父の涙
それから、私はしばらく三沢にいた。大学に戻り、卒論を進めなければいけなかったけど、
まずは、子供の問題、旦那との結婚の問題を はっきりさせなければいけないと思っていたから。
何日か父は口も聞いてくれなかった。でも、ある日・・・・
父は言った。そんなに産むというなら産めばいい。でも、自分達は何も手伝わない。と。
それでもいいと私は思った。(若かったからねぇ。)
それでもかまわない！と言った私に向かって、今までおまえを一生懸命育ててきた家族に、
どうしてこんな思いをさせるんだ・・・・と父が静かに言った。
その時生まれて初めて、父の涙を見た。あの出来事はきっと一生忘れないだろう。
怒鳴られるより、殴られるより、辛かった。私のしたことで、家族をこんなにも苦しめたのか・・・
とその時あらためて感じた出来事。
でもそれから、父は一切私を攻める 言葉を口にしなかった。
“初顔合わせ”へつづく・・・・・ 初顔合わせ
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