風光る 脳腫瘍闘病記

ウマイッ



「ぐ、ぐるしぃ・・」ふと気が付くと酸素マスクが口元にあてられていた。

私はマスクを外した。少し楽になった気がする。しばらくしたら看護婦さんがきて「血液中の酸素が少ないからもう少ししててね」とまたマスクをつけられた。

「ぐるじぃ・・」本来なら酸素マスクで楽になりそうなもんだけどホントに苦しかった。マスクを外した。やっぱりこっちの方が楽だ。しかし、また看護婦さんがきてマスクをあてていく。そんなやりとりを3~4回繰りかえした。

メチャクチャのどが渇いてきたので看護婦さんに「お水下さい」と頼んだら「もうちょっと我慢しててね」と残酷な答えが返ってきた。

もう36時間、水分を取ってない。最悪な状態がその後、1時間は続いた。ようやくマスクも外してもらい私はガンガンに冷えたお水をもらう事ができた。

「生き返ったぁ~」あんなに美味しいお水を飲んだのは生まれて初めてだ。

術後は集中治療室にいたが状態が安定した為、午前中に部屋に戻る事になった。


「おかえり~愛ちゃん」病室のみんなが出迎えてくれた。

「ららいまぁ・・」と声にならない言葉で答えた。ここから私の長い入院生活が始まったのである。


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