251112
Renoir (ルノワール 陽だまりの裸婦) @ TOHO シネマズシャンテ3 Michel Bouquet,
Christa Theret , Vincent Rottiers
(リューマチに冒され視力も朦朧としたルノワール晩年の5年間。モデルのアンドレが野の花のように美しい。映像の一コマひとこまが、ルノワールの絵に負けない情感をたたえている。ぼくはルノワールが晩年に描いた、ぶくぶくの裸婦の絵が嫌いだったが、これから見方が変わりそうだ。)
251106 MET Live Viewing 2013-14
Tchaikovsky: Eugene Onegin
@ 東劇 指揮: Valery Gergiev 演出: Deborah Warner 出演: Anna Netrebko, Mariusz Kwiecien, Piotr Beczala, Oksana Volkova
(平成25年10月5日 昼の部の収録。ロシア語公演。わがままな主人公のエフゲニー・オネーギンにようやく最後になって感情移入できた。第1場はやや間延びしたが、第2場と第3場は息もつかせず、上質のミュージカルのごとく聞かせどころに富んだ名曲目の数々。)
250911
Il villaggio di cartone (楽園からの旅人) @ 岩波ホール Ermanno Olmi 監督、Michael Ronsdale 主演
(小さな教会堂の取り壊し準備に始まる。ぼくなら邦題は 「聖堂瓦解」 とつける。全てが屋内セットで撮られたこともあり、演劇的、写真的。ひとりひとりの人種が際立つ。)
250904
On the Road (オン・ザ・ロード) @ TOHO シネマズシャンテ Sam Riley, Garrett Hedlund, Kirsten Dunst
(前から見たかったロード・ムービー。昭和22~25年あたりの米国・メキシコを漂泊する。あぁ、この人たちは歴史の断絶ということを知らないですんだ国民なんだなと思う。セックスや麻薬はいいけど、万引きシーンが多すぎるぜ。)
250813
Emperor (終戦のエンペラー) @ 丸の内ピカデリー Peter Webber 監督、Tommy Lee Jones, Matthew Fox, 初音映画莉子、西田敏行、片岡孝太郎、中村雅俊
(白人が作ったにしては、まずまずの出来だった。予備知識のない人が見ても、天皇の役割が理解できる作りになっている。歴史観も常識的。ぎりぎりの及第点をあげよう。ニュージーランドでセットを組んで撮影したらしく、不自然な日本が散見したのが残念。第一生命館が貧相なセットで、片側2車線の道路を挟んでいきなり皇居の松があるのには唖然。東京から夜に車を3時間走らせると静岡に着くという設定もおかしいし、昭和20年9月の時点にしては空襲の焼け跡に復興の動きが乏しい。)
250807
Une Estonienne a Paris (クロワッサンで朝食を) @ 銀座シネスイッチ1 Jeanne Moreau, Laine Magi, Patrick Pineau
(エストニア語とフランス語の映画。エストニア語が、発音にあまり特徴のない言語なので拍子抜け。人間の意地と寛容のシーソーゲーム。地味な映画だった。クロワッサンには確かに意味があるが、邦題はオシャレすぎだね。)
251002
Holy Bible (Mack Books and the Archive of Modern Conflict, London 平成25年刊) Adam Broomberg/Oliver Chanarin 編
(意表をついた編集の傑作。革装の聖書の本文頁に512点の事件写真を貼り込み、本文中のキーワードに赤い下線を引く。9,450円だったが、価値あり。ノリのいい受付の女性が、自分も買うつもりでお奨めの写真集だと喜んでくれた。)
250724
NTC's Dictionary of Phrasal Verbs and Other Idiomatic Verbal Phrases
(National Textbook Company 平成5年刊) Richard A. Spears 著
(例文は豊富だがひとつひとつが短すぎて味も素っ気もない。読む楽しみをくれない辞書だが、純粋に学習効果の観点からすると短い例文のほうが分かりやすいのは確かのようだ。句動詞辞典の嚆矢と謳う。)