座 禅 猫

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夕蛍 朝の祈り(7月8月)

夕蛍(05年7月) 朝の祈り(8月)



夕蛍(05年7月)



†雷がどすんと落ち猫ぽんと飛ぶ(5日)

†いこかもどろか扉の前の雨蛙(6日)

†恋のうた奏でる光夕蛍(7日)

†焦がす身と聞けど蛍のひややかさ(7日)

†花わたりはちどりふわりとる「子」の字(14日)

†遠雷や自信などもてるはずもなく(23日)

†ひとつぶの蛍の光の目指す空(31日)

†文月につきるまばらの蛍かな(31日)



朝の祈り(8月)



†朝まだき祈りの道や芝香る(1日)

†皮むけば笑顔こぼるるまきびかな(2日)

 奥山にもみじ踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき から
†花園に露踏み分けてしかあれど蚊に食われたる時ぞ悲しき(2日)

†夏の霧肌に染み込む野行かな(5日)

†朝の空高く受け入る主の変容 (6日 主の変容)

†雲からの声に秋虫唱和せり(6日 主の変容)

†幾万の霊(たま)引き上げて空高し(7日)

 jiqさん 「長崎のステンドグラスにあの記憶」に
†浦上の記憶ガラスに透ける風(9日)

†朝ミサのチャペル出でれば雨上がる甘き野の香に感謝今日の日(13日)

 on Pope's statement about calling divorced Catholics but uphold sacrament.
†招けども与うることを禁ずとは主の食卓と思うこと得ず(13日) 

 按尚さんの日記を読んで
†立ち止まり止りつつ見る山々はみそら近くに想いいざなう(13日)

†投げかけて言葉返らず真夜中の部屋にぽつんと取り残されて(14日)

 余白さん「師とかわす被昇天祭悲喜の酒」に
†被昇天そそがる悲愛酌み交わす(15日) 

†子なければ口をつぐめりきりぎりす(19日)

†きりぎりす男だったらいいものを(20日)

†カナダから来る風とか涼新た(20日)

†投げかける夏木の影や夕陽入る(21日)

†道真直ぐ流るる木々の葉月かな(21日)

 はらだたしきもの (日系古本店にて)
†古書店に読みたき本の下巻のみ(21日) (`ヘ´#)/!イライラ

†りすみたい、と
 泣いたあの秋
 りすのように、と
 思えるような
 この秋

 余白さんの五行詩を読んで
 「ぜいたく言ったら
  きりないと
  平凡な結論に
  落ち着いていく
  秋」


†修服や秋澄む乙女の祈る朝(22日)

†テレジアのバラに差す日や秋の朝(22日)

†行き合わす喧嘩にそらすぎぼしの目(22日)

†立ち尽くす男は知らぬざくろの実(22日)

 洗礼者ヨハネの殉教
†明けぬ夜の聖者いたみて草の露(29日)

 余白さん「落人の首にあきつが箒川」に
†せせらぎに草の涙か露時雨(29日) 

 井上神父様へ
†つくもともももともさきくありましてこのしきしまの羊ひきませ(29日)

†杯に無明預けて六夜待ち

†照らされて二十六夜の闇くきり

†二十六夜は傾きて闇を抱く

†傾ける月杯に干す無明(30日)

 余白さん受洗礼記念日
†洗わるる水を思いて残暑ゆく(30日)

 八月最後の日、夜明け前秋の風に当たって
†線一本引く秋冷や歩を進む(31日)



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