風光る 脳腫瘍闘病記

くそがきチェルシー



そこの家にもチェルシーぐらいの子が3人いて子供達は一緒になって遊び始めた。ミッシェルは友達と久しぶりに会ったのだろうか、話に花が咲いていた。

私は話の中には入れず、チェルシー達の所に行ってみた。みんなでおままごとをしていた。私は「コレかわいいね」などと言いながら汽車のオモチャを手に取った。その瞬間、信じられない事が起きた。

チェルシーが私に向かって「I hate you!!」とスゴイ形相で私の顔面にツバを吐いたのだ。

「このクソガキャァ~、なめとんのか!ちょっと来い!」

と言ってやりたがったが下手に手を出して泣かれたら、きっとコイツは「aiがいじめた」などと言うに違いない。コイツはそうゆう奴なのだ。

ミッシェルの前ではいい子ちゃんでいる。英語を出来ないアジア人を召使感覚でしか見てないのだ。

被害者は私だけではなかった。私の他にミッシェル家にステイした日本人は口をそろえて言っていた。

「悪魔の子だよね、チェルシーって」

その点、2歳のステファニーは良かった。人なつこったし朝になると必ず、
「ai、 tea~」←ごはん。などと部屋まで呼びに来てくれた。

後にミッシェルから面白い話を聞いた。私のホームステイが終わって、次の男性日本人がステイしに来た時、ステファニーはその人の事を「ai」と呼んでいたらしい。

ステファニーから英語を教わる事もあった。ある日、車の中でやたらと
「ヤック」と言っている。「ヤック?」私はミッシェルに聞いた。

「What does ヤック mean?」ミッシェルは私に一番分かりやすい英語でこう答えた。「It means NO GOOD」

「no good?」よく見るとステファニーの服が食べ物のシミでよごれていた。
「よくない、イケてない、まずい」そういった意味らしい。

チェルシーは刺青の入った男性を見ては「ヤッキーマン!」と叫んでいた。



© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: