夢工房 『浩』~☆”

夢工房 『浩』~☆”

悪友溜まり場の下宿(S県W市中学時代)


学校がすぐ横で、チャイムが鳴ってから行ってもおつりがきた。
最初は父と二人で同居だったが、途中から一人になった。
悪友がいっぱいできた。
兄が中核派だというNからはマルキシズムを叩き込まれそうになった。
(その頃の大学生はなかば趣味、ストレス解消、彼女をつくるために学生運動をしてる人もいたと後々聞かされる。)
毎晩のように遊びにきていた。
そのNから三島由紀夫を薦められて読んだ。
「潮騒」の純愛が中国で受けるのが分かるような気がする。
森鴎外、夏目漱石、芥川竜之介競うように読んでいた。
太宰治を読んでいるとよく退廃的な本を読んでいるなと言われる。
同じ郷里だということで読んでいたが、おぼこい中学生だったので
男女の心情など読み取れなかった。
なぜかヘッセも読んでいた。
日記も大学ノートにやたらと書いていた時期だった。
一体なにを書いていたんだろうか。

部活はバレー部で、なぜかオープンアタックが打てず、Aクイックしか出来なかった。当然、補欠だった。

授業で面白かったのが美術だった。
美大出ほやほやの男の先生で人気があった。
で、先生の描いた絵は何故か退廃的だった。
ギリシャ風のテーブルの上に地球が乗っていて、割れかけていた。
背景には髑髏。

はやっていたのが、天地真理、南沙織、浅丘めぐみ。
天地真理はポスターを部屋にでーんと張りめぐらした。
このころフォークソングもはやりだし、Nから吉田拓郎、泉谷しげる,
井上陽水をギターで手ほどきを受けた。
そうそう、部活が一緒だった。
もうひとり近所の部活仲間がいて、一緒に早朝トレーニングでジョギングを
やっていた。
毎朝6時になると迎えに来た。
半年しか続かなかった、今思うと悪かった。
起きれなくなったのだ。
夜遅くまで、ゲルマニウムラジオでFENを聞き始めたから。

Hという悪友もいた。近所の新聞販店の息子だった。
彼からはビートルズやシカゴを教えてもらった。
夏休みは、下宿が溜まり場になった。
食事はどうやっていたか思い出せないが、外食した覚えがないので、
多分自炊してたんだと思う。
(自炊は小学生のころからやっていた。)

このころは伊丹幸雄に似ていた。(W
近所の後輩にいつも見られてて、ある日告白されたのを覚えている。
しかも、階段をのぼったりする僕の写真を添えて。
はにかみやの僕は、多分一生懸命気をつかって断っていたと思う。
それからは、(目と鼻の先にその子は住んでいた)一応挨拶だけのご近所付き合い
になった。

ある日、僕よりもあたらしい転入生が来た。
体は大きいがおとなしい男の子だ。
なぜか部活に入らなかったようだ。
その子は、原因は分からないが1-2週間学校に来ただけで、不登校になった。
前の学校でも不登校だったらしい。
近所だったので先生から毎朝様子を見て来いと言われ、毎朝よっていった。
彼の母は困惑した様子でいつも呼びにいっていたが、答えは同じだった。
結局中3の夏まで、彼は登校しなかった。

この夏、自転車に乗ってこけた。
こけて、右腕の骨がひび行ったらしい、父がきてT県に呼び戻され、
(思い出した!越境通学をしていたのでT県からS県に父子ともに
引っ越したんだ。親戚もいた。保育園もこの近くだった!)
育ての母のいる所へ帰ってきた。
そして、近くの中学校に転校した。
そこは坊主頭の中学校、のび放題の僕の頭は第1回目の断髪となった。
昔の田舎の中学はほとんど坊主頭だ。
そして半年で卒業だった。
その間に関西方面の私立高校へ入試に行ったのだった。


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: