風光る 脳腫瘍闘病記

検査結果



私はめちゃくちゃ緊張していた。次々に研修医が集まってきた。気がつけば6~7人の研修医がベットの周りを囲んでいた。ちょっとした勉強会になっている。

「ちょっと、待ってよぉ~すごく怖いんだけど」

「大丈夫、僕、うまいから」とスッギーが言った。

「へッ?スッギーがやるの?」「S先生じゃなくて?」話ではS先生がやる予定だった。研修医が見守る中、骨髄液の採取が始まった。

背中をまず消毒して、麻酔薬が打たれた。

「はい、じゃあ、背中をエビさんみたいに丸くして」私は言われた通りにした。「あ~緊張するぅ~痛くしないでね」

「大丈夫、麻酔効いているから」ホントに麻酔がきいていたおかげで全然痛くなかった。私は採取したばかりの骨髄液を見せてもらった。

「へぇ~すごい、こんなに透明なんだ。もっと濁ってるのかと思った。まるで、水みたいじゃん」

「濁ってたら死んでるって」
「悪い細胞がいなければいいんだけどね」

午後になって脳のMRI検査が始まった。頭を固定され、さらにあごをベルトで固定され、めちゃくちゃ苦しかった。それが40分も続いて、私は気が狂いそうになった。

「も~脳のMRIなんて絶対やんない!」心に強く決心した。

後日、骨髄液とMRIの検査結果がでた。脳のレントゲンフィルムが貼りだされていた。自分の脳を見るのは初めてだった。

「キレイな脳ですよ。異常は見られませんでした。骨髄液も問題は無かったですよ」

私はホッとしたが、それもつかの間。先生が

「放射線治療はやっときましょう」

「頭の方は脳外科の先生と話した結果、やらなくても大丈夫だと思います」

「とりあえず、明日、放射線科の診察を受けてください」

放射線かぁ・・・まだその時は放射線がどの様なモノかまったく知らなかった。


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