吉雄の雑記帳・メモ

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March 24, 2005

防衛白書にだまされるな【航空兵力】

カテゴリ：兵器・自衛隊・軍関係

参考文献【防衛白書】

【抜粋】常識としての軍事学（潮　匡人著）

日本の航空戦力が世界のトップ10に入らないと考えている軍事専門家は
一人もいないでしょう。でも、表では最下位！

あっさりいえば、「防衛白書」が揚げた表は、ほとんど意味のない数字です。
一口に作戦機と言っても、戦闘機と爆撃機ちでは、まるで用途が違います。
「戦争反対、イラク攻撃反対」と合唱する程度の議論なら、作戦機数だけで
航空兵力の多寡を論じてもよいでしょうが、軍事学の頂を目指す私たちの
議論には耐えません。
そこで、もう少し、細かく見てみましょう。
「わが国が保有すべき防衛力の内容」は
「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱について」という、平成7年に閣議決定
された文章の中で示されています。その別表が明記する作戦用機数は
「約400機」、「うち戦闘機」が「約300機」です。

さらに、このうち約200機が「世界最強」と評される航空自衛隊の主力戦闘機
F15J。西側が「イーグル」と呼称する戦闘機です。海外では「制空戦闘機」と
分類されていますが、日本政府は国内の反戦世論や反軍感情に配慮して
「要撃戦闘機」と呼んでいます。
「空制」では攻撃的なイメージが強すぎるとの世論対策でしょう。
当然ですが、言葉を変えても性能は変わりません。
「制空戦闘機」ないし「要撃戦闘機」としては今なお世界最高水準です。
そのイーグルを日本（航空自衛隊）200期以上も保有している。

現在、世界でイーグルを保有しているのはアメリカ、日本、イスラエルの3ヶ国
だけ。と言うのも、日本が当初イーグルを購入したときの価格は一機あたり
約150億円でした（現在はもうすこし下がっています）。
これほど高価な戦闘機を買える国は世界広しといえども、そうありません。
買いたくても買えなかった国が少なくないのです。

結論から言えば、航空自衛隊の戦力は誰がどう計算しても、世界有数の
レベルにある。

それは、世界の軍事常識といってもよいでしょう。
にもかかわらず、各国の作戦機数で兵力を比較し、あたかも日本の航空戦力が
低いかのような表を作成し『防衛白書』に記載するのはいかがなものかと
思います。

マスコミ世論に配慮した結果なのでしょうが、そこには巧妙なトリックが
隠されています。

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