゴーと言ったものが加わりました。味わいはしっかりドライですが、口当りは優しく、旨みも穏やかなものが後口にかけて広がる感じです。酸も結構穏やかで柔らかいですが、芯の部分には強さを感じる酸です。ボディは、香りの印象ほどごつくは無くミディアム程度。軽やかさすら感じます。後口には軽く苦味も。個人的には単独で飲むのも割とありな感じですが、食事と合わないわけではありません。ナポリスタイルの生地のマルゲリータとクワトロフォルマッジと合わせたところ、マルゲリータのトマトの甘みや酸味、クワトロフォルマッジのチーズのまろやかな旨みや塩分とよく合うほか、生地の香ばしさと香りがいい具合でした。その他、ネギマの焼き鳥(塩)も結構いいつまみになりました。やはり、鶏肉などの白い肉は好相性なようです。なんというか、シャルドネのようでちょっと違う、といった感じのワインでした。香りの派手さは北イタリアらしいなという印象ですが、口当りや味わいの優しさはビオらしくもあります。もうちょっと瓶熟させてみても面白い銘柄かもしれません。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年05月11日
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先日ブログ開設5周年を迎えたということで、今回はちょっといいイタリアの白です。ワー・ドリームス2009。生産者イエルマンはフリウリにあるワイナリー。1881年に、オーストリーから、スロヴェニアとの国境地帯に当るフリウリはゴリツィアの地移ってきたそうです。現当主で4代目になり、伝統的な栽培や醸造と現代技術の融合をテーマにワイン作りを行っています。セパージュは、シャルドネ100%。価格は、写真のお店では5197円と少しだけ安くなっています。色は濃い黄色です。ツヤも十分感じます。香りは、新樽30%熟成だそうですが、カラメルのニュアンスをしっかり感じます。さらに、時間と共にモカっぽさや焦がしバターといった要素も出てきて濃い印象。その他の要素としては、カリンや白い花、ベッコウアメ、それにメロンや洋梨、バナナ、加えてライムやグレープフルーツといったシャルドネらしいものが感じられました。加えて、白コショウっぽさや石灰っぽさも。味わいは、ミネラル感が強いです。塩気を感じるくらいですね。果実味は思ったほどは主張せず、トーンの低いものです。酸味も、その果実に寄り添うようなレベルのもので、穏やかな印象。ボディは紛れもなくフルボディで、厚みとまろやかさを感じるものでした。食事にあわせるなら肉系の方があわせやすいですね。パプリカやトマトなどの野菜入りの鶏肉のテリーヌをつまむと、野菜の甘味や酸、肉の塩分と旨みがワインの酸、果実、ボディ、旨みにそれぞれマッチしていい相性でした。また、ハーブ入りの白ソーセージをボイルしたものもいいつまみになりました。シーフードに合わせるなら、エビやカニ、貝類などをバターソテーにして、レモンを絞ったものなどは定番ですが間違いなさそうです。ロブスターなどの分厚く甘みと触感のある味わいの食材なら間違いないでしょうね。食事との相性はほかにも色々面白そうではありますが、ブルゴーニュグラスで飲むと、まだまだ若いですが香りもある程度立ってきてすぐに飲んでしまいました^^;評判のいいワインですが、流石によく出来ています。ただ、フリウリらしく樽のインパクトはかなりありますね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年04月19日
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先日のメルロー飲み比べ会のワイン、今回はイタリア北部のフリウリのメルローです。マウルス2007。生産者ヴィエ・ディ・ロマンスは、フリウリの地で、白ワインの巨人と呼ばれているワイナリーです。ソーヴィニヨン・ブランも有名で当ブログでも記事にしたことがあります。因みに、ヴィエ・ディ・ロマンスとは、ローマ人の道という意味で、ワイナリーのあるローマ街道から取ったのだそうです。このマウルスは、そんな白の巨人が作る数少ない赤ワインです。価格は、写真のお店で2940円。色はガーネットだが、黒さがあり透明度は低め。香りは、バルサミコやシナモン、キノコ、それに甘草といった複雑なニュアンスが結構出ています。フルーティさは、ブルーベリーやプルーンのような雰囲気もありますが、どちらかというとクランベリーやラズベリーといった赤ベリーやそのジャム、ドライフルーツといったもののほうがはっきり感じます。その他、ハーブ、ココア、ナッツといった要素も。味わいは、果実味の膨らみは割りと感じます。ただ、繊細さ、柔らかさのあるもので南よりはやはり北だな、という果実味です。酸は乳酸系ですが、明るさのあるものでアクセントをつけます。渋みは大人しく、タンニンの口触りも滑らかなもの。ボディはミディアムですが、よりフルに近いタイプかと思います。会では、哲多メルローと同じようにブルーチーズやさんまの缶詰め粒マスタード味とはまずまずの相性。ブルーチーズの辛さ、さらに白い部分のまろやかさと、ワインの果実味やボディがマッチしましたし、さんまの脂や旨みには、やはりタンニンや旨みが引き合いました。哲多よりはやや凝縮感がありますので、脂の少ない赤身肉辺りがいいパートナーになりそうです。鴨や鹿のローストにベリーやバルサミコのソースを合わせると、このワインを存分に楽しめそうです。また、魚でも、マグロやブリなどの味のしっかりしたもので、ある程度脂が乗ったものなら、焼きものや煮物、あるいは生でも結構いけそうかなと。空いたグラスの香りが、まるでピノ・ノワールのような赤ベリーっぽいものだったのが印象的でした。メルローはメルローなのですが、やはり他にはない唯一無二な個性を感じます。産地の影響は勿論でしょうが、作り手が白ワインを得意としていることも関係しているかもしれませんね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年01月10日
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