育児・子育て(2)

育児と子育て

oyako2


2005年8月20日
新生児から語りかけを


昔の(といっても今、孫がいるおばあちゃんより「昔」でしょうか)人は生まれたばかりの赤ちゃんにも、四六時中話しかけていたと思いますが、今のお母さんの中には「話しかけても意味が分らないのだから、話しかけても仕方がない」と感じてしまっている人も結構います。だから「日中、赤ちゃんと二人だけになってしまうと何をすればいいのか分らないからサインの講座を受けた」という受講のきっかけを時々聞きます。
でも8/10の日記に書いたように、6ヶ月ぐらいまでに耳から入ってきた音から自分の母語を決め、その音が入ってきたら、言葉として理解しようとしているのですから、赤ちゃんといる時はいつも話しかけてください。
赤ちゃんだってからだ全体を使って話しているのですから。
今は脳の発達についてもいろいろなことが分ってきて、この月齢ではこんなことを・・・」と科学的な説明を聞いて理解し実行できるのにもかかわらず、語りかけの少ない親が多いのです。
昔はそんな科学的なことなど分らなくても、今よりもきちんと出来ていたのはどうしてでしょうか。子育ても親から子へと受け継がれていたからでしょうか。
モンゴルでは老若男女にかかわらず、赤ちゃんに出会うと話しかけたり、頬ずりしたりするそうです。
今の日本ではここまですると怪しまれそうですが・・・
でも赤ちゃんの笑顔には、笑顔で語りかけて欲しいですね。

2005年8月16日
「1歳から料理を」


こんなタイトルの記事が今日の日経新聞夕刊に載っていました。
料理研究家の坂本廣子さんのお話です。「1歳から・・・」というのに少しびっくりしてますが、子どもには料理に関わらず、家事を手伝わすことは必要だと思っています。
サインの講座でも話しているのですが、洗濯物のタオルたたみからさせたらと勧めています。子どもにさせるより自分でしたほうが早いし、きれいに出来るのですが、喜んでお手伝いするおちびさんが教えるのにいい時です。
料理は私も子どもが幼稚園の時、年末の忙しい時させました。
大好きなカレーです。つくる順序などは教えていくのですが、人参もジャガイモも大きさがまちまちでも黙っていました。お客さんに出すわけではなく自分たちでたべるのですから、食べれればいいのです。
結果は、人参の大きさをそろえないと硬いのもあるということを体験。
子どもにはおだてて、楽しくやらせましょう。
坂本さん曰く「達成感で自信を得る」それに嫌いなものも小さい時なら自分でつくったものは食べますよ。
それにしても「次世代育成支援対策推進法」というのがあり、その検討会報告書(2004/2)によって「食育基本法」が今年7月施行。今年4月から「栄養教諭制度」がスタート。公務員は益々増える・・・。

2005年8月14日
子育て応援証


こども未来財団(東京)が名刺大の「子育て応援証」というカードを作成し希望者に配り始めたという記事を見ました。
「電車やバスでは席を譲る」「あたたかいまなざしで見守る」・・・こんな宣言文が並んでいるらしい。
全国の妊娠中か出産後3年未満の女性のほぼ半数が「自分が孤立しているように感じる」とのこと。制度や設備の充実は進んできているが、親子をほっとさせるような周りの人の思いやりが必要なのでしょうね。
しかしこんなカードを作ってまで・・と思ってしまいました。
誰に対しても思いやりを心の中だけでなく、行動に移せるようにしたいものです。

2005年8月10日
母語が英語に‘なってしまった’こども


わが子が英語も使えるようにとか、小学校で英語とかで幼児の英語教室も急速に増えていますが、「ここまで!!!」という話を聞きました。
「3歳近くになった子どもが英語では会話が出来るが、日本語で聞くと理解できてないようで親が困っている」ということでした。両親とも日本で生活して、日本語使用者、英語は余り話せない。多分日本に住んでいれば、日本語は自然に覚えることが出来ると思って、早くから英語を聞かせたらしいのです。
人は生まれてから6ヶ月くらいで母語(第一言語、考える道具になる言語)を決めていくそうです。毎日語りかけられる音の中から、一番多く耳に入ってくる音(音素)を母語と認識して、その後、その音のかたまり(意味を持つ言葉)を学習していきます。
この時日本語より英語が多く耳にはいっていくとこちらを母語と認識していきます。
生まれてすぐの赤ちゃんは、おっぱいを飲んで、眠って・・・と何も考えていないように見えますが、こんなふうに自分が習得していくべき言語を選択して決定しているのですね。生まれた時の脳は大人の1/4ですが、7~9ヶ月で大人の1/2にまで発達しているのです。
英語の早期教育を否定しませんが、こういうことを知った上で、もし母語を日本語として育てるなら、1歳過ぎてからの方が安心かもしれませんね。いっぱい日本語での語りかけをすることを忘れないでください。またサインをするときも必ず、声で日本語をつけてください。考える道具は日本語でと脳が決めてから、とりあえず歩き始めてからでいいのではないでしょうか。
余りに急ぎすぎると、熱心すぎるとこんなことがおこってしまうのです。


2005年8月6日
原爆の日と息子


日本人として地球人として、核保有国と核保有願望国に対し、広島を長崎を伝えていかねばならないことを以前より更に強く念じています。こんなもので世界の平和のバランスをとろうするのは恐ろしいことです。
私は全く個人的、勝手に心の中で、この日を「感謝の日」としています。息子は今日が誕生日。小さい頃は毎年広島からの生放送を聞きながらお誕生会の準備をしていました。
この子は何回も「間違えばあちら(死)」ということがありました。お腹にいた時から医者から「諦めてください」と言われたり、病気入院、幼稚園の時100キロ近い鉄の柵の下敷き、極め付きは「お習字のカバンが空を飛んだ!」と小学1年生の本人が話した習字の帰り道での交通事故で5ヶ月間の休校。でもいつも「こちら側(生)」に。なんと運の強い子かと思っていました。そしていつ頃からか、自分勝手に思い始めました。
広島で沢山の一般市民の方々が亡くなった同じ日に生まれたこの子は誰かの生まれ変わりではないのか、多くの亡くなった方が見守っていてくださるのでは」と。
「あちらに」ではなくいつも「こちらに」ひっぱて下さることに、ずっと感謝しています。全く宗教とか占いなど関心がなく、信じることもない私なのですが、勝手に原爆の日と息子をこんなふうに結び付けています。
子育ての中には「ひやり!」とすることも沢山あります。病院に運び込んだわが子が「こちら側」に戻ってくれた時、多くの親は私と同じように何かに感謝したくなるのではないでしょうか。
そして戦争のない平和な毎日に生きていることに感謝しています。
核抑止力なんてあるのでしょうか?あれから60年たっても戦争がなくなることはなく、地球は危険になるばかりです。宇宙から見た地球はとてもきれいだそうですが、これ以上汚さないようにではなく、元のようにきれいにするためにも日本人として、地球人として考えていかねば・・・と思う8月6日です。

2005年8月4日
ベビーカーのママに手助けを!


朝刊で「ベビーカーに子どもを乗せて外出する時、道路の段差などは少なくて比較的楽に行けるが、バスに乗るのが大変。ある時、年輩の女性が手伝ってくれて嬉しかった」という投書を読みました。
確かに電車と比べると狭いし、段差が大きいので大変ですね。低床車も最近時々見ますが、台数は少ないです。
私はバスに乗ることがほとんどないのですが、地下鉄などでは、お母さんは荷物も多いし大変・・・という目で見ているくらいです。(目が合った子どもとは目と表情で話していますが)
社会の中ではいろいろな事件が多くなり、知らない子どもにやたら声かけをするのもと思ってしまいがちです。
この前ベビーカーに座っていた赤ちゃんが男にいきなり殺された事件もありました。だからといって他人同士がまったく知らん顔では、世の中が寂しくなります。
若いお母さんが困っていたら、まず‘元’お母さん年代が手を差し伸べてみませんか。「袖振り合うも多生の縁」という言葉を死語にしないように。


2005年8月1日
自閉症児のサイン(TBS特集を見て)


昨日のTBS特集で「自閉症の子を育てて」という放送がありました。(以前「赤ちゃんが手ではなした」という特集は聞こえない子どもを持った親にある大きな指針を与えたと思っています)
あるお父さんが自閉症の自分の子どもを通して、社会での認識などを啓発するとてもいい内容でした。
皆さん‘孤軍奮闘’しています。これだけ子育て支援に政府は大きく関心を示しているのに、支援どころか社会での理解もほとんど得られていません。
今年4月に「発達障害者支援法」が施行され、これから自閉症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの発達障害についても関心が向けられていくこと期待しています。
2年ほど前に名古屋のこれらの発達障害児を持つお母さんたちの会に行ったことがあり、皆さん情報を交換しながら、暗くなりがちの気持ちを明るくしようと努力している若いお母さんたちに感動したことを思い出しています。
全国にこのような子どもを抱えて悩む親に対してのネットワークが、更に広がることを願っています。
今、自閉症児だけでも100人に1人の割合で生まれるそうです。そして「親子心中や虐待の中にも、この自閉症児を抱えた家族が多く含まれているのでは?」という報道でした。国の対処も大切ですが、この障害についての社会での理解を広めることもより大切なことです。
この子たちの障害の特徴の一つに「コミュニケーションがとれない」ということがあるのですが、聴覚を使った方法よりも視覚を使ったコミュニケーション方法のほうが有効であることは言われています。テレビにでていたお子さんもお母さんは声と同時にサインを使っていました。また絵カードも使い、視覚でのコミュニケーションを使って通じることが多くなっていました。
人間の会話は耳と口だけでなく、目を使うサインなども必要な人が多いことを知って欲しいですね。声で会話が出来ない人に「コミュニケーションがとれない人」と烙印を押さないでください。

2005年7月29日
ブレンディッド・ファミリー


この言葉はもう20年以上前にオーストラリアから日本にホームステイにきた13歳の女の子に、版画の日本的なカレンダーがあったので「お父さんへのおみやげにどうぞ」と言ったら「どっちのお父さんへ?」と聞かれてびっくり。彼女は今は「ブレンディッド・ファミリー」。でも週末にはよく実父に会うとのことでした。誕生日は実のパパとママが一緒に祝ってくれると言っていました。「ステップ・ファミリー」とも言います。
おみやげは「ステップ・ファーザー」にあげるとのことでした。
「親の子連れ再婚によって、血縁のない、義理の関係の人たちが新しく含まれた家族」のことです。
日本でも今や結婚した3組に1組は離婚する時代です。親権を争うこともありますが、オーストラリアにはあの時もう‘共同親権’が導入されていたのでしょうか。
そろそろ日本でも離婚後の親子の交流について考えねばならないのでは?
離れていても親が自分を見捨てていないと子どもが思えること、わが子に会いたいと願っている親の存在があることを感じれることは子どもにとって大切で幸せなこと、事情が許せば出来るだけ会うこともいいのではと考えます。
日本ではこのブレンディッド・ファミリーの中の虐待も繰り返されています。
これを防ぐのにはどんな方法がいいのでしょうか?

2005年7月26日
文部科学省の子育て支援


今や国をあげての手厚い子育て支援。
出産一時金も5~10万円増と昨日の新聞に報じられていました。
長~い名前の「家庭教育支援における行政と子育て支援団体との連携についての調査研究委員会広告」(H16年3月)から抜粋されたものを見ました。
それで「子育て支援」というのは小学校に行く前ぐらいまでかなと思っていましたが、中学生までサポートがあることを知りました。
家庭教育手帳には
乳幼児編    「ドキドキ子育て」(母子手帳と一緒に配布)
小学生編    「ワクワク子育て」(小学1年生に配布)
小学~中学生編 「イキイキ子育て」(小学5年生に配布)

‘家庭教育支援総合推進事業’には妊娠期から、思春期の子育てまで様々な講座があり、父親支援講座もあります。
こんな支援のネットに入っている人は大丈夫としても、問題は「子育てに関心が薄い親」とか「孤立する親」へのきめ細かい支援が地域で求められているのではと考えます。
サインの講座に来る人の中には「昼間赤ちゃんと二人になると、まだ話さない赤ちゃんと何をすればいいのか分らなかった」という人もいます。
育児に便利な紙おむつなど当たり前になり、少し時間に余裕があるのでしょうが、折角の時間を親子で楽しい時間にして欲しいですね。
問い合わせも長~い名前のところです。
「文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室」


2005年7月23日
「言語力」には読書と語りかけも


「文字、活字文化振興法案」というのが衆議院で先日可決され、この中に「言語力」という言葉が使われているらしい。(こんなことまで法律で定めるのですね)
その「言語力」とは「読み書きだけでなく、伝える力や調べる力なども含めていう」とのこと。そしてある新聞には「言葉と出会う機会を増やすのに読書が一番手軽で効果的」とあった。もちろんある程度日本語を習得して使えるようになったら、読書というのはとても大切です。そして今はインターネットで情報を読み、目から言語を覚えていく機会がとても多くなりました。
また日本語は漢字は正しく読めなくても、見れば意味を捉えることが出来る場合が多くあります。
しかしもう少し小さい子どもなどで、読み方を間違っていると、人が話した内容、テレビなどからの音声による耳からの言葉が理解できない場合があります。
耳の聞こえない人と話しているとこんなことがおこります。
例えば「東名高速道路」は東京と名古屋間の意味で「東名」ですが「とうきょう」「なごや」で「とうな・・・」とは読まず、「とうめい・・」と読みます。
また「東西南北」も方向を時計周りの順にいうのでもなく、逆でもありません。
特に「西」は「北西(せい)」「西(せい)南」と読むのに「「東西南北」の時は「ざい」と読みます。発音しやすい読み方なのでしょが、聞こえない人にとってはなかなか難しい読み方です。
聞こえない人が口の型から言葉を読み取ってくれても、読み方がお互い違っていては通じていないのです。よくこんなことがおこります。
漢字の読み方って本当に難しい!私もまだまだ正確に読んでいない言葉も沢山あるはずです。
正しい読み方を耳にする機会を増やす努力も大切です。
やはり子どもには耳から言葉を入れる「語りかけ」を心がけたいものです。

2005年07月06日
親から植えられる「感情の種」


先日、自分の子どもが言葉が遅いのでいじめられない様に躾るつもりで、虐待した父親が逮捕されたというニュースを聞きました。
虐待と躾を履き違えた親から多くの可愛い子どもの命が奪われています。
小さな子どもは自分を守るすべがなく、生活の全てを親に依存しているので、親が怒るのは自分が何か「悪いこと」をしたからだろうと感じるのが普通です。だからどんなにひどいことをされても、反発などしないのです。
私たちは子どもの時に親から「感情の種」が植え付けられるのですが、この種が芽を出して「愛情」とか「信頼」に成長するように、親たるものはしなければなりません。
親業はとても大変というか、時にはイライラして子どもを叱ったりしてしまい、後で反省したりすることもあるのですが、親子の間に基本的な愛情と信頼感が十分あれば、子どもは大丈夫だそうです。(ホッ!)
「言葉が遅く心配」という親子にしばしば会います。でも親の言っていることは分っているということは、言語は習得しているわけです。「口でしゃべるのが遅い」ということ。そんなお子さんにサインを使ってみてください。親から言われたことに、口ではなく、サインで答えることもあり、その後、声で話し出したりします。


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