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2009年11月(コチャ6歳)、「正しく知ろう 子どものアレルギー」講演会のメモ書きです。
写真入りの記事はこちら→
「正しく知ろう 子どものアレルギー」講演会へ行ってきました
第1部「正しく知ろう 子どものアレルギー(食物アレルギーを中心に)」
→相模原病院の海老澤元宏先生のお話。
エピペン講習
→ひとり1本ずつ、練習用の針の出ないエピペンが貸し出されました。
第2部「アレルギー児のサポート充実に向けて」シンポジウム
~「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」を生かす~
→座長は福岡病院の西間三馨先生、シンポジストは以下5名の方々でした。
・相模原病院の海老澤元宏先生
・文部科学省スポーツ・青少年局の高山研先生
・横浜市教育委員会の松本清江先生
・横須賀市立小学校の養護教諭の田中好子先生
・アレルギー児保護者(小学校教諭でもあるが産休中)砂長聖子さん
第1部より。
<アレルギー疾患の概要>
アレルギー=過敏症。
1型のアレルギー反応=免疫グロブリンE(IgE抗体)を介するアレルギー反応。
アレルゲン=たんぱく質。そのため、油など非たんぱく質成分への反応は別に考える。
マスト細胞の分布する場所=外界と接する場所=皮膚、目、鼻などの粘膜=バリアがある場所、で症状が出る。
バリアが傷ついてアレルゲンが体内に入ってきた場合に、症状がでる。
バリアが傷ついていなければ、アレルゲンは入ってこず、症状はでない。
IgE抗体が作られる≠症状がでる。
アレルギーに対処する方法。
1.アレルゲンを避ける(回避)
2.アレルゲンをうまく入れ、反応しにくくする(減感作免疫療法)
3.バリアを整える
小児に限っては、喘息とアレルギー・アトピーの関連性がある。
<アトピー>
「石鹸で洗う+ステロイドで治す」が基本。
リンデロンVGや非ステロイドのアンダーム、レスタミンなどは、接触性皮膚炎を起こしたり、かぶれたりすることがあるので、使わないほうがよい。
皮膚に合う合わないを見極めることが大切。
乳児期はアトピーとアレルギーの関連性が高い(併発している)が、学童期以降はアトピーとアレルギーの関連性が低くなっていく。
<喘息>
喘息には、以下のような種類がある。
1.IgE抗体が関連する喘息(=ほんとの喘息)
2.非アトピー型喘息
3.一過性の喘息
喘息の初期症状は、咳。
朝(時間帯要因)、台風接近(気候要因)、アレルゲン接触、風邪(ウイルス)などが原因。
風邪のウイルスの流行り具合によって、喘息の多い年・少ない年がある。
秋・春=ライノウイルスが多い時期。
11月以降=RSウイルスが多い時期。
春=メタニウムウイルスが多い時期。
環境整備・薬が柱だが、場合によっては、鼻炎の治療が必要。(副鼻腔炎が咳を起こすケース)
小児気管支喘息ガイドラインは、2000→2002→2005→2008と改定され、薬が変化していっている。
目標=日常生活を普通に行えること。(運動の制約なく)
テオフィリン(テオドール)はけいれんなどの副作用に関与の可能性。→乳児や軽症者にはすすめない。
今は、ロイコトリエン(オノン、シングレア、キプレスなど)が基本。(ステップ1・2に対して)
ステップ3・4に対しては、吸入ステロイド。
<食物アレルギー>
先進国を中心に多い。
ヨーロッパでは、口腔アレルギー症候群が多い。(北海道にも多い)
アメリカでは、ピーナッツによる死亡者が多い。
イスラエルでは、ゴマが多い。
世界的にも、いちばん多いのは、卵・乳。
小麦・そばが多いのは、日本独自の特徴。
日本の傾向としては、乳・小麦・ピーナッツが増加傾向。
人種・食習慣に関連性がある。
口腔粘膜で症状がでることは、卵・乳でもある。(5分以内、子どもだけ)
↑これを食物アレルギーと捉えるかどうか?というのは問題。
症状が口腔粘膜だけの場合、3/4のケースでは、何度か食べると症状がでなくなる。
<食物アレルギーの疫学>
食物依存症運動誘発アナフィラキーは、2時間以内に起きる。
原因は、小麦・エビ・イカが多い。小学生以上に多い。
口腔アレルギー症候群は、乳幼児からある。
20年前は、卵・乳・小麦・大豆・米が多かったが、今は、大豆・米はそれほど多くない。
今は、卵・乳・ピーナッツ・小麦・果物・ゴマが多い。
原因上位は年齢層によって、違ってくるが、8、9歳くらいから大人と同じパターンになってくる。
乳・小麦は原因として残りやすい。
「1~3種類」のアレルギーをもつ、という人が多い。
6ヶ月未満で除去を開始すると、耐性獲得が早い傾向。
<その他>
鶏卵と鶏肉、鶏卵と魚卵、牛乳と牛肉は別ものと考える。
魚の種類・色は抗限度にあまり関係しない。色の認識のあいまいさ。(鮭はマスの仲間なので赤ではなく白、とか)
油への反応=不耐性、という。ただし、残留物の多いゴマ油、ピーナッツオイルは、アレルギーの可能性あり。
乳糖に反応するのは、乳アレルギーのうち、10人に1人くらい。
大豆・小麦は負荷試験で確認したほうがよい。醤油、麦茶、調味料はOKという人が多い。
大豆に関しては、IgE抗体をもっていても、大丈夫な人が多い。
年齢があがると、IgE抗体があっても、症状がでないケースがでてくる。
エピペンは30分以内に使用。呼吸器の症状がでたら(grade4)エピペンの適用。
経口減感作=寛解なのか?今後の課題。
除去→解除、どこでスイッチするのがいいのか?課題。
自宅と学校の対応は異なってくる。自宅=できるだけ食べる。学校=安全最優先、食べさせない。
小学生以上で除去が続いているなら、きちんとした専門医で診てもらい、負荷試験をしたほうがよい。
第2部より。
<横浜市の対応>
就学時健診→保護者が申請→対応依頼表、医師の診断書を提出→面談→学校での対応を決める→校長が決定→決定した内容を保護者に通知→校内で今年度の対応を周知する→年1回は見直す(医師の診断書は年1回必要)
平成18年度アレルギー児は2.9%→平成21年度アレルギー児は2.5%。
平成21年度(以下H21年度の情報)、市内には355校、19万3713人の児童がいる。
そのうち、346校(97%)でアレルギー対応をしている。
320校(90.7%)で除去食対応をしている。
除去食まで、代替食はなし。除去できない場合は、弁当持参。
除去食での対応品目、1位は卵、2位はピーナッツ、3位は乳、4位はエビ。
横浜市には、4809名のアレルギー児がいる。(1校あたり平均10数名)
1年生では3%、6年生では2%のアレルギー児がいる。
横浜市児童のアレルゲンの多い順。
1位は卵、2位はミルク、3位はピーナッツ、4位はそば、5位はキウイ、8位はゴマ、12位は小麦。
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