山ちゃん5963

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五十五、ギリシャ アテネ



昭和五十九年九月八日バグダッドサダム空港からギリシャのアテネに向かった。太陽熱研究所竣工記念旅行に自費で行った。同行したのはIRAQ SERC の所長と事務。アテネ国際空港は小さな空港だった。なんかオリーブの香りがしたねえ。『ウーン、ポパイなんちゃって』我々はタクシーでオリンピア広場に向かった。オリンピア広場には東京オリンピックの掲示板があった。ホテルはその近くであった。パルテノン神殿。アクロポリス。アテネ
と行った。夕食は所長のお勧めのレストラン。うまかった。夜、アクロポリス光の祭典を見にいった。とてもすばらしかった。気が大きくなっていたその夜、ワシはひとりこっそりアテネの飲屋街にいった。どうも暴力バーに入ったのだった。太った女給も出てきて何かいっぱい注文していたのう。ワシは『よっしゃ、よっしゃ』と言ってその注文を許した、が。さて、いいころ加減に酔うとヤクザで太っちょの店主がワシを別室に連れ込んだ。『お前が今日飲んだのはこれだ、金を払え。日本円で十万円だ』と飲んだ空瓶を見せられた。なんか知らんが、二十本以上空瓶がころがっておったわい。『ワレハ、おいおい、とんでもない。』とけんかしたが、どうもやばい、こちらは一人だ。相手は数人いる。取り囲まれた。けがするより、ええわい、しょうがないから値切り倒して金を払った。ほんまに、あほらし。もうアテネで酒なんか絶対飲むかいや。新宿歌舞伎町も恐かったが、そこよりアテネは恐かった。

明くる日、ホテルで、事務長は腹が痛いという。かわいそうだが、ホテルに置いて行く事にした。ワシと所長は海に船旅に出かけた。ミケノス島ツアー。海はコバルトブルー。家は白。ものごっつうすばらしいエーゲ海。また行きたいもんじゃがのう。ある島に日本人のおばさんがいて、『東京オリンピック以降ズーとこの島に住んでいる』、ここが大好きだ、と言った。亭主はギリシャ人だってさ。そこでお土産にギリシャのコップを購入した。またヌーディストビーチがあったので覗いてみた。なかなかヨーロピアンがうじゃうじゃいた。皆太った女ばかりでおもしろくなかった。あほらし。しかし、あの船の一日ツアーはよかったなあ。地中海エーゲ海はすばらしい。また行ってもよい所じゃのう。後日行ったイタリアイタリア
と同じくらい、いやいやそれ以上エーゲ海はすばらしかった。



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