中学校




[中学1年生]

1年A組。ずば抜けて悪い運動神経が、少しはよくなるかもしれないと思い、運動

部としては比較的楽そうな、卓球部に入る(小6のときから仲良しだったりっぴー

と、小5のときから親友だった恵香も一緒)。りっぴーとペアを組み、毎日毎日練習

してた。 この頃、大好きな俳優の安藤政信が、「イノセントワールド」という映

画に出演することを知り、その原作を探す。それが、小説家、桜井亜美との出会

い。その原作を読んだ瞬間、衝撃を受けた。まだ意味がよくわからなかったが、と

にかく衝撃的だったことを覚えている。 兄と何年ぶりかに冷たい冷たいケンカを

した。兄は、あたしを思いっきり蹴って突き飛ばし、「消えろ」と言った。そのと

き、あたしの中で、仲が悪いながらも、兄と繋がっていた最後の細い糸のようなも

のプツンと切れた。もう、何をしても無駄なんだと悟った。これ以来、あたしは兄

のことで努力をすることは辞めた。神は存在しないのだと思った。 ある日、夢を

見た。なぜか、名前も知らない、同じ学校の陸上部の先輩の夢。夢から覚めた瞬

間、恋に落ちる。明るく、バカキャラだったあたしは、次の日からその先輩にアプ

ローチする。先輩は、恥ずかしがりやだった。中1の終わりまで好きだったけど、

結局振り向いてもらえなかった。先輩は、次の年に引っ越してしまった。今思え

ば、先輩にすごい迷惑をかけた。 安藤政信が出演する、「青年は荒野をめざす」

というドキュメンタリードラマを見て、ルーマニアの北部に興味を持つ。そこに住

んでいる人々の目は、言葉では表現できないくらい澄んでいて、それに惹き付けら

れた。 3学期くらいから、あたしの親友の恵香が、りっぴーと仲良くなり、りっ

ぴーも、恵香と仲良くなった。りっぴーも恵香も、あたしから離れて行った。なぜ

か、りっぴーと仲が悪くなり、口を聞かなくなった。あたしは、卓球部を辞めた。

[中学2年生]

2年F組。1学期、体育の内申点が、「1」だった。しかも、内申点の合計が、めち

ゃくちゃ低かった。内申書を手渡された瞬間、泣いた(笑)。このままではいけない

と思い、2学期から頑張ることを誓った。2学期、仲のいい友達4人で、テストの

順位を競い、下位2人は罰ゲームをする、というゲームを始めた。が、2学期の成

績もいまいちだった。 りっぴーが、引っ越した。引っ越す直前に、仲直りした

が、嫌な分かれ方をしたと思う。 3学期、来年受験なのに、このままではさすが

にヤバイと思い、勉強した。順位が、嘘のように上がった。友達とのゲームでは、

いつも上位に入り、罰ゲームをやることもなくなった。でも、提出物を全く出さな

かったので、内申点は、ほとんど変わらなかった。

[中学3年生]

3年F組。3年になった瞬間から、勉強を本気でやった。提出物も、全て出した。

英語の提出物は、教科書本文をノートに5回書いて提出だったが、あたしは100

回以上書いて提出した。その他の教科の提出物も、条件をはるかに上回るようにし

て、出した。順位がめちゃくちゃ上がった。そして、内申点も1年前とは比べ物に

ならないほど上がった(1年前は、ほんとに大バカだった)。5と4しかなかった。

体育を除いては・・・。体育の成績は、どう頑張っても「2」だった。 でも、他の

教科にあたっては、この調子で2学期も頑張り続けた。 3学期、私立の一般入

試。某女子高を受けた。絶対落ちると思ってたのに、受かった。合格通知が届いた

瞬間、勉強のやる気がなくなった。あたしは、公立高校志願だったので、まだまだ

気を抜いてはいけないのに。でも、やる気がなくなった。疲れた。 この頃から、

あたしは鬱になった。何かが壊れた。 でも、2ヶ月後、第一志望の某県立高校に

合格した。 やっと受験が終わって、しかもいきたかった高校に合格したというの

に、何も喜びを感じない。「あたし、どうしちゃったんだろう・・・?」。この

頃、いつもこの疑問が、あたしの頭で回ってた。




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