千石先生
去年の7月ワタシとダンナとワタシらの両親らの6人で、
三重県の鳥羽に旅行に行ったときのこと。。。
朝、ホテルをチェックアウトし、午後2時の特急の時間までの間に
「鳥羽水族館」の観光を入れていた。
小学生のときも数回来ていて、リニューアルされてからは2回目だ。
・・・いや、そんなことはどうでもいい。
入ったすぐの大ホールのところで
「うわぁ、ウミガメってあんな丸ごとキャベツ、ばくばく食うんやぁ!」
とダンナときゃっきゃきゃっきゃ騒いでいたら、ダンナが突然
「なぁなぁ、あの壁際に立ってるあのヒト、あの『動物奇想天外』に出てるヒトちゃうかぁ?」
「えっ?あっ、ホンマやっ!うん、きっとあのヒトやわ!」
↑
(二人して名前が出てこない)
「ほら、誰も気づいてへんで」
(そりゃ、あのヒト、地味だから・・・。よくダンナは気づいたもんだ・・・)
でも会った場所が「水族館」ってのが「らしい」でしょ?
『動物奇想天外』を見たことのある方はご存知だろうが、
そのヒトはあの爬虫類博士の『千石先生』だった。
でも、その時のワタシたちは、どうしてもその名前を思い出すことができなかった。
「せっかくやから写真撮ってもらおうよ」って事になり、
またダンナをカメラマンにして近づいて行った。
しかし、千石先生はどこにでもいそうなタイプのヒトだから、
ひょっとして『ニセモノ』かもしれない。確かめなくては・・・
「あのぉ、あの、『テレビによく出てはるヒト』ですよね?」
・・・今から思えば、なんて失礼な問いかけか・・・。
名前、忘れたってのが、相手にまるわかりじゃないか・・・( -_-)
でもそんな失礼な問いかけにも臆することなくはにかみ(?)ながら
千石先生は「ハイ」と答えてくれた。
「きゃーーーーっっ!!!うれしーーっ!!握手して下さいっ!
(そんなにファンだったっけ(?_?)
あっ、それから一緒に写真撮ってもらってもいいですかぁ?」
「あっ、いいですよ」
気さくで、とてもいいヒトだった。
ワタシはカメラを向けられると、つい「ピース」をしてしまうのがクセなのだが、
それを横目でみた千石先生も同じようにピースでカメラに向かってくれた。
丁重に礼を言い、その後、千石先生は長靴をはいた水族館の職員のヒトに招かれて、
一般客が入れない扉に消えていった。
「やっぱりあのヒトやったなぁ(^-^)」←この期に及んでまだ名前がでてこない
水族館観光後、昼食を食べるため、鳥羽の駅前の一番館というショッピングモールに入った。
その中の居酒屋の店先に飾ってあった地酒の「千石」というラベルを見て、
そのとき初めて名前を思い出した。
後日、授業で生徒達に「千石先生と写真撮ってんでぇ」と自慢すると、
中学生はやはりあの番組を見ている子が多く、すごくうらやましがられた。
「うそぉ。先生、その写真見せて~」
「えっ?いや、あの、そのうちな・・・」
ワタシの頭は、ちょうど千石先生のアタマ一つ分抜け出ていた。いや、それはいい。
・・・あまりにもカメラに向かって喜びすぎているワタシの顔があった。
(つまりジブンでいうところの『失敗写真』ね・・・)