戯言屋 六華亭

戯言屋 六華亭

Erotic Plants


『Erotic Plants』



絡みつく濃厚な夢
咲き誇る妖香の華
曲線と翳に縁取られ
幻の現(うつつ)にいざなう


その緑は刃となり
その花弁は肌となる
毒のような甘さで
薄絹が風にたゆたう


幾何学的な企みは
オパールのように艶めき
従えた光輪は眩暈を誘う


『水』と『オイル』で描き出された
『自ら』の『老い』を封印した女神
風景に同化する艶やかな髪を伸ばし
この世の全ての美を吸い上げて・・・


季節に遊び
宝石を食み
花と戯れ
星を数える

静謐な狂気と
誇り高き邪念
人々の賞賛は
銀のスプーンでくるくるとかき乱され
煙草の煙と共に消えて行く


それは棘(いばら)ではなく 蔦の檻
捕らえた者を傷つけることなく
奥深く閉じ込めて魅了するための・・・。


女神であることを運命とする創られた花よ
その柔らかな口唇で この世を嘲笑え!







      2005年2月  『ミュシャ展』を観て・・・


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