ゆきあけのボヤキ

再出発

平成17年9月 作成

~再出発~


とても長く感じられたゆうちゃんの逃亡期間。

毎日何もやる気がしなかった。

ママやサナに申し訳ないことを私はしかかった。

それほど私にとってゆうちゃんという存在は大きくなっていたんだろう。

こんなに尽くしたいと思えた人も始めてだろう。

友達に言われた事がある。

「し~☆がちゃんと言うこと聞いてる!!」って。

今までの私だったら確かに「何でそんなん言われなアカンのよ!」と言ったと思える事も

何故かゆうちゃんの言うことには素直に返事が出来る。

これは自分で思っているだけかもしれないけれど・・・・

実際ゆうちゃんはどう思ってるのか分からないけれど(笑)


“ずっと恋人として付き合う 結婚はしない”と言ったけれど

結婚を考えていないわけでは無いとゆうちゃんは言った。

逃亡前、Jがゆうちゃんに言った。

「これから10年でも先、弟の事が過去の事になってそれからでも遅くないんちゃうの?」

ゆうちゃんは「このままの状態で10年し~☆を好きでいられる自信が無い。」と言った。

早く子供が欲しいと・・・

けれど今の時点ではもう独身でもいい。

この先何年も付き合っていれば周りの環境・気持ちも変わるだろうと。


確かに私達は“結婚”ということに先走り過ぎていたかもしれない。

お互いをもっともっと知り合う必要があった。

3ヵ月半、決して軽い付き合いをしてきたわけではないけれど

もっともっと二人の愛情を深めていく期間が必要だったかもしれない。

“愛”だけでは簡単に消えてしまう絆を“情”でカバー出来るくらいに。


復活から3日後の土曜日。

久しぶりにゆうちゃんが家に来た。

久しぶりに逢えた。

本当は飛びついてしまいたかったけれど、何だか照れくさかった。

まともに顔を見て話すのが恥ずかしかった。

そして“返したモノ”がまた“返ってきた”

引き伸ばして額に入れてあったゆうちゃんの写真2つ。

歯ブラシ。百斤の鏡。カレンダー。

カレンダーには今まで書いた記念日の他に“新 記念日”とさらに書き加えられた。

私の部屋にまたゆうちゃんが戻ってきた。

私がゆうちゃんに返したモノ。

・・・・鍵・・・・

あの時、とても辛く惨めな思いをしたままの状態で鍵は玄関に置かれていた。

私が差し出す前にゆうちゃん自らまた自分のキーホルダーに付けていた。

久しぶりに乗ったゆうちゃんの車の助手席。

私の居場所、そしてゆうちゃんの居場所がこれでまたお互いに戻ってきた。


今はただゆうちゃんといられればそれでいい。

“結婚”なんていつか出来たらいいね、それでいい。

今まで無かった時間を作りたい。

失った時間をこれから取り戻していきたい。

今はただ何も考えず楽しく2人仲良く付き合っていきたい。


【もし戻って付き合ったとしてもし~☆が俺に対して負い目を感じる そんな付き合いは無理】

と逃亡中にゆうちゃんは私に言った。

だからこそ「もう負い目も引け目もこれからは感じんよ?」と言った。

「感じんでいい。」と言ったゆうちゃんの言葉通り、これからは私個人だけの想いで接していきたい。

ちゃんと向き合って付き合っていきたい。

私はゆうちゃんが大好き。

これだけでいいんじゃないの?

ゆうちゃんも私が大好き。

基本はこれじゃないの?

一度も喧嘩なんてしなかった私達。

けれど今回喧嘩以上の出来事に遭遇した。

そしてまた二人で幸せになろうって決めた。


これから先、きっとまた今まで以上の困難が待ち受けているだろう。

きっとたくさんの障害が私達の前にはばかるだろう。


今度こそ二人仲良くつなぎ返した手を離さずに乗り越えていきたい。




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