卒業旅行 VI


3日目


朝陽と共に目を覚ますと
私達が寝ていた場所は割り箸の倉庫でした
ここの旦那さんは割り箸の卸しの仕事をしていたのかな?!
そして外の水道を使わせてもらい
若い夫婦に見送られながら旅へ出ることにしました

昨晩泊まった場所からは奈良市の目の前で泊まったので
すぐに奈良市へ入れました
そこで真っ直ぐ東大寺に行き
マラソンで言うチェック地点とも言える場所に寄りました

やはり市内と通るということで
この格好は目立ち
なるべく人を避けて通ろうとしても
人が物珍しそうに見に来る
興味本位で話しかけてきたり
いろいろ失礼な行為を平気でしたりする

血で黒ずんだ足を見ては汚い物を見るような目
そんな目に晒されながら歩く私達
こんなにも人は汚いものなのか
そんな一面が見れたような気がしました

そして南大寺に寄り
さらに南へ
足の痛みは相変わらずで
痛みの感覚が慣れたというべきなのだろうか
少しづつ歩調が早くなりました

そして夕暮れが近付いてきたので
寺を目当てに宿探し
ここでも多くの寺に断れながら
ある寺へ
ここの寺も奥さんにキツク断られて
失意のまま歩いていると
あるおばあちゃん達に会いました

そのおばあちゃん達は私達の事情を聞き
ある寺を教えてくれたのですが
その寺はなんと・・・
さっきキツク断られた寺(笑)

私達はおばあちゃん達にお礼だけを言うと
また宿探しを始めました
もうこの頃は
この旅の定番というべき焼き場を探していました
焼き場というのは亡くなった人を焼いて灰にする場所です

ここの軒下は案外簡単に貸してくれるので
寝袋で寝る私達のような旅には最適な場所です

そんな宿探しの私達の後方から猛スピードでカブ(50ccバイク)が
追いかけて着ました
なんと先程の寺の住職だったのです
そして住職がなんとしても寺に泊まって欲しいと
お願いをして来たので私達はその行為に甘えることにしました
心の中では先程のおばあちゃん達に感謝しました(笑)

そこの寺では本堂の板間で寝てたのですが
食事とか待遇がなかなか良かったです^^


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