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2006年04月25日
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カテゴリ: 映画
アラスジ:ロココ時代に生まれたかった、自分大好きロリータ少女・桃子。15の夜にバイクをかっ飛ばす快感に目覚めた、ヤンキー娘・イチゴ。育った環境も趣味も考え方も、何もかもが180度違う二人の少女。彼女たちの共通点は、ただ、茨城県下妻に暮らしているということ。ロリータ服命の桃子は、代官山のショップで服を買い集めるのが至上の喜び。だが、甲斐性ナシの父親ゆえに小遣いに事欠く。困った末、父親がヤクザ時代に商っていた、とんでもなく胡散臭いバッタモノの服を売りさばく事を思いつく。そして、それを喜び勇んで買い求めたのがイチゴだった。単なる客と売主の関係のはずが、何故かイチゴは桃子の家に入り浸るようになってしまう。“自分が一番、友達なんて要らない”主義の桃子だったが、時代錯誤で熱いイチゴに付き合っているうちに、心境の変化が。だが、それはイチゴも同じだった。そして、イチゴはある決意をする…


家人に付き合い、今頃になって下妻物語を観る事に。
ディスクをセット。
珈琲片手に、気軽に上映開始。
………うっ。
「か、かぁ~わぁ~いぃ~いぃぃぃぃっ」
女二人で、思わず声を上げてしまった。
ロリータ深キョン、可愛い、可愛い、可愛い。ア゛ァ゛
出てきた瞬間から、余りのかわいらしさにウットリしてしまった。
富豪刑事と言い、このロリータ少女と言い、現実感の無い役が何て似合うんだろう。
はっきり言って、彼女の演技は、その芸暦を考えると頭が痛くなるものがある。
だが、それがなんだ。
この浮遊感は、演技力如何こうを超えた得難さ。
こういう役しか出来ないと言われればそれまでだが、こう言う役を出来るのも彼女しか居ないのも、また事実だろう。
ま、富豪と下妻以外の深キョンは、バッサリ切り捨てたいくらいアレですが。
この2作品限定で、私、深キョンファンになります。

それにしてもこの映画、兎に角、面白い。
展開のテンポの良さ、繰り出される小ネタの切れ味。
こういう、陽性のバカバカしさは爽快で良い。
CM畑の監督の作ゆえ、非常にテンポが良い。
浅薄にすら感じるほど。
この辺は、好みが別れるだろう。
コマ割やアニメ挿入もあるので、食わず嫌いをされる危険もありそうだ。
だが、この勢いがあったればこそ、二人の“オトメ物語”が際立ったと思う。
映画離れと言われる時代、この“軽み”が、今の観客をひきつけるのではないか。
ただ軽いのではなく、きっちり骨が通っているしね。
キャスティングも絶妙。
嵌りすぎて、ちょっとあざといけれど。
ヘンな八百屋の荒川良々や、おばあさま・樹木希林が殊に良かった。
ヤンキー娘の土屋アンナも、頑張っていたと思う。
彼女の場合も、かーなり“地”を感じてしまったが。

それにしても、ジ●スコの扱いが…
だめだ、この先、ジャス●のCM見て笑わない自信がないっっwwwwwww

17歳。
ロリータとヤンキー。
或る意味、現代の底辺部に居る彼女たち。
だが、そのふっきれた様はどうだ。
彼女らは、己の在り様を悩まない。悩む必要がない。
確固たる信念のみが、彼女たちを支えている。
“あたしはあたし”
(ここは“わたし”ではなく、是非にも“あたし”と言いたい)
人生は短い。
明確な意思を持って“あたし”を主張できる時期は、尚更。
それが、“今”なのだという事を、オトメは知っているのだ。
だから、オトメは生産しない。
それが砂糖菓子製にせよオイル味にせよ、ただ夢を食べて生きる。
現実が待ち構えているのは百も承知で、それでも一時の逃避をする時期、それがオトメ。
特に、砂糖菓子ロリータ桃子は、それを理解しつくした上でオトメを生きている。
ふわふわとしたリボンの狭間に、リアルに現実を見据えた毒気を隠しながら。
そのくらい根性据えなきゃ、オトメ稼業はやってられない。
自己中も妄想も暴走も、オトメだからこそ美しい夢になるのだ。
短い一時、命の限りなく蝉のように、目一杯オトメを主張して生きる。
誰もが出来る訳じゃない。
オトメ上等。
そこまで吹っ切れた者のみが、短い夏を謳歌出来るのだ。
この映画は、そんなオトメの姿を、鮮やかに描き出した佳作だと思う。

ゲラゲラ笑って、スッキリして。
だが、見終わって、ほんのり心が温かくなり、勇気づけられている事に気が付く。
格調高く、大上段に構えた作品ではない。
それでも、心に花を咲かせてくれる映画であることは、私が保証します。(と、偉そうに断言)





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最終更新日  2006年04月26日 02時27分11秒
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