問題
それからというもの、毎日のようにデートした。都内の観光をしたり、買い物に行ったり、飲みにいったり･･････
しょっちゅう漫画喫茶にも行き、夜通しおしゃべりしたり、ふざけあったり。
私は夏休み中で、彼は仕事からホリデーをとっていたので、お互い暇な時間はたくさんあった。
そして、問題もあった。
ひとつは、彼がもうすぐ帰国してしまうということ。
実は、彼はアメリカ軍の軍人として日本に来ていた。
そして、もうすぐ軍を辞めてアメリカに戻り、大学に行く予定だった。
私はそれを知っていた。
それでも、短期間で終わってもいいとどこかで思っていた。
なぜなら、その時、私には実は彼氏がいたから。
彼氏はイギリスにいた頃に付き合っていたアジア人の彼だった。
私の帰国後も遠距離で付き合っていたのだ。
そして、すいぶん前に、夏に会いに行くためにとイギリス行きの航空券も買ってしまっていた。
もちろんキャルは知らない。
彼氏とキャルに対する罪悪感も少なからずあった。
それでも、彼氏とはもう心が離れてしまっていた状態だったし、キャルに言っても何もならないと思った。
私は言わないことにした。
結局、キャルにはイギリスに旅行することだけを伝えた。
デート中は、二人とも、キャルの帰国については触れなかった。
流れと運命にすべてを任せていた。
Next
© Rakuten Group, Inc.
