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2005年09月16日
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カテゴリ: 読書
凶笑面 蓮丈那智フィールドファイル1
アラスジ:怜悧な美貌と超越した思考の持ち主・蓮丈那智は、“異端”の民俗学者。助手の内藤三國と共にフィールドワークに向った先々で巻き込まれる事件を、冷静に解読する。旧家の倉開きに呼ばれた二人は、「凶笑之面」と呼ばれる禍禍しい面の調査を依頼されるのだが、関係者の1人が倉の中で変死し…表題作『凶笑面』他、全5作の民俗学ミステリ短編集。


北森氏の作品は、推理アンソロジーの類で2・3読んだのみで、本作が初読。
処女作の『狂乱廿四孝』をはじめ、時代物や民俗学系に関わる作品が多いようで、ちょいと食指が動かないでもなかったのだが。
図書館で借りておいたら、今日の2時間ドラマの原作だったのを知り、放映前に慌てて読んでみた。
主演の木村多江さんは、1番好きな女優さんなので、ドラマも観てみる。

さて、原作の感想から。
京極堂の出現以降、雨後の筍のように湧いて出た薀蓄系ミステリ。
玉石混淆、ピンからキリまである中で、この蓮丈モノ、まずは良心的な部類なのではないかと思った。
「おまいはミステリじゃなくって、薀蓄ぶちたいだけだろうが」と放り投げたくなるような虚栄心たっぷりな作品も少なくない中で、この本の薀蓄はそれほどでしゃばり感もなく、推理部分に無理をかけていない。
まぁ、推理自体は、飛び切り上質とは言えぬものだが。
少なくとも、どちらかが突出したアンバランスさは感じられなかった。
敢えてアンバランスを狙って自滅している作品もあるので、このバランス感覚は良いと思う。

基本的に、上品なミステリと言った感じ。
キャラ萌えを狙っていないとは言えないかもしれないが、謎めいた美貌の蓮丈那智の造型もまずまずだと思う。
感心したのは、助手・内藤三國が、ありがちなワトソンキャラとは多少趣きが違っていた事。
後半の作ではグダグダになりつつあるが、シリーズ初頭の頃の三國は、蓮丈に及ばずながらも冷静に自力で解答を導き出す。
ホームズを際立たせる為に、徒に愚かな役回りを押し付けられがちなワトソン役のキャラクターにしては、かなり知性的なのが新鮮。
ただ、先に触れたが、後の作品になるにつれ、類型的なワトソン色が出て来ている感じもしなくないのが一寸残念。

短編ゆえか、トリックに拘泥しておらず…と言うか、ミステリ部分は心理的な解読で終わっている作品が多い。
上品なミステリと書いたが、同時に、薄味に感じてしまうのも事実。
他の作品を読んでいないので何とも言えないが、それが作者の持ち味なのか。
文章に癖が無く、理知的な作風なので、好感は持てる。
他作品も読んで、また改めて考えてみたい。

で、今度はTV版の感想を。
えー、大体、本格派ミステリをドラマ化したもので碌な作品は、あったためしがないんだよね。うん、今までの経験上、判ってたんだけどさ。
多江さん主演だもん。手元にある本が原作だもん。
そりゃ、観ちゃうのは人の性ってもんでしょ。
…観なきゃ良かったと思うのは、目に見えても。
多江さんは嫋嫋とした美女だと思う。
べたつかない美貌の持ち主だし、理知的で、誠実なアプローチで役作りをする、今イチオシの女優さんだ。
でも、今回の蓮丈は……頑張っていたとは思う。ウン
これは、脚本が酷過ぎるよ。
原作のファンが見たら憤死モノ。
蓮丈も、あの脚本に基づいた解釈なら、多江さんの演技でも悪くは無かった。
だが、肝心の脚本が滅茶苦茶。
昇華した作品に仕上げるなら、換骨奪胎も構わないだろう。
だが、“めぼしい処だけ継接ぎして、テキトーに作りました”感がみえみえ過ぎて、噴飯モノだった。
それと、根本的な問題だが、“モンゴロイド離れした美貌”じゃないよ多江さん。
バリバリ和風美女じゃん。
自分は原作に思い入れないから、まぁ許容範囲内だったけど、違和感感じてたファンは多いのでは。ま、これは些細な事ですが。
多江さんの美貌を観れただけ、まだ良いけどさ。しかし、この人の声は素敵だ。
いずれにせよ、自分的にはアーヤの「殺人方程式」のドラマ化に次ぐ、トンデモ作品でした。

上品過ぎてもダメ、あざとくてもダメって事ですかねぇ……





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最終更新日  2005年09月17日 01時36分17秒
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