雑読と料理と勉強と

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線分図の描き方

線分図の描き方
~問題文で書かれていることをそのまま順に少しずつ~

さて、まずは、
例題1)「黒と赤の2冊の呪文の本があります。黒い魔本のページ数は赤い本の魔本3倍より10ページ多く、2冊の本のページ数は合わせて170ページです。黒い魔本のページ数は何ページですか?」
にとりかかりましょう。

線分図を描く手順は次の通りです。

1)片方がもう一方の3倍の長さになるように2本の線を描きます。
このとき、 「3倍」という関係が山型などできちんと図に記されていること が大切です。

2)次に問題の通りに、長い方の線に「10ページ」を示す長さを追加し、「あわせて170ページ」という情報を書き込みます。
いかがですか? 同じような図が描けていますか?

描きあがった図を見て、 「10ページの部分が邪魔だなぁ」 と感じることが大切です。

そう感じることができたなら、 邪魔な部分をとってしまいましょう
「10ページ」をなかったことにして図を良く見ると、

山があわせて 3+1=4個  あり、
これが  170-10=160ページ  にあたることがわかります。

したがって、 山1つ分の量は 160÷4=40ページ ということになります。

ここまでわかれば、 黒い魔本のページ数は山3つ分と10ページ ですから 40×3+10=130
となって答は 130ページ になります。

では次に、
例題2-1) 「サッカー部と卓球部の部員数は去年、それぞれ70人、10人と7倍の差がありました。しかし、今年なんと同じ人数の新入部員が入部したので、サッカー部の部員の数は卓球部の部員の数の3倍になりました。新入部員の数は何人だったでしょうか」

という問題です。 さっそく線分図に表してみましょう。

1)片方がもう一方の7倍の長さになるように2本の線を描きます。
例題2-1-1
2) 「同数の新入部員」を示す長さ を、 「それぞれの線の左側」 に書き足して、「3倍」の関係になるようにします。
例題2-1-2
3) 新入部員の人数を「左側に書き足した」 のは去年と今年で、それぞれ同数の新入部員が入ったから、つまり 「人数の差は変わっていない」 からです。線の左側に書き足せば、「人数の差を表す長さ」は変わりませんよね。
その変わっていない差70-10=60人を図に描きこみましょう。
例題2-1-3
以上で作図はおしまいです。

描きあがった図を見れば、 山2つが60人にあたる ことがわかりますね。
式を書いて答えを求めてみましょう。

この問題の答えは、20人となります。

さて、最後に例題2-2)
「姉の持っている水晶の数は妹の持っている水晶の数の3倍でした。姉が妹に3つの水晶を上げたところ姉の持っている水晶の数は妹の2倍になりました。姉がはじめに持っていた水晶の数はいくつですか?」
にとりかかりましょう。

実は 「あること」に気が付くと、シンプルな図がかける のですが、まずは基本にのっとって問題に書かれている通りに線分図を描いていきましょう。

1)片方がもう一方の3倍の長さになるように2本の線を描きます。今回は 「3倍の関係」を数字に○をつけて表してみました
例題2-2-1
2)姉の線から 「3つ」をあらわす長さを短くした線 と、妹の線に 「3つ」をあらわす長さを足した線 を、 姉が妹の2倍になるように 描きこみます。
「2倍」の関係は先ほどの「3倍の関係」と区別するために数字に□をつけて表します
例題2-1と違って、片方は短くなり、片方は長くなるので、 図の右側 を使って表してみましょう。
例題2-2-2
ここまで描けましたか?
これで問題で述べられていることはすべて図に書き込まれました。

ここからは、この図に手を加えながら考えていきます。
これが「応用」ということですね。

3) ○数字は3と1、□数字は2と1 で、何度図を見てもうまく比べることができる部分がありません。
そこで、 妹の図を丸ごと2倍 してみました。ここで、 □数字の2 が揃いましたね。
例題2-2-3
4)□数字が揃ったので、今度は ○数字の分を図の左側に寄せて1+1=2 としました。同時に 「3つ」を表す部分はそのまま右に 寄せています。
例題2-2-4
ここまで描いた図を見て何か思いつきませんか?
そうです、 「3つ」の山の3個分、すなわち「3×3=9つ」が○数字の3と2の差すなわち○の1にあたる ことがわかるんです。

あとは式を書いて答えを求めるだけですね。
姉が最初に持っていた水晶の数は27個だったんです。

それでは前に書いた 「あることに気が付けばシンプルな図が描ける」 というのはどういうことでしょう。
実は 問題文にははっきり書かれていませんが、「姉と妹の持っている水晶の数の和」はずっと変わらない んです。
今度はこれを使って別の図を描いて見ましょう。

1)1本の長い線を描いて、それを姉の分が妹の3倍の長さになるように区切ります。
例題2-2-5
2)次に同じ線を、今度は姉の分が妹の2倍になるように区切ってみます。
例題2-2-6
3) 区切りの線が2つ できましたが、この部分が実は 「姉が妹に渡した3つ」 にあたるんです。
例題2-2-7
それではこの図を見て考えて見ましょう。

姉は初め、 二人の水晶の数を合わせた数の 3/(3+1)=3/4  を持っていたことがわかりますか?

それが、 「妹に渡した3つの水晶が減った」ために 2/(2+1)=2/3  になったのです。

したがって、 「3つ」は「二人の水晶の数の和の 3/4-2/3=1/12  にあたることになります。

ここまで考えられれば後は

3つ÷1/12=36 … 二人の水晶の数の和
36×3/4=27 … 姉が初めに持っていた数

なって答えを出すことができました。

このように、 1つの問題でもいくつも図の描き方がある ことがあります。
テキストの解答を見た時に、自分が描いた図と全く違った図を使って問題が解かれていたら「ラッキー!」と思ってください。
いろいろな図の描き方を知ることが、自分で図を描く際にも必ず役に立ちます から。

今回挙げた例題を、全く違う図で解いた方は是非お知らせください。
「別解」として紹介させていただきますm(__)m


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