ザ・スーパー・ポップ宣言

スーパーポップ6

洋楽スーパーポップの世界(6)

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【 ポップ偏差値 60

Lena Andersson / Hej du glada sommar (Tie a Yellow Ribbon)'73



主に1970年代初期に活躍したスウェーデンの女性歌手レーナ・アンダーソンによる邦題「幸せの黄色いリボン」としても有名なDawn featuring Tony Orlandoによる1973年の世界的ヒット曲のカバー。日本盤が出たり後に同郷のABBAのバックコーラスに参加したこともある可愛い子ちゃんタイプの歌手の模様。元歌は刑務所を出所した男が「もし自分の帰りが望まれるなら、木の幹に黄色いリボンを結んでおいてほしい」という手紙を出すという、なんとも泣かせる歌詞が有名ですがメロディは明るくポップで実にキャッチー。世界的ヒットになったのも納得の内容ですね。当カバーは可愛らしい女性声で歌われており、更に耳に馴染みの薄いスウェーデン語というのが新鮮。そして最大の聴き所がサビでオリジナルとは違いコーラスがユニゾンで加わっている箇所。躍動感と瑞々しさを感じる演出でなかなか感動的です。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ユニゾン) ポップ偏差値合計
7
6 7 6 6 8 8 7 5 60



Marshall Tucker Band / Heard it in a Love Song '77 「Carolina Dreams」



アメリカのサウスカロライナ州で結成されたサザン・ロック/カントリー系のバンド「マーシャル・タッカー・バンド」の77年のヒット曲。ビルボードチャートで14位を記録した彼ら最大のヒット曲ということになります。シングルテイクは短いのでアルバム収録バージョンがお勧め。

爽やかなフルートのイントロで始まるこの曲は、カントリー風だけど幾分洗練された曲調のポップロックという感じ。牧歌的で明るく陽気で悩みとかな全く無さそうな雰囲気がいいね。幾分速いテンポの曲調にピアノの絡みも心地よい。この曲のことは個人的にはつい最近ビルボードのヒット曲を全て聞いていく過程で発見したんだけど、77年というとセックスピストルズ全盛の年。その当時この曲に出会っていたら「ダサいファッションをしたバンドの緊迫感に欠けるユルくてヌルい曲」ぐらいに思ってただろうなあ。

「YOU TUBE」 で聴けます。 ライブ映像 もどうぞ。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(カントリー) ポップ偏差値合計
7
6 7 7 6 8 7 7 5 60


原由子 / LOVING YOU '81 作曲編曲HARABOSE 「はらゆうこが語るひととき」



サザンオールスターズの原由子のソロシングル「うさぎの唄」のB面曲。アルバム「はらゆうこが語るひととき」やベストアルバム「LOVING YOU」にも収録されています。元気いっぱいという訳ではないけれど爽やかでポップ感のある良曲。

作曲、編曲はHARABOSEというバンド名になっていますが、メロディを聴けば分かる通り桑田佳祐の作曲能力が如何なく発揮された内容なので実質彼のワンマンバンドってところでしょうか。81年はサザンのアルバム「ステレオ太陽族」が発表されたのと同じ年でもあり、音的にも初期の泥臭さが取れて一気に洗練されてきたシティポップ風味が似通っています。加えてヴォーカルが原由子ということで癖のある桑田佳祐のヴォーカルよりもかなり聴き易くなっているのが特徴的。

爽やかでどこをとっても良く出来た高品質な極上メロディに透明感のあるヴォーカル。桑田佳祐のヴォーカルが随所に挿入されているのもいいアクセントになっている感じ。後半のスキャットや二人で掛け合い盛り上がる様もいいね。知名度が低いわりに原由子のソロ作品は(全面的に桑田佳祐がバックアップしているが故に)素晴らしいものが多いので、ポップ好きには是非一通りチェックして欲しいものです。(「YOU TUBE」などには音源があがっていませんのでご注意を。)

ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS / HOW MUCH I LIED '81 「ALMOST BLUE」



エルヴィス・コステロの81年のアルバム「ALMOST BLUE」収録曲。このアルバムはカントリー・ミュージックのカバー・アルバムという位置づけのようですね。発売当時はてっきりコステロのオリジナルばかりかと思っていました。曲はアメリカのカントリー・ロックのミュージシャン、グラム・パーソンズのデビューアルバム「GP」収録の「How Much I've Lied」のカバー。 オリジナル はのどかで牧歌的な雰囲気のアレンジで、古き良きアメリカって感じですね。

対するコステロ版はピアノを主体の洗練されたポップなアレンジで土臭いカントリー色を感じさせない。よく思いついたなと感心させられますね。そして、情緒たっぷりに甘く悲しげに歌い上げます。ピアノの音色と相まって心に染み入る名曲に変貌した感じで、カバー大成功ですね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

SPECIALS / DO THE DOG 「SPECIALS」'79



イギリスのスカ・バンド、スペシャルズの1STアルバム収録曲。60年代にジャマイカのローカル音楽として栄えたスカ・ミュージックが70年代後半、イギリスの白人系バンドによってロック調というかパンク調にアレンジされたものですね。当時流行したパンク音楽との融合とともに、そのツートーン(白黒)ファッションも話題になりました。日本でも流行ったようですが、ほんの一時期、ごく限られた地域でだけだったんじゃないですかねえ、ツバキハウス辺りとか?

曲はオリジナル・スカをより性急にしたスピード感のあるもの。溌剌としたドラミングも効果的でグルーヴィーなサウンドにメリハリを添えている。早口リードに黒人のスキャットとヴォーカル・ワークも凝っていてサウンド含めて情報量が凝縮されているようで聴き応え十分。2分弱でバッチリ決めているところもパンクだね。当ブログでは「洋楽ポップ」コーナーでの扱いになったけど、少しハードでとっつき難いかも。

「YOU TUBE」 で聴けます。 79年のライブ もイイ感じ!
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(性急なスカ) ポップ偏差値合計
7
7 6 8 8 7 7 7 3 60


【もうすぐランクイン】

竹野屋セントラルヒーティング(世良公則) / 恋のバカンス '80



竹内まりや、山下達郎、桑田佳祐、世良公則、ダディ竹千代の5人の即席バンドによるザ・ピーナッツのヒット曲の1980年のロック調カバー。各人が代わる代わるリードをとるスタイルで正式な販売はされていないものの山下達郎SSBなどで頻繁にオンエアされているマニアには有名な曲。オリジナルは暗くて個人的趣味ではないので、本バージョンも毎回軽く聞き流していたのだけれども、山下達郎、桑田佳祐らのヴォーカルに混じる世良公則のヴォーカルがやけに耳に残る。というよりも抜けて良く、ここでの歌唱は絶品中の絶品ですね。大仰にタメを効かせた太い歌声は迫力があり、伸びやかで張りがありよく通る。そしてあたかも歌舞伎俳優のように芝居がかった唱法が演歌風の秀逸なメロディと相性抜群。世良公則の最高の嵌り曲なのではないでしょうか。世良公則&ツイストで一世を風靡しロックボーカルとして活躍してきた彼だけど、洋楽などを嗜好する音楽グルメな方々にはそっぽを向かれている感があります。こういう絶唱を聴くと自作曲やロックにこだわらず、もっと黄金旋律と呼ばれるような世界的名曲を歌って欲しいと強く思います。ソウル、特にディープソウル系の名曲と相性が良さそうな気がしますがいかがでしょう?せめてこの「恋のバカンス」のフル歌唱バージョンが聴けないものですかねえ。

「YOU TUBE」 で聴けます。

Willie Nelson / All of Me '78 「STARDUST」



戦前1931年製作のポピュラーヒットを1960年代初頭から活躍するカントリーの大御所ウィリーネルソンがカバーしたカントリー。Booker T. Jonesがプロデュースとアレンジを手掛けた1978年のアルバム「STARDUST」収録曲。当ブログでは ドゥーワップの隠れた名曲カバー KING ODOM FOUR / ALL OF ME としても取り上げましたが、オリジナルはFrank Sinatra、Paul Ankaといった人気歌手など、実に628ものカバーが存在します。約一世紀に渡りカバーされ続けてきた将に名曲中の名曲で、個人的にも大好きなメロディです。ウィリーネルソン版はカントリー風なギターが目立つ程度の非常に質素なサウンドが特徴的。そこにウィリーの暖かみのある少し感情を抑えぎみの枯れた風情の歌声がのるんだけど、なだらかで綺麗ながらも少し悲しげな甘酸っぱいメロディと実に相性が良く、将に素朴なカントリーここに極まれり!といった名曲となっています。メインフレーズをギターが奏でる間奏とエンディングも簡素な演奏ながらも実に美味で感動的。どこまで計算してこういう内容になったのかは分からないけれど、カントリーギターとの相性も抜群ですね。派手さがない分聴けば聴くほど味が出る名曲という気がします。尖った音楽ばかり聴いてきた音楽人生で、どちらかというとカントリーなど敬遠してきた口だけれど、カントリーでも相性次第でこんな名曲が仕上がるんだ!と認識を改めた次第。

「YOU TUBE」 で聴けます。

EDWIN STARR / Raindrops Keep Fallin' On My Head '70 「War & Peace」収録



世界有数のメロディメーカー、バート・バカラック作曲による1969年のB.J. Thomasの世界的ヒット曲のカバー。非常にカバーの多い曲ですが、原曲に忠実でゆったりとしたテンポの大人しいカバーが大半です。本曲は翌1970年の黒人歌手EDWIN STARRによるカバーでモータウン産。大勢に反してスピーディで躍動感のある異色の内容となっています。かなりテンポアップしたしっかりとしたリズムをベースにホーンやストリングスなどを添えた華やかなサウンドが特徴的。コーラスもふんだんに導入され流石モータウンという感じの実にポップな出来。個人的感想としてはエドゥインの歌唱はあまり輝いているとは感じず、オリジナルのメロディをこの速度で歌うのは相性的に多少難しかったのかなと。サウンド的には面白いのでもっとインスト部分を聴かせる内容の方が良かったかも知れませんね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

Rosetta Stone / (If Paradise Is) Half As Nice(二人のパラダイス) '77



当ブログ激推しのキング・オブ・ポップ・グループ、ベイ・シティー・ローラーズに一時期在籍していたイアン・ミッチェルが結成したイギリスのアイドルバンド、ロゼッタストーンの2NDシングル曲。当時のBCR人気に便乗という感じで、「二人のパラダイス」として日本盤も出てました。オリジナルは1968年のイタリアのグループLa Ragazza 77によるIl paradiso della vitaでイタリア語のバージョン。これを1969年に(If Paradise Is) Half as NiceとしてイギリスのバンドAmen Cornerが英語変換してカバー。そしてこのバージョンをカバーしたのがロゼッタストーンということになる模様。

オリジナルやエーメン・コーナー版はゆったりした曲調でメロディの良さは際立つもののいまいちキャッチーさに欠ける感じ。それに対しロゼッタストーン版はヴォーカルの瑞々しさとポップなアレンジでかなりキャッチーな出来に仕上がっている。奥深い内容ではないけれど、まさにBCR路線追随による成功という感じで個人的にはこの曲の最良バージョンだと思います。ただ二流アイドルグループの性という感じで人気凋落と共にこの曲が脚光を浴びることは二度となかったし、今後もその気配なしという感じで歴史のかなたに埋没してしまったのが寂しいですね。いつか再び発掘されるといいですね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

La Ragazza 77 / Il paradiso della vita オリジナル

Amen Corner / (If Paradise Is) Half as Nice

Debutantes / (If Paradise Is) Half As Nice もなかなかポップ。

Matthias Lens / Samen uit samen thuis '15



ベルギーの歌手&アコーディオン奏者のマティアス・レンズによる1984年の NICK LOWE / HALF A MAN AND HALF A BOY のカバー曲。2015年の彼の3RDアルバム「Samen Uit, Samen Thuis」収録曲。ベルギーということで公用語であるフラマン語(オランダ語)で歌われているようでオリジナルと違った聴感が楽しめる。また、それ以上に大きな特徴としてオリジナルではシンセで奏でられていた特徴的なフレーズが、アコーディオンで奏でられていること。また随所にアコーディオンが入ることで曲の持つ楽しい雰囲気が割り増しになった感じ。アコーディオンはこの曲の雰囲気とうまくマッチしていてカバーとして30年も前のこの曲を選択したことは実に的確という感じですね。ただ他の楽器がいまいち気合い不足なようで少し物足りない。折角の嵌り曲なのでもっとしっかりしたバックで録音して欲しかったかな。(こちらの ライブ ではバンド編成で二人の女性コーラスまで付いてる・・・)

「YOU TUBE」 で聴けます。

明るく剽軽な雰囲気の好青年という感じで 一人ライブ も楽しい雰囲気で好評っぽいですね。

Connie Mac(麥潔文) / Ru Hei Shan Gao Xi Ren Ye (路黑山高錫人夜) '86



1986年のConnie Mac(麥潔文)という香港の女性歌手による1983年の Electric Light Orchestra / Rock 'N' Roll is King のカバーで彼女の7枚目のアルバム「麥潔文」収録曲。Lu Hei Shan Gao Xi Ren YeとしてREMIX版が「BTB 3EP Connie Mac + Cally Kwong」というアルバムにも収録されてます。香港製ということで広東語で歌われているようですが、オリジナルと異なり女性歌手かつ非英語によるカバーということで、かなり異国情緒漂う作品となっている。ぶっちゃけオリジナルに馴染んだ日本人からすると発声がかなり「可笑しい」。特にサビの「Wama-lama bama-lama」の部分をわざわざ広東語に訳して「シンコ シンコ シンコ シンコ」と歌う所が笑えるんですけど。更に1分37秒のところの「フッフゥー♪」と能天気に煽るところも味わい深い。

そもそもがロックンロールの愉快で楽しい雰囲気が売りのオリジナルですが(当ブログでも 妙味有るポップセンス E.L.O.(Electric Light Orchestra) / Rock 'n' Roll Is King として紹介済み)「可笑しい」要素を加えたことで完全にロックを舐めた感が強調されましたね。(ロック舐めてる系としては当ブログ既出の ロックは死んだ エンジェルろっけんろー エンジェル隊 ご参照)香港では何かの音楽の賞をもらったり最近になっても複数の 集団で踊ってみた動画 がアップされていたりと日本では考えられないような盛り上がりをみせているみたいです。

「YOU TUBE」 で聴けます。
ライブ映像 もどうぞ。

Dave Edmunds / Do You Want to Dance '85



85年のアメリカの青春コメディ映画「Porky's Revenge!」の挿入曲で同サントラ収録曲。シングルカットもされています。オリジナルは1958年のBobby Freemanのヒット曲でその後1964年のフォーシーズンズなど実に100曲以上のカバーバージョンがあります。本バージョンは基本的にビーチボーイズを踏襲したバージョンだけど、1985年製ということもあり、より洗練された華やかなバージョンとなっています。基本的に明るく元気なロックンロールだけど、楽しい雰囲気が60年代オールディーズな趣きがあってイイですね。日本では何といってもおニャン子クラブをメインに据えたTV番組夕やけニャンニャンの使用曲として有名でしょう。毎回番組最初のCM突入前に数十秒使われるのだけど、明るく楽しく華やかな番組の冒頭を飾るに相応しい将にうってつけの曲でした。(使用例: 夕やけニャンニャン 1986年05月23日(金) 6分9秒からのところ)いきなり始まるテンションの高いキャッチーなサビが特徴的だけど、その後の展開は単調なので奥深さが皆無なのが残念なのとあまりのキャッチーさゆえに飽きやすいのが玉に瑕かな。その意味では夕ニャンの冒頭で一瞬だけの使用というのは理に適ってましたね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

EDDIE REEVES / CRY BABY '61



テキサス出身で60年代に活躍したシンガーソングライター、エディリーブスのデビューシングルのB面の曲。当ブログ既出の Kenny Rogers & Dottie West / All I Ever Need Is You の共同製作が作家として一番有名な仕事みたい。つまりあまり有名ではないみたいです。いわんや歌手おやということで。曲は60年代初期という感じの純朴なオールディーズ・ポップス。(明るく元気な曲ではないですけど。)泣く赤ちゃんをあやす内容の曲でしょうか、甘く優しい曲調で唱法や声質もそれに準じた感じ。サビは特に大したことはないのですが、Aメロの「ウォッホ、ホッホ、ホッホ」とファルセットぎみに唄うところが個人的にドツボ。この甘ったるさは凄い!所謂甘茶ソウルに通じるものがありますね。

これまでオールディーズは山下達郎のサンデーソングブックまかせで、あまり積極的に聴いてこなかったんだけど、最近集中的に聴きまくったら結構いい曲が沢山見つかります。この曲は「YOU TUBE」で「Rare Rock N' Roll Tracks Of The '50s & '60s Vol. 3」というコンピを聴いていたら「何これ?!」と偶然発掘できた曲。検索してみても山下達郎も大滝詠一も未オンエアのようで、特に国内で取り上げられた様子もないんですよね。オールディーズ・ファンにも特に注目されてこなかった曲という感じでしょうか。この唱法は達郎さんも好きそうですけど。

「YOU TUBE」 で聴けます。

ROBERT WYATT / STALIN WASN'T STALLIN' (Rough Trade 046)'80



元ソフトマシーンのドラマー&ヴォーカルのイギリス人、ロバート・ワイアットの1981年のソロアルバム「Nothing Can Stop Us」収録曲。シングルとしては80年にラフトレードから出ています。曲は大粛清などの恐怖政治で有名な元ソ連の最高指導者スターリンについて歌ったもの。歌詞にはヒトラーなども出てくるので、恐らくは皮肉を込めた政治的な内容と思われます。当然ヘヴィな内容と思われますが意外にも曲調はポップ。スタイルはアカペラでメロディは情緒的な感じ。ハミング風のコーラスなど厚みのあるコーラスを伴い教会歌的雰囲気もあるけど、スピード感とキャッチーなメロディでかなり聴きやすい。これ、歌詞がダイレクトに入ってこない日本人だからこそ楽しめる曲なのかも知れませんねえ。

「YOU TUBE」 で聴けます。

Dexys Midnight Runners / I Love You (Listen to this) '85 「Don't Stand Me Down」



1982年に世界的ヒット「Come On Eileen」を出したイギリスのロックグループ「デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ」の1985年の3RDアルバム収録曲。「カモンアイリーン」のキャッチーで軽やかなグルーヴはフリーソウルシーンでも受けたけど、個人的にはこの曲のみの一発屋かと思ってましたけど違いましたね。曲はやはりスピード感のあるポップロック。ピアノやホーンを交えたサウンドは軽快で少し湿りがちだけどメロディもなかなかのもの。シングルカットはされていないので隠れた名曲と言えるかも。リードのKevin Rowlandは曲作りもやっているのでなかなかの才能って感じですが、ソロアルバムではハードなゲイっぽい格好をしているからフレディ・マーキュリーとかその系統の人なのかも。

「YOU TUBE」 で聴けます。
プロモ映像
スタジオライブ

BRIAN ENO / HERE HE COMES 「BEFORE AND AFTER SCIENCE」'77



環境音楽の大家ブライアンイーノがそれに走り出す前に発表した1977年のアルバム「BEFORE AND AFTER SCIENCE」収録曲。当ブログの洋楽ポップというテーマとは少し離れた感じもありますが、プログレやロックの世界観をキャッチーに仕上げたという点において実にポップな作品だと思います。 イーノの非日常感は異常 ON SOME FARAWAY BEACH にも書きましたが、イーノの冷静で達観し、将に仙人や神の領域に達したかのようなヴォーカル、メロディ、サウンド群の俗世離れ感は尋常ならないものがありますね。そしてそれらは決して独りよがりではなく説得力と感動があり、聞く者に哲学的考察を呼び起こすかのような奥深い内容をもった素晴らしい作品でもあります。特に「Another Green World」収録の「I'll Come Running」、以前 セレクト大会でも取り上げた「Golden Hours」 や「Before and After Science」収録の「Here he comes」、「By this river」、「Spider and I」などはどれも素晴らしい。個人的にそれらをセレクトしたMDはきっと死ぬまで聴き続けると思います。それほど色褪せぬ普遍性とエバーグリーン性があると思いますね。

私が言うまでもなく世間的な評判も高く、Windows95の起動音に彼の音が採用されたり。それと当時の宣伝文で『今アメリカのインベーダーゲームでUFOを打ち落とすと「ENO IS GOD」という文字が現れる!』というのを見たんだけど、ネット検索してもそのような画像や文章が見当たらないんだけど真偽は如何に。曲はミディアムテンポの明るめの曲。暖かい陽光が射す平和な雰囲気を持った曲だけど、やはりどこか非日常感と俗世離れ感があります。メロディもキャッチーで心が洗われるよう。あたかも自分自身が解脱し無我の境地にでも達したかのような錯覚を覚えます。この曲を作った時のイーノは29歳ぐらいなんだけど、ほんと神過ぎる・・・。

「YOU TUBE」 で聴けます。

BAY CITY ROLLERS / DON'T LET THE MUSIC DIE (ハートで歌おう) '77 「It's A Game」



70年代に世界中のティーンを虜にしたイギリスのアイドルグループ、ベイシティローラーズの77年の7枚目のアルバム収録曲。wikipediaを見てみるとこの7枚目のアルバム「It's A Game」のチャートアクションは本国イギリスでは18位と振るわず世界的には日本でのみアルバムチャートで1位を獲得しています。アイドルグループということで本国では飽きられてしまった時期という感じですかねえ。ただ作品的にはこのアルバム「It's A Game」までは素晴らしい出来の曲が多くポップ好きならば是非アルバムを通して聴いて欲しいところ。BCRは今でも毎月聴くほど大好きなグループだけど、アイドルグループだったということもあり音楽的評価が著しく低いのが悔しくてならないですねえ。個人的には「BCRが好きだ!」と言える人間は信用できるな(笑)。

曲は5分47秒と長い大仰なバラード。甘いメロディにレスリーの甘い歌声と良く出来たメロディ。これが 「ANGEL BABY」 同様、エリックとウッディによるメンバー自作曲というのだから驚かされる。(もしかして他人の曲を買い取ったのか?とも考えたんだけど、きちっと他人名義の曲も相当数存在する。)そして、売れに売れたグループだけあって予算も相当あったのだろうか、豪華なオーケストラを導入したバックの演奏が実に素晴らしい。品の良いストリングスをはじめ、時折鳴り響くピアノの音色も切なくてイイね。全体としてのバランスも申し分なく、非常に感動的な出来になっています。因みに曲の最後が「DIE~」で終わるけど、特に一番最後の感じなんかはバカラックの名曲(オリジナルは68年のDanny Williams版) 「This Guy's In Love With You」 が元ネタになってるんじゃないかと思うんだけどいかがでしょう。

「YOU TUBE」 で聴けます。

BAY CITY ROLLERS / ANGEL BABY 「ONCE UPON A TIME」'75



70年代に一世を風靡したイギリス出身のアイドルグループ、ベイシティローラーズ。当ブログでも既に、 「SUMMER LOVE SENSATION」 「ひとりぼっちの十代(MY TEENAGE HEART)」 「I ONLY WANT TO BE WITH YOU (二人だけのデート)」 の3曲を取り上げていますが、他にも紹介したい良曲、ヒット曲が多数ある非常に優れたポップ・グループです。「キング・オブ・ポップ」という呼び方が有るけど個人的にはNO.1が圧倒的にBEATLESで、彼らをロックと考えるのならば、ABBAとBCRが1位を競ってる感じかな。それで3位がQUEENと。BCRは10代の女の子に大騒ぎされたグループだからと馬鹿にしている音楽ファンが大多数派だと思うけど、そうした先入観から彼らの音楽的価値を見損じている人が多いだろうことを残念に思いますね。(漫画は本秀康氏のレコスケくんより)

曲は「RONETTES / BE MY BABY」を意識したトラック使用の情緒的なバラード。音壁的にはカスタネットが目立つ程度で、特にドラムスにもう少し重量感が欲しかったかな。ただこの曲はメロディがいいんですよねー。甘酸っぱいメロディにレスリーの過剰なまでに情に訴えた唱法。子供の頃聞いた時は甘すぎるなあって感じだったけど、高齢になって聞くと心に染み入ります。メンバーによる自作曲であるところも彼らが単なるアイドルグループでないことを証明していますね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

ROD STEWART / YOUNG TURKS '81



ロッド・スチュワートの81年のヒット曲。82年のビルボードの年間チャートで48位を記録している。イントロの軽やかな感じが「Bruce Springsteen / Dancing In The Dark」と似ている気がするけど、そちらの方が後年で84年産。TURKはトルコ人という意味だけど曲中では「YOUNG HEARTS」と歌われているので、若者賛歌的な曲みたいです。軽やかなリズムに軽いシンセが乗る如何にも80'sといった雰囲気のポップな曲。「A-HA / TAKE ON ME」の先駆けみたいな曲ですね。爽やかで高揚感を感じさせるサビメロはロッドのしゃがれた歌声とはあまり合っていない気がするけど、軽めの曲調なので結果的には相性が良かったのかもしれません。個人的には彼の歌声には全く魅力を感じないんだけど、当時の ライブ映像 の出来を見ると、ますますどこがいいのか理解不能。

「YOU TUBE」 で聴けますが、やっぱり彼はスタジオ録音の方がいいね。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(高揚感) ポップ偏差値合計
7
7 8 7 6 7 6 7 4 59


MOTORS / FORGET ABOUT YOU '78



パワーポップ名曲の 「Girl Of My Dreams」 で知られるBram Tchaikovskyも在籍していたイギリスのパブ・ロック・バンド、ザ・モーターズの78年のヒット曲。曲は明るく元気なパワーポップ。如何にも70年代的な能天気な明るさがいいね。ヴォーカルはダミ声だし全体的にいまいち垢抜けないけど、爽快でキャッチーなサビメロはなかなかのもの。

「YOU TUBE」 で聴けます。また 「Top of the Pops」 出演時の模様も見れます。これを見ると近所の気のいい兄ちゃんたちのロックンロールって感じで、例えばフレディ・マーキュリーのQUEENなんかと比べると全然華がないのね(笑)。まあ、そこが持ち味だったのかも知れませんが、、、。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(パワーポップ) ポップ偏差値合計
8
7 7 6 6 7 6 7 5 59


BEATS INTERNATIONAL / FOR SPACIOUS LIES (ALBUM VERSION) '90 「Let Them Eat Bingo」収録

BEATS INTERNATIONAL Let Them Eat Bingo.jpg

「Dub Be Good to Me」 の大ヒットを放ったビーツ・インターナショナルのアルバム収録曲。元HousemartinsのNorman Cookのグループなのですが、ネオアコ/ギターポップ路線から大きく逸れてダンサブルなグループになってしまいましたね。ただし、この曲は「Dub Be Good to Me」と違い、ハウスマーチンズを彷彿させる明るさを持った曲。エレクトロ・ポップな味わいのサウンドに高揚感のある明るく爽やかな曲調で、なかなか新鮮なポップ感覚があります。なお、派手なミックスの12"VERSIONも出ていますが、こちらのALBUM VERSIONの方がスムーズな流れで心地よいですね。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(明るく爽やか) ポップ偏差値合計
7
7 8 6 6 7 6 7 5 59


NOLANS / GOTTA PULL MYSELF TOGETHER(恋のハッピー・デート) '80



夢を見た。パーティ会場で若いフィフティーズ・ファッションの男女が踊っている。曲はシックスティーズ調のガールポップだ。明るく楽しい感じの曲で、曲に合わせてリズミカルに踊る若者は皆楽しそう。「これ、聞き覚えあるけど良い曲だなあ。」「誰の何て曲だっけ?」「精選MD*に入れて無いなあ。」(*お気に入り曲ばかり集めたMD)「ヤバイ!曲名分からないからMDに入れようが無い。」(この辺りで目が覚める)「取り合えず忘れないうちに歌詞をメモしておこう。」「ハニー、、、ガーベストン、と。」「さてまた寝るか。明日うまく分かるといいな」「それにしても、こんないい曲を精選MDに入れ忘れてたなんてな。」「もう一回頭の中で聴き直してから寝よう、聴けるかな?」(ZZZ・・・)それで次の日起きてメモと記憶を頼りに曲を探して見つかったのが、60'Sガールポップではなく、所謂キャンディ・ポップのこの曲だったというだけの話なんですけど、これを読んでる皆さんもこんな夢見るんでしょうか?

ノーランズのダンシング・シスターに続く第二弾シングル。前曲に比べてユルい内容で安物テクノ風だけど、如何にもキャンディ・ポップという感じの可愛らしい曲で、最近で言うと 「KOTOKO / ラズベリー」 辺りの萌えソングの80年代版という趣きがあります。特にサビのフレーズでの語感がいいネ。夢で感じた程リズミカルな曲じゃないのが惜しいかな(笑)。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(キャンディ・ポップ) ポップ偏差値合計
8
6 7 6 6 7 6 7 5 58


Peter Wolf / Lights Out '84



81年に Centerfold のヒットを出したJ.Geils Bandのヴォーカル、ピーターウルフのソロ作品。MTV全盛の84年に中ヒットして当時日本盤も出てました。曲はCenterfoldの二番煎じ的な能天気さとわかり易さが売りのアメリカン・ポップ。「アー・ハー」なんて言葉は日本人なら恥ずかしくてとても発声できやしませんが、そんな言葉を大胆に取り入れたサビはバスケやフットボールの会場で使われそうなぐらいにキャッチー。明るく元気で溌剌としたところがイイね。メロディに味わい深さは無いので一回聴けば十分って感じにもなりますが、個人的には5年に1回ぐらいは聴きたくなるのです。

「YOU TUBE」 でPVが見れます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(能天気) ポップ偏差値合計
8
8 7 6 6 6 6 7 3 57


QUICKSILVER MESSENGER SERVICE / CHANGES '72 「COMIN' THRU」

QUICK SILVER MESSENGER SERVICE.jpgQuicksilver.jpg

1960年代後期から1970年代初期にかけて活躍したアメリカのサイケデリック・ロック・バンド、クイックシルバー・メッセンジャー・サービスの1972年の通算7枚目のアルバム「COMIN' THRU」収録曲。当ブログの主旨である「明るくポップ」とはかけ離れた内容だけど、非常に良く出来た個人的に大好きなバラード名曲なので番外的に取り上げます。

何が好みかと言って、イントロで切なく鳴り響くピアノの音色が堪らなく好み。雰囲気としては 「ひとりぼっちの十代」 に近いですかねえ。メインの泣きのメロディを奏でているのはギターの方で、この両者の絶妙なアンサンブルにより、悶絶級の甘みと憂いを帯びた胸キュン・フレーズが作られています。全体としても哀愁を帯びた濃い口メロディで、特にAメロの滑らかで甘みを帯びたラインが素晴らしい。

間奏でもう一度繰り返される冒頭のフレーズに再び胸を打たれた後、再度Aメロに戻る(2分25秒)所なんか思わず泣きたくなっちゃうぐらい心を揺さぶられます。そういう意味においては、 「GASLIGHT / I'M GONNA GET YOU 」 や「TOMORROW'S PROMISE / HE DON'T LOVE YOU LIKE I DO」などのスウィートソウルがお好きな方にも気に入って頂けるんじゃないかと思ってるんですが、、、。 「YOU TUBE」 で聴けます。この手の素敵なロック系バラードでお勧め曲があったら是非教えて下さい。

ROOSTERS / I'm Swayin' In The Air '83 作曲大江慎也 「DIS.」

roosters dis.jpg

大江慎也が率いていた頃のルースターズの4枚目のアルバム「DIS.」収録曲。ルースターズといえば、もっとパンク色の強いハードなイメージですが、ニューウェーヴ全盛のこの頃はシンセなんかも入って意外にもソフトでポップな音作り。

この曲はそんな煌びやかなシンセの活躍するポップソング。憂いを帯びたシンセのリフレインが胸にキュンと来ますね。 「BAY CITY ROLLERS / ひとりぼっちの十代」 系というかそんな感じ。サビも情感のこもった泣きのメロディで、「I'm Swayin' In The Air」というタイトルと共にに少しホロリと泣かせます。明るく元気というタイプの曲ではないけれど、キラリと光る魅力を持った曲ですね。

「YOU TUBE」 で聴けます。少しテンポを早くした ライブ版 の方もいい感じですが、ここでの大江慎也はラリってんじゃないですかねえ、かなり危ない感じ。

BAY CITY ROLLERS / ひとりぼっちの十代(MY TEENAGE HEART) '75 「ONCE UPON A TIME」収録

bay city teenage heart.jpg

昭和35年から昭和40年ぐらいにかけて生れた方が中学・高校生だった頃に日本中にタータンチェック旋風を巻き起こしたイギリスのアイドルロックグループ・ベイシティローラーズの隠れた名曲。セカンド・アルバム収録曲で本国イギリスではシングルカットされず、日本でのみシングル盤が出された模様。明るく元気でポップな曲ではないのでポップ偏差値自体は低くなりますが、ポップファンなら押さえておいて欲しい逸品です。

曲は十代の傷つき易い心をセンチなメロディに載せたアップテンポ・バラード。湿った内容ながらもテンポは速く、ポップにコンパクトに纏まってます。如何にも日本人の琴線に触れそうな胸キュン・メロディはメンバーの手によるもので、彼らが単なるアイドルグループでなかった事の証左となっています。特筆すべきは軽快で歯切れの良いピアノの響きで、過ぎ去った青春時代を想い起こさせるような甘酸っぱさ。爽やかで煽情的なコーラスを伴って、懐かしく切ない気持ちにさせてくれます。個人的に中学二年生の頃に一番好きなポップスだったんだけど、三十年ぶりに聴く今でも心をズキュンキュンと撃ち抜くのです。 「YOU TUBE」 で聴けます。

BLANCMANGE / WAVES '82 「Happy Families」収録

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イギリスのNEW WAVE系シンセ・ポップ・デュオの83年のヒット曲。明るく元気でポップな曲という訳ではありませんが、この項でご紹介。二人編成ということでは同時代のSOFT CELL辺りに通じる雰囲気がありますね。そしてシンセ・ポップということではDEPECHE MODE辺りを意識した感じかな。

曲は甘く情緒的なメロディで湿り気と冷ややかさを感じさせる大仰なバラード。ドラムスなどの打ち込み音は安っぽくて好きになれないけど、上品で滑らかに奏でられるストリングスの調べが、この曲に荘厳な雰囲気を醸し出します。軽やかなピアノの音色も効果的に使われ、その切ない響きも心に染み渡りますね。「YOU TUBE」で 視聴 出来ます。

SCRITTI POLITTI / ASYLUMS IN JERUSALEM '82 (Rough Trade 111P)

SCRITTI ASYLUM

このサイトのタイトルに「ポップ」が付く項目で取り上げる音楽はどれも「明るく元気で高揚感があって弾けてて、、、」というサウンド面での共通点があるがこの曲は例外的にサウンド的にはさほど「ポップ」ではない。ではこの曲の何がポップかというと岩谷宏言うところの思想/感覚的な部分でポップなのだ。このレゲエ調の曲で聴かれる変テコで人を小馬鹿にしたようなベースラインが象徴するように歌詞でも人をとことんオチョクったところがポップだ。「LET HIM POP」なんてセリフも出てくるしね。

「彼を困らせよう。彼を二度と同じ(状態)にさせるな。同じ言葉(思想)をじゃべらせるな。常に変化させ続けろ。一つのイデオロギーに凝り固まらせるな。」ってのがこの曲のテーマなんだと思うけどまさにこれはこの当時流行っていてやはりSCRITTI POLITTIを好きだった浅田彰/逃走論の世界だな。もちろん岩谷宏の思想にも通じるところがある。だから岩谷宏さんがSCRITTI POLITTIについて何と言うのか楽しみにしていたんだけど、結局彼が言及したことは無かったと記憶している。残念。

まあ特別小難しい事を言ってる訳ではないけど、それを小洒落たポップな白人レゲエで韻をふんだ楽しい詩にのせたところは知性的&センスいい!って思うな。サウンドと詩の内容もきっちりリンクしているよね。

SCRITTI POLITTI に関してはこちらのサイト 「初期のスクリッティ・ポリッティ」 の情報が充実しています。

THE GOOD-BYE / YES! YES!! YES!!! '86

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元たのきんトリオのヨッちゃんこと野村義男のグループ、ザ・グッバイ。洋楽指向のポップ・ロック・グループという感じです。この曲は彼等の9枚目のシングルでちょっと憂いを帯びた明るめで元気なポップ・ロック。きつめのシンセ音やギターをはじめ全体的に厚めの音作りでポップスというにはウルサめだし、ロックというには軽すぎるので、アイドル・ポップ・ロックという呼称が適当かな。

メロディはどこかで聴いた覚えがありそうな王道ものだけど完成度はなかなかのもの。歌詞は青春強要ものなんだけど、そこはアイドル系ということでかなり無意味度が高く、その空虚感・頭空っぽ感こそが実はこの曲の最大の売りなのではないか。まあそれを言ったらバンド名も曲名も途中で飛び出す「ナイス!」という掛け声もどれもこれもかなり無意味なんだけどネ。

その明るく威勢のいい掛け声、アップテンポな疾走感、テンションの高さ、全体を通して感じられる荒削りさ、若さゆえの元気良さ等に魅力があります。ただ、この曲が好きか?と問われても心底「YES!」と答えられない気恥ずかしさが残る曲ではあります。






洋楽スーパーポップの世界(7)


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