あびたしおん

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tick,tick...BOOM! [2006.10.31/11.4]


『tick,tick...BOOM!』
作 :ジョナサン・ラーソン
演出:吉川徹
出演:山本耕史(ジョナサン)、愛内里奈(スーザン等)、ゲイリー・アドキンス(マイケル等)

世田谷パブリックシアター 2006年10月31日(火),11月4日(土)



【まずはじめに】
今までは1舞台1回しか見たことが無かったけれど、今回は” 山本耕史くんの30歳バースデーパーティー (ファンクラブ限定貸切公演)”が行われたことから、元々Getしていた普通公演と2回観る機会となりました。

レポで覚えている限り(苦笑)、その2公演で違った箇所もUPしようと思っていますので、いつもと違う楽しさがあるかと...



開演がまもなく始まります...という館内放送が流れて数分後。

まだ客席は明るい中、バンドのメンバーと山本耕史くんがステージ上でスタンバイを始めました。

(10/31は、この後に”立見席”へ誘導された為、自分のポジションに立った時既に耕史くんはステージ上にいたので、もう始まってしまっているのかと勘違いして焦った~)

キーボードで作曲作業(譜面を書く仕草など)を黙々とするジョナサン。

その口には、”紙がクルクルッと巻いているものがストローの先に付いていて息を吹き込むと”キュー”って紙が伸びるオモチャ”(何と言うんですかね、あれ)を咥えており、時々”キュー”と鳴らす。

11/4は何事も無かったけれど、10/31は伸びた後にクルクルッと巻くのが失敗して耕史くんの顔にペタッとくっついて...会場から笑いが!

「これは既に始まっているの?それとも...?」とドキドキしながら様子を伺っていると、おもむろに椅子から立ち上がり「はい!僕ジョナサン。作曲家さ!」とstart (^_^)

30歳の誕生日を目前にしているジョナサンは、その日までに歴史に残るようなミュージカル曲を作り上げ、素晴らしい人生を送ることを夢見ていた。

が、現実は厳しく...

そこにルームメイトのマイケルが入ってくる。

そう、 彼は木村拓哉くん主演CMのGATSBYで♪ギャッツビー~♪を歌っている人 なんですよねぇ~ ♀_(`O`) ♪

以前は共に演劇の世界に身を置いていた友人、マイケルだったけれど、今は”ピカピカのBMW”を乗り回すビジネスマンとなっていた。

そんなマイケルはジョナサンの生活を心配して、自分が勤める会社の面接を受けて欲しい事を告げるが、ジョナサンは”30歳の誕生日までは”という思いが彼を動かさない。いや、動けない。

「20代最後の悪あがきだよ...」と強がったジョナサンは寂しそうだったなぁ~

そして、彼女スーザンがやってくる。

彼女はダンサーだが、都会を離れて田舎で一緒に暮らそうと話す。

マイケルとスーザンから”今の生活を変えよう”と言われ続け、作曲活動に集中出来なくなってきたジョナサンは、マリファナを一本取り出し、アパートの屋上へ出る。

11/4は火を点ける前にゲップをした耕史くん!そして途中、煙で輪っかを何個か作っていました (^_-)

マリファナ、いや、タバコを吸うイメージがあまり無かったので、舞台そっちのけで吸う姿を見入ってしまい...今夏に喘息発作を起こして以来、タバコの煙には近づく事も嫌な私ですが、つい深呼吸をしてしまいました (*^.^*)エヘッ (ま、会場は広かったから、気持ち、そんな行動をね...)

そこへ手づくりの緑色のドレスに着替えたスーザンがやってきて♪GREEN GREEN DRESS♪を歌う。

ポップな感じの曲と2人のダンスが可愛いんだけど...スーザンとジョナサンが好きあっている様子がひしひしと伝わり、ほっぺにKISSするからか?...このシーンが終わって暗転した時の拍手が少ない気がしたのは、私だけ?(爆)

ジョナサンのお父さん(ゲイリーさん)が電話をしてきた。

「元気にしているか?」「お前の姉さんは・・・」「○○(義理の兄さん)は・・・」と一通り近況報告をしたらキャッチが入り、お父さん一時待ちへ。

割り込んできた電話の主は事務所の女社長ジョディー。

ワークショップ頑張ってねぇ~等と、てっきり忘れていたと思っていた彼女が延々と話していたので...保留待ちしているお父さんが手持ちぶたさになって、耕史くんの真横にピッタリ寄ってくる始末。

そのヒョコヒョコ歩く様子が可愛いかった!

その寄ったタイミングで”父さんを保留にしていたこと”を思い出して慌てて繋ぎなおすジョナサン。

「(大変だったら)いつでも帰ってきていいんだ...ぞ!」と言って、お父さんが切ろうとしたらお母さん(愛内さん)がやってきて、息子の様子を心配して話しだす。


ジョナサンのバイト先(レストラン)での様子。

11/4、耕史くんが自ら腰に撒いたウエストエプロン、ちょっと曲がっていました。10/31は綺麗に前を向いていたんだけどね...

ジョナサンだけにスポットが当たり、どんな事をレストランでするのかを紹介している間に、愛内さんとゲイリーさんは、そのレストランで食事をするカップルに変身!

♪SUNDAY♪と共に、値段が高くなる日曜日のランチを食べに来る事への僻みというか...ジョナサンの複雑な心境が歌われているように感じました。

そうそう。

あるフレーズのところの動きが面白かったんです。

それは、女性客役の愛内さんがパッと立ち上がったのですが、その隣で銀色のお盆を持っているジョナサンがクルッと身体を回転...すると同時に愛内さんがストンと座る。

それを数回繰り返すのです。

10/31では、初めて観たという事もあったかもしれないけれど、回転する耕史くんが持つお盆と愛内さんの頭がスレスレで当たりやしないかドキドキしました。

が、11/4は、2人の間がちょっと広かったようで安心して観れた?


そしてマイケルの頼み、”新製品についての会議(レビュー?)”に渋々参加したジョナサン。

大きい社屋(と思われる場所)に付いたら、愛内さんが”受付嬢(普通のOLか秘書?だったかも)”をチラリを演じて引っ込み、ゲイリーがスタジャンというかパーカーを来た社員をチラリと演じて引っ込み...色々な社員がいる様子を見せる。

そしてジョナサンがイイ!と絶賛するような”イカシテル女性社員”がズイズイッと近づいてきて、「本日の説明は私が行いますので...」とテキパキ口調で自己紹介。

会議室へ案内される途中に、コーヒーの説明を受けたものの...「自分で入れてね!」と。

確かに最近のオフィスでは、コーヒーってセルフですものね。

新商品というのは、カロリーゼロ、脂肪分ゼロ、何でもゼロ~というオイル。

色々な意見を出し合い商品化のアイデアを集める...ためにクリエイティブなジョナサンが誘われたのでした。

ジョナサンが真っ先に商品名として提案したものが、10/31と11/4とでは違ったような気が...

”デブゼロオイル”というか”デブ撲滅オイル”というか。

4日の方が面白いネーミングだったんですよね...

あぁ~、簡単なメモ帖を用意して観劇すれば良かったぁ~ (T^T)


「名前を決めるのは後なので今はイメージを話し合いましょ!」というような台詞で、ジョナサンの発言は打ち消され...

「自由」...とバンドのメンバーがポツリ。

「平和」...また別のバンドメンバーがポツリ。

「健康」...またまた別のバンドメンバーがポツリ。

商品をイメージする言葉が幾つも続いたのです!

10/31では、早々に「バンドの方ですよね?」と突っ込む耕史くん。

11/4も同じように突っ込みを入れたけれど、その直前にピアノ担当の人が指示棒 【お取り寄せ】KOKUYO サシ-1 指示棒 1 で耕史くんの方をツンツンと突っついた!?

しかも、各自が発言する種類が4日の方が多く次第にエスカレート。

愛→家族→S○X→… とメンバーが次々と盛り上がっていったら、それと同時に愛内さんが悩ましい声を上げて、同時にゲイリーがベストを脱ぎだし、向かい合って立った2人。

そしたら...先がハート型になっている指示棒で...愛内さんがゲイリーの股間をスーッとなで上げ(爆)


そんな様子を呆然を眺めていたジョナサンは、女性社員があきれるネーミングを再びはいて自ら会社を後にするのであった...

ヘッドライトのような物を持って右側へ歩くジョナサンの先には...ハンドルとヘッドライトを持って椅子に座るマイケルの姿が!!

どうやら”マイケルのBMW”に乗っている様子。

ライトは眩しく光り「ブーゥ~」と走行音も自ら?

走っている様子は...2人並んで椅子に座ったまま左右に移動して表現(爆)

「会社の会議の様子が馬鹿馬鹿しい、真面目にやってられない!」と言うジョナサンに対し、マイケルは「それが仕事なんだ。給料を貰っているからな...」と、社会の現状、そして今の自分に満足している事を促した。

そして、マイケルのリフォーム中新居へ入る2人のテンションは急上昇~!

軽快な♪NO MORE♪は英語歌詞だったので、意味分からないじゃぁ~ん!と心配したのも束の間。

ステージ上部の壁に日本語歌詞が楽しく表示されていた~!

でも、歌って踊る二人と歌詞の位置が離れているので、かなり忙しく視線を動かす必要となって大変でした (^^ゞ

この元気なダンスで、耕史くんが必ずといっても良いほどする動きに気が付いて、そんな私って凄いわぁ~とか内心思って喜んでしまっていました。

出張三昧で忙しい日々を送っているマイケルに「何故そんなに働くの?」とジョナサンが訪ねたら「なんとなく」と答えるマイケル。

彼は、演劇を捨てて全うな(?)会社員となり生活は安定しているけれど、何のために仕事をしているのか訪ねられても具体的に答えるものが無い人生となっていた。

ちょっと我にも問いたくなる難しい質問だった...

広いウォークインクローゼットから”グッチのベルト”を3つ持ってきてジョナサンに巻かせたマイケルは満足そうで、「いいねぇ~」と楽しみながらも「この人生、ベルトを3本持った事なんて無いよ!」とポツリ呟くジョナサン。

子供の頃、別々の友達と過ごしていたが、あるキャンプで出あって以来互いを認め合い信じあい深い友情を育んできたというのに、ここまで生活の差があるなんて...

自宅でワークショップ(作品を発表するイベント)に向けて作曲作業に集中しようとした矢先にスーザンから電話。

お互いが「こっちに来て」と言い張り長電話が延々と続くのだが...

♪REAL LIFE♪の台詞が忙しい!

簡単に書くと 裏の裏の裏の裏は表か裏か? みたいな ┐('~`;)┌

「私があなたを思って心配している事をあなたは私が心配していると思っていないと$%&#(”!#@*&%#$#。。。」

と(苦笑)ジョナサンとスーザンが延々と歌い...気づくと夜が明けており。

何かを食べないと、とスーパーへ出向いたジョナサン。

子供の頃から愛して止まない”トゥインキー”というとっても甘~いお菓子を買おうとするのだが...大人が何個も買うのは恥ずかしいと、レジにある電池なども一緒に会計して誤魔化そうとする。

そのレジの店員は...ノースリーブTシャツ+エプロン姿のゲイリー!

とっととレジから離れたかったジョナサンだったが、ワークショップに参加する女優カレッサ(愛内さん)が買い物に来て慌てるジョナサン。

そんな時にレジ店員が「袋に入れますか?」というような事を大声で聞いてくる、焦るジョナサンはレジ横のカゴを必死に隠そうとするが...カレッサに見られてしまう。

が、彼女も実はトゥインキーが大好き~という事で意気投合!

ジョナサンの家の前で”ほお”にKISSをしあう2人を窓から見ていたスーザン。

「出演してくれるんだから、ほおにKISSぐらい...」と言うジョナサンではあったが、以前話していたダンス教室の事でマンハッタンを離れる事が決まったと告げるスーザン。

2~3週間で帰ってくるのかと聞いたが「もしかしたらズットかも...」というスーザンに「行かないで~!!」と懇願するジョナサンの悲痛の叫び声と歌声が切なかった。

舞台といえどもチョッと羨んだ2人が、生き方の違い、見つめる先の違いで別々になる道を選ぶことになったのを観て、人生のパートナーとは何ぞな?とか考えたくなってしまいました。

そしてワークショップ当日。

「誰も来ない...」とジョナサンが不安げに語ったので、ワークショップはしょっぱから失敗?と思っていたら、カレッサがやってきて「まだ開場していないから...」と説明。

そっか、これからなのね...とホッ。

そしてジョディーが、赤いスーツに身を纏って腰をクネクネと揺らして登場し...ボコッとジョナサンへ抱きついてステージを頑張るように応援する。

開場したら、まずマイケルがやってきて...腰を曲げたジョナサンのお父さんが杖を突いてヒョッヒョッコと登場。

このお父さん、ゲイリーが演じたのだけれど、ちょっとお茶目でキュートで...かなり好きなキャラでした。

お父さんがジョナサンへ電話する時に必ず言う台詞「戻ってきてもいいんだぞ」とかを発してから、座席へと移動する時に...あれ、杖が立っている!?

10/31は、「このアイデア(吸盤で杖が立つ仕組み)、彼が考えたんだよ!」と耕史くんがゲイリーを指差しました。

が、11/4では「彼が一番、自由に演じるシーンなんだ(ちょっとニュアンスが違うけれど)」とゲイリーが楽しんで軽くステップ踏む様子を語るという違いが...


ジョディーが”作品を見てほしい人達”を呼んでくれたのだが、ジョナサンが憧れ、その名前をハッキリと口にする事さえも緊張してしまう人がやってきて緊張はピークに!

ジョナサンのコメントの後、ステージstart!

って”ROCKミュージカル”ってこんななの?と驚くばかりのスペースなんちゃら~という類を思い浮かべる衣装で登場したゲイリーは、光る機関銃を辺りに撃ちまくり、真っ白い衣装のカレッサが登場。

そして彼女は歌う...深い歌声に鳥肌が...

11/4、上部にミラーボールが眩く光り回転していたけれど...10/31にあったかどうか記憶にないんです、不思議な事に

ジョナサンの部屋で電話が鳴り響き...「ジョン、ジョン、ジョン…ジョンちゃぁ~ん!」と留守電に叫ぶジョディーに失笑。

そのしつこさに(?)耐え切れずというか諦めジョナサンが受話器を取れば「(成功して)おめでとう」という絶賛と「今のブロードウエイには合わない作品(だから使うことは出来ない)」「次の(新しい)作品をお願いね~」「私は貴方の心臓をムシャムシャ食べちゃった、のねぇ~」と捨て台詞で終わるジョディー。

ワークショップは成功し、友人達から絶賛されてもジョナサンの心は晴れず、”今作った作品が認められてプロデュースされない事”を悔しく残念に思い落ち込むばかり。

20代最後の日、マイケルが突如訪れ昔の友人(?)が数日前に亡くなった事を告げる。

「何で知らせてくれなかったんだ?」と詰め寄ったが「話せなかった…」とマイケル。

突然受けた深い悲しみから、マイケルやその友との出会い、そして音楽との出会い...様々な事が目まぐるしく彼を揺さぶる。

そして...”自分は1人じゃない”という事に気が付く。

そして30歳になった日は、沢山のプレゼントと友人達が彼の部屋を埋め尽くす。

遠く離れたスーザンは、作曲活動を否定しているかのように思えていたが、1000枚はあるかと思う五線紙の束をプレゼントとして持ってきた。

そしてマイケルは...「今までの人生で一本しかベルトは持っていない」
と言っていたジョナサンへ”3本のベルト(グッチじゃないけれど)”をプレゼント。

その中から1つ、赤いベルトを選んでシャツの上から腰に巻いたジョナサンは本当に嬉しそう!

赤=土方歳三colorだからファンとしては嬉しいチョイス?(苦笑)

パーティー中、電話のベルが鳴った。

「留守電にしているから...」と受話器を取らなかったジョナサンだが、その電話の主は、ジョナサンが崇拝している”あのお方”!

ジョナサンにキツイ言葉を投げたジョディーではあったが、ジョナサンが最も意見・感想を聞きたかった相手へ電話番号を知らせてくれていたのだった...

今度、直接話をしたい...とのメッセージに、動きが止まっていたジョナサンがハイテンションに!

作曲活動をしていた当時、「ピアノの弾き方を忘れてしまった」と嘆く事もあったジョナサンだったが、頭の中に繰り返し響く”チック、チック、チック…”という音がほぼ聞こえないくらいの大きさに小さくなっている事に気が付き、自分の誕生日会だけれど自ら♪Happy Barthday♪を演奏する...

仲良く3人でケーキを囲み、ジョナサンが蝋燭の炎を消した表情は、とても幸せそうでした。

~ end ~


[レポUP 2006.11.5]


♪MUSICAL NUMBER(舞台パンフレット参照)♪

30/90 :ジョナサン、マイケル、スーザン
GREEN GREEN DRESS :ジョナサン、スーザン
JOHNNY CAN'T DECIDE :ジョナサン、スーザン、マイケル
SUNDAY :ジョナサン、男・女(レストラン客)
NO MORE :マイケル、ジョナサン
THERAPY :ジョナサン、スーザン
REAL LIFE :マイケル、ジョナサン、スーザン
SUGAR :ジョナサン、カレッサ、レジ男性
SEE HER SMILE :ジョナサン、スーザン、マイケル
COME TO YOUR SENSES :カレッサ
WHY :ジョナサン
30/90(REPRISE) :ジョナサン
LOUDER THAN WORDS :ジョナサン、マイケル、スーザン



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