ザ・スーパー・ポップ宣言

ギターポップ2

ギターポップ推薦曲(2)

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小沢健二/FLIPPER'S GUITAR元ネタリスト

フリッパーズ・ギター/小沢健二 元ネタリスト曲別

フリッパーズ・ギター/小沢健二 元ネタ推薦曲

ギターポップ推薦曲 (1) (2) (3) (4)

ネオアココンピの世界

ネオアコ/ギターポップ映像の世界

【 ポップ偏差値 68

Harpers Bizarre / Mad '68「The Secret Life Of Harpers Bizarre」収録



60年代後期に活躍したアメリカのソフトロック・バンドの1968年のアルバム「The Secret Life Of Harpers Bizarre」収録曲。当初よりどうも聞き覚えのある名前だなと思っていましたが、どうやらアメリカの伝統ある女性誌Harper's BAZAARをもじった名前みたいですね。曲は典型的なソフト・サウンディング・ロックという感じで柔らかなヴォーカルが特徴的。Aメロ、Bメロと繊細でセンチメンタルなメロディが秀逸ですが、更に輪をかけてセンチでキャッチーなサビが素晴らしい。品の良さと瑞々しさを保ちながらも痛みを感じさせる表現力豊かなメロディ含め、80年代ネオアコやフリッパーズギターへの影響を強く感じさせます。派手さはないものの効果的にホーンを配しストリングスを散りばめた上品で心地よいサウンドも素晴らしい。彼らの前身バンド The Tikisによるバージョン と比較すると、サウンドアレンジの洗練された仕事ぶりに改めて気づかされます。なお、当然の帰結かのようにネオアコバンド、 King of Luxembourgによるカバー があります。ネオアコの源流を探る意味でも歴史的に非常に重要な曲とも言えるでしょう。

「YOU TUBE」 で聴けます。

【 ポップ偏差値 67

JAMES / RING THE BELLS '92

JAMES RING THE BELLS 92.jpg

ワールド・フェイマス・ギター・ポップ本での扱いは2/5ページと小さく、所謂ネオアコ・バンドとして語られることもない。どうもロック・バンドとして語られることが多いようだけれど、個人的にこのバンドにはネオアコ系の爽やかさや甘酸っぱさを感じる。この曲はタイトルからしてパーフリっぽいじゃあありませんか。基本は元気で疾走感のあるロック系サウンド。タッタカ、タッタカと打数の多いドラムとジャカジャカ・ギターなど情報量の多い厚みのあるサウンドが特徴的。「RING THE BELLS」という肯定感に満ちた強い意志を感じさせるヴォーカルは前向きな気分にさせてくれるね。加えて魅力的なのがフゥーウゥー・コーラスの高揚感と甘酸っぱさ。この辺りがネオアコ好きな私の琴線に触れるんですよねー。もっとネオアコファンにも注目して欲しい曲であります。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(フゥーウゥー) ポップ偏差値合計
8
7 8 8 7 8 8 8 5 67


フリッパーズギター / すてきなジョイライド '89「海へ行くつもりじゃなかった」

FLIPPER UMIHE

フリッパーズギターの1STアルバム収録曲で宇宙旅行について歌った曲。アルバムでは、「ボーイズ,トリコに火を放つ」と間髪を置かず繋がるように始まり、その瞬間には思わず胸をときめかされます。力強い小山田圭吾の絶唱で終わる前曲の後に、今度は逆に抑制の効いた大人びた落ち着いたハーモニー。しかも、歌詞が「昨夜僕らが描いた楕円軌道(ELLIPTIC ORBIT)」だものなあ。よくもこんなセリフを思いつくなと驚かされるぐらいドリーミーで洒落てるよね。小沢健二によるメロディラインも将にその歌詞の通り、大宇宙に優雅に描かれたなだらかな楕円軌道のように綺麗で魅力的。

ここまでだけでも十分素晴らしいけど、若き小山田が瑞々しさいっぱい、切れ味鋭くシャウト風に歌うサビのメロディも、漆黒の宇宙空間を疾走する小型宇宙船のような魅力がありますね。もちろん、ネオアコ成分たっぷりの間奏のギターソロなどサウンド面も素晴らしく、アルバム内の1小曲的な存在の曲だけど、その魅力はとてつもなく大きいと感じます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(洒落た歌詞) ポップ偏差値合計
6
7 8 7 7 10 8 9 5 67


GIRLS AT OUR BEST! / TOO BIG FOR YOUR BOOTS '80 LP「PLEASURE」
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この曲も明るく楽しい曲調のガールズロック。ドタバタとしたバックの下町娘的なにぎやかな演奏とは一線を画したJUDY EVANSの上品な声質もこのグループの魅力の一つである。何の悩みもかかえて無さそうな達観した乾いたポップな声を聴いてるだけで気持ちが明るくなってくるネ。

このアルバムには画像のようなおまけ付きのものとそうでないものとがある。全てのLPに「FREE PLEASURE BAG INSIDE!」というシールが貼ってあるのだが、必ずおまけが入っているのかというとそうではなくて、その下に小さな文字で「LIMITED EDITION ONLY WITH FIRST 10,000 COPIES」と書いてあるものだけに入っているようだ。私は当時これが欲しくて、三度目の正直でようやくおまけを入手出来たのだった。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(上品な声質) ポップ偏差値合計
8
8 8 8 7 8 7 8 5 67


JAMES / SOMETIMES '93 PRODUCED BY BRIAN ENO 「THE BEST OF JAMES」収録
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マンチェスターのグループで、一般にはU2などと並びロックグループと受け取られている模様。この曲はライナーを読むとシングルカットされ全英18位とヒットしたそうな。プロデュースがなんとブライアンイーノということで驚かされるがこの曲に限って言えば特段イーノ汁が濃く出ているわけでもない。出だしから最後まで継続的にジャンジャカ、ジャンジャカかき鳴らされる数本のアコースティックギターの合奏がひたすら心地良い。爽やかで高揚感のあるサビのメロディは、ロックグループというよりは80年代のネオアコグループのそれを彷彿させる爽快さ。サビ以外の歌の部分が弱いんだけど、そういうところを楽しむ曲ではない、という見解も有りうるか。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(アコギの合奏) ポップ偏差値合計
7
8 8 8 7 8 8 8 5 67


PULP / COMMON PEOPLE '95
PULP  COMMON PEOPLE.jpg
出だしの歌い方やスーパーマーケットなんて歌詞が出てくるところが、THE CLASH / Lost in the Supermarket ('79「London Calling」収録)に似た感じがします。明るく元気というタイプの曲ではないけどナイーブで繊細な感じを受けるメロディ、ゆったりとした出だしから緊張感を保ったまま徐々に盛り上げていく様が素晴らしいですね。特に後半派手に各楽器の演奏を「ジャ、ジャ、ジャン、ジャ、ジャ、ジャン、、、」とあわせるところの厚みあるサウンドなどはヘビメタに染まれないギターポップ好きのためヘビメタ曲という感じ。こういう演奏部位を何と呼ぶんでしょうか?快感です。「YOU TUBE」にアップされている Non Fighting Version は実際のスタジオ録音版の5分50秒と長いバージョンより短く端折ってて残念ですがご参考まで。「ジャ、ジャ、ジャン、ジャ、ジャ、ジャン、、、」部位の多様を期待して他にも幾つかアップされているライブ映像を見てみましたが、そういうシーンは無いし緊迫感も削がれていて残念。もっとジャジャジャジャやれば盛り上がると思うんだけどなあ。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ヘビメタ的快感) ポップ偏差値合計
6
9 7 8 8 8 8 8 5 67


【 ポップ偏差値 66

PALE FOUNTAINS / THANK YOU '82

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80年代ネオアコ最重要グループの一つ、ペイル・ファウンテンズ。訳すと「青く澄んだ泉」って感じでしょうか。オレンジジュースなどのギターの歯切れの良い華やかでポップなサウンドが特徴的なグループと比べると、大部サウンド的な魅力というのは薄れるけれど、その情緒的なメロディの魅力はそれを補って余りある程素晴らしいものがありますね。82年に小ヒットしたこの曲は将にそんな彼らの真骨頂といった内容。

バカラックに影響を受けたと言われている彼らだけど、大掛かりで豪勢なイントロから始まるこの曲も、そのイントロの勢いが失速することなく終始派手に盛り上がるところが素晴らしいですね。暗い雰囲気の曲だけど情緒的でキャッチーなメロディは青春時代の甘酸っぱい記憶を呼び覚ませてくれますね。いや、特に甘酸っぱい想い出の無い者にも擬似青春体験をさせてくれるというか(笑)。私個人は能天気な人間なのでフレンズアゲインのような陽気なサウンドにこそ高くシンクロするんだけど、ナイーヴで内向的で多感な少年時代を過ごした人にとっては堪えられない程に魂を掻き毟る曲なのかも知れませんねえ。

「YOU TUBE」 でこの曲のPVが見れます。まさかジャケ通りの風景でのPVが有ったとは。イメージ狂う内容だけど(笑)。

ZipiZape / Fuera de lo normal '02 「Canciones Para Un Desayuno」収録



スペインのギターポップ系バンドが2002年に出したミニアルバム収録曲。ネットで検索しても日本語での情報が皆無に等しくバンド名の読み方すら分からない。(取り敢えずジピザペ辺りが無難でしょうか。分かる方教えて下さい。)「YOU TUBE」での再生回数も165回程度と極端に少ないので日本のみならず世界的にほとんど無名なバンドということになりそうです。然しながら曲は素晴らしい!80年代ネオアコ、特にPALE FOUNTAINS辺りを彷彿させる内容でネオアコファン歓喜の1曲となりそう。

疾走感のあるリズムにシャカシャカしたサウンド。しゃがれたスペイン語ボーカルはちょっと暗め。メロディも明るくポップという内容ではないけれど、なかなかキャッチーで魅力的。そして何より特筆すべきはイントロのホーンの奏でる郷愁を誘うメロディ。甘く切なく甘酸っぱい青春時代を思い起こさせる何かを感じさせてくれます。このメロディを基調にしたバックが途中少し音階が高く上がる所なんぞは思わず胸キュンもの。全体として80年代ネオアコが現代に蘇ったかのような内容でノスタルジックでいいですねえ。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(郷愁感) ポップ偏差値合計
7
6 8 8 7 9 8 8 5 66


【 ポップ偏差値 65

ORANGE JUICE / POOR OLD SOUL '81 (PART1&2)

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当ブログではすっかりお馴染みのオレンジジュース。傑作だった1STアルバム以前にスコットランドのネオアコ重要レーベルのポストカードに残したシングル曲。(ポストカードには「AZTEC CAMERA / JUST LIKE GOLD」なんかもあった訳で、今にして思えば伝説のレーベルって感じがしますねえ。)

曲は1ST名曲3部作の痛々しさを感じさせない、良い意味で軽やかなネオアコポップ。スピードのあるリズムに生き生きとしたドラムなどの溌剌としたサウンドが瑞々しい。曲はA&B面でPART.1&2に分かれていて、終盤のピアノの連打のテンパイ感が良いPART.1、「細川たかし / 北酒場」似のイントロに終盤のコーラスの盛り上がりが良いPART.2と甲乙付け難い出来。世紀の名盤製作前夜のダイヤの原石のような粗削りさと輝きを感じさせます。

「YOU TUBE」 でPART.1のみが聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(粗削り) ポップ偏差値合計
7
7 7 7 7 7 7 8 5 65


EIEIO / EVERY WORD TRUE '85 「Land Of Opportunity」収録



米ウィスコンシン州のカントリー系ロックグループの唯一のアルバム収録曲。グループ名を正確に表記すると「E・I・E・I・O」となるんだけど、日本語の勝ち鬨のエイエイオーではなくてアメリカの古い民謡「Old MacDonald Had a Farm」の歌詞の一部「イーアイ・イーアイ・オー」からきてるのかな。

曲はテンポの速いカントリー調ロック。ちょっと泥臭くて少し垢抜けない感じは有るけれど、いわゆるイギリス系ネオアコに通じるギターポップなサウンドとして楽しめる内容かと思います。ジャカジャカ、キラキラとしたギターサウンドにシャカシャカ・タンバリン。ハリーラブ調のベースはスピードにのってなかなかグルーヴィー。それら魅力的なサウンドに乗ってテンパったヴォーカルの張り詰め感が美味ですねえ。ちょっと暗めのメロディはどこも素晴らしいんだけど、特に後半すこし転調する箇所なんかは胸キュンもので一番の聴き所です。

iTunes で少し試聴できます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(緊迫感) ポップ偏差値合計
7
8 7 8 8 8 8 7 4 65


フリッパーズ・ギター / FRIENDS AGAIN '90

FLIPPER FRIENDS.jpg

フリッパーズギターのオリジナル・アルバム未収録曲。結局二人は喧嘩別れしてしまい、二十数年経過した今日では、もう二度と二人が一緒に活動することは無いでしょうね。そもそも音楽創作活動的に多くは期待出来ないけれど、、、。それでも二人で仲良くヤンチャしていた頃を思うと、もう一度仲良くしてくれないかな、なんて思ったり。この「もう一度、友達に」なんて曲のタイトルも今振り返ると感慨深いものがあります。

曲はファースト・アルバムの明るく弾けた内容と少し趣が異なり、情緒的な内容。少年~青春時代を思い起こさせる甘酸っぱい雰囲気いっぱいのメロディが素晴らしいですね。特に間奏のヴァイオリンの郷愁誘う甘く切ない響きは堪りません。以前 ノスタルジック青春賛歌 として「DAVE CLARK FIVE / BECAUSE」をこのフレンズ・アゲインの兄弟曲として挙げましたが、これ、やっぱり元ネタってことになりませんかね(笑)。因みにイギリスのネオアコ・グループの先輩、FRIENDS AGAINがタイトルの元ネタであることは間違いないでしょう。(因みにこの曲、Tokyo's Coolest Comboによるナイスなインスト・カバーがあります。)

「YOU TUBE」 でPVが見れます。

FRIENDS AGAIN / STATE OF ART (REMIX) '84 12" 「THE FRIENDS AGAIN EP」

FRIENDS AGAIN EP.jpgFRIENDS AGAIN STATE OF ART.jpg

フリッパーズギターの曲名の元ネタにもなったフレンズ・アゲイン。84年に出た彼らの「THE FRIENDS AGAIN EP」に収録された幾つものキラキラ・サウンド達を当時耳にし、これからの時代はこんな垢抜けた煌びやかでポップなサウンドが全盛になるんだろうなと心踊らされたものでした。然しながら今にしてみればこれを超える、というかこのレベルに達した煌きのネオアコサウンドはその後全く出現せず、古今東西ネオアコ史に唯一残されたのが、この「THE FRIENDS AGAIN EP」だったんだなあと感じます。

この「STATE OF ART」はアルバムにも収録されていますが、同EPや12インチに収録されているリミックス・バージョンの方がよりコンパクトに纏まっていてオススメ。ヨーロッパの高緯度地方を感じさせる澄んだシンセの音色をバックに煌びやかなトロピカル風ギターが心地よい。当ブログで既出の彼らの「LULLABY NO.2 , LOVE ON BOARD」や「SUNKISSED (NEW VERSION)」ほど明るく元気という内容ではないけれど、センチメンタルなメロディの出来とそれを高らかに歌い上げるところが素晴らしいのです。

「YOU TUBE」 でPVが見れます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(煌きサウンド) ポップ偏差値合計
6
7 9 6 6 9 9 8 5 65


BLUEBELLS / CATH (REMIX)'83

BLUEBELLS  CATH NORMAL.jpgBLUEBELLS  CATH.JPG

初心者でも気軽に聴けるネオアコってな感じの、ある意味人畜無害な健康優良グループ「ブルーベルズ」。当ブログで取り上げるのは、 「WILL SHE ALWAYS BE WAITING」 「I'M FALLING」 に続いて3曲目です。この曲は明るく元気なのでようやくネアオコ本命版って感じですね。ハーモニカの音色がちょっと哀愁を帯びてますが、全体としては元気一杯。陽性な歌声に加えてコーラスも若々しく実に楽しそう。サビのメロディもキャッチーでポピュラー・ヒットの要素ばかり目立ちますが、実はそれだけでは終わらない。終了間際に一段とポップなギターのフレーズが入るのですが、空気の張り詰めた濃厚な味わいのあるフレーズは将に80年代ネオアコ/ギターポップの醍醐味という感じの魅力的なものです。尚、この曲には幾つかのバージョンが存在しますが、CD「Singles Collection」 収録のREMIXバージョンが個人的には好きでお勧めです。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ギターソロ) ポップ偏差値合計
9
8 8 7 6 7 7 8 5 65


SUGAR / IF I CAN'T CHANGE YOUR MIND '92 「COPPER BLUE」収録



90年代のアメリカのギターポップ・バンド、シュガーの1STアルバム収録曲。元はハスカー・ドゥというパンクロックをやっていたボブ・モールドという人が新しく始めたバンドとのこと。

成る程ギターなどサウンド全体に歯切れの良さと威勢の良さを感じさせます。ヴォーカルの実直な感じもどこかパンクの面影を感じさせるかな。ただ密度の高いジャカジャカ・サウンドは80年代のイギリスのネオアコ・グループのそれと同質のものを感じさせるし、爽やかで高揚感のある青春風メロディもイギリスっぽさを感じさせます。また一度聞いただけで覚えてしまいそうな程にそのメロディはキャッチーでいい出来ですねー。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ジャカジャカ感) ポップ偏差値合計
7
7 7 8 7 8 8 8 5 65


【 ポップ偏差値 64

TIM MCGRAW / JUST TO SEE YOU SMILE '97 CDS(CURB CUBC 27)



1990年代から活躍しているアメリカのカントリー歌手ティム・マッグロウのシングル曲で、日本盤も出ている彼の4THアルバム「Everywhere」にも収録されている。ビルボードのカントリーチャートで6週連続1位など長くチャートインし、カントリーとして90年代最大級のヒット曲らしいです。曲はギターを中心としたサウンドと甘く秀逸なメロディが際立つ現代風カントリーということになりますが、ギターの洗練された音色やどこか郷愁を誘う高揚感のあるメロディ、スピード感のあるサウンドなどは1980年代に隆盛を極めたイギリス産ネオアコ/ギターポップを彷彿させるものがあります。ちとコブシ回し過ぎじゃない?って感じの唱法は如何にもカントリーという感じですが、ヴァイオリンの品の良い音色、煌びやかなギター、全体的に感じられる瑞々しくも爽やかで厚めのサウンド等は往年のネオアコファンも楽しめる内容なのではないかと。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ サウンド 瑞々しさ ボーナス(ネオアコ風味) ポップ偏差値合計
8
7 8 7 7 9 7 7 4 64


POVERTY STINKS / My Baby Fell In Love With A Motorbike '95 「POPSTASY」



90年代に活躍したフィンランドのグループの95年のアルバム「POPSTASY」収録曲。個人的にはネオアコ本を追っていて最近知ったばかりなんだけど、日本盤が出るなど結構認知度は高いみたいです。曲は初期ビートルズを彷彿させるネオアコ系ポップ。キャッチーなメロディにスピード感のある展開がいい。そのメロディも青春時代の甘酸っぱさを感じさせる秀逸なもので、全体として漂う張り詰めた空気感はオレンジジュースの1STのA面の名曲群を思い起こさせる。

「YOU TUBE」 で聴けます。
(これだけの名曲なのに視聴数33回って・・・。)
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(甘酸っぱさ) ポップ偏差値合計
7
8 7 8 7 8 7 7 5 64


HEARTBREAKS / DELAY, DELAY '12



イギリスのインディー・ロックバンドの2012年のシングル曲。当ブログではお馴染みのEdwyn Collinsとも共演しています。彼らがイギリスのロック界で一体どのぐらい位置にいて、この曲がどのぐらい売れたのか全く分からないけどメジャー級かつキャッチーな仕上がりだと思う。曲はサビが大いに盛り上がるギターポップ/ロック。リードの歌は低域から始まるけど、すぐにハイトーンに展開する。(このあたりの自在性は聴きどころの一つ。)低域の歌声も太く魅力的ですが、何よりこの憂いを帯びたハイトーン・ヴォイスが実に魅力的ですね。常に高位置で展開するメロディ・ラインも個人的に好み。イギリスの若いバンドらしい曲全体に漂う新鮮さと溌剌さが素晴らしい曲です。

「YOU TUBE」 でPVが見れます。洗練された曲のイメージとは違って、ちょっと田舎臭い若者たちって感じでした(笑)。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(リードの声質) ポップ偏差値合計
7
8 8 7 7 7 7 8 5 64


MORRISSEY / FIRST OF THE GANG TO DIE 「You Are the Quarry」'04



モリッシーがリードだったTHE SMITHSは、80年代初頭、AZTEC CAMERAやORANGE JUICEなどのネオアコ・グループと共に人気を博したギターポップ・バンドでした。ハリーラブとして人気の 「THIS CHARMING MAN」 は自分の周囲でも人気曲で一世を風靡したものでしたが、前2者同様ネオアコ/ギターポップバンドの宿命として活動暦が長くなると共に、その輝きや瑞々しさは急速に失われていきました。「モリッシー」はソロになってからも成功を収めているじゃないか。」という意見もあるでしょうが、80年代初頭のネオアコ/ギタポのもつ甘酸っぱさや瑞々しさに熱狂した者にとっては、商業的な成功など全く意味を為さないことに同意頂けることと思う。その意味では、私と同じ体験をしてきた同時代の者で、ザ・スミスの2NDアルバム以降、ましてやモリッシーのソロ以降の音を積極的に追い続けてきた者など皆無に近いのではないかと思う訳です。

ところが先日「YOU TUBE」でギタポ系の音源を探索していた際に耳にしたこの曲は、そんな私が全く期待していなかったモリッシーの、しかも2000年以降の作品だったのですから驚きました。瑞々しさや甘酸っぱさという魅力はさほどでは無いにしても、過度に情緒的で胸をグイグイと締め付けるキャッチーなメロディは非常に魅力的です。自身の感情の昂ぶりを表すかのような後半のファルセット唱法も切実感、本気度を醸し出していて実に美味ですねえ。『スミス(モリッシー)って暗くていまいち垢抜けない曲ばかりで「THIS CHARMING MAN」以外は聴き処が無いバンドだな』と思っていたんだけど、、、見直したぜ、モリッシー!

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(感情の昂ぶり) ポップ偏差値合計
7
8 8 6 6 10 7 7 5 64


SHANE FAUBERT / I'LL BE WAITING '90「KALKARA」収録



80年から90年ぐらいにかけてニューヨーク近辺で活躍していた「Cheapskates」というガレージ・バンドのリーダーのソロ・アルバム収録曲。という背景からは想像もつかないほど80年代ネオアコ風爽やかサウンドな1曲。上品なヴォーカルにハプシコード?などを用いたキラキラしたギター・サウンド。滑らかで情緒的なメロディは甘酸っぱい青春の味わいです。ギターポップ本を参考に片っ端からアマゾンで試聴していたら偶然見つけましたが、意外なサウンドに驚きましたねー。そんな訳でネオアコファンにもほとんど知られていない隠れたネオアコ名曲なんじゃないかと思い、喜び勇んで取り上げました。アマゾンで曲単位でMP3が試聴、購入できます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ネオアコ風味) ポップ偏差値合計
7
7 8 7 7 8 7 8 5 64


ORANGE JUICE / FLESH OF MY FLESH '82 LP「RIP IT UP」収録
ORANGE JUICE  FLESH OF MY FLESH.jpgORANGE JUICE  FLESH OF MY FLESH PIC.jpgORANGE JUICE  2ND.jpg
ファーストアルバムの痛々しさが抜け去ったオレンジジュースの2NDアルバムから。ネオアコ的な魅力は失われてしまったけど、明るくポップなサウンドでオレンジジュースというグループ名をより象徴するかのようなフレッシュなサウンドとなっていて、個人的にはこちらも好きだなあ。力の抜け具合が程よくていいヨ。

この曲の空気の乾燥感とゆったりとしたなごみ感はレゲエのものだね。アフリカンなメンバーを入れたりとこの頃のエドウィンのブラックミュージックへの憧れを象徴する曲。シングルバージョンも出てるけどDENNIS BOVELLの変な小細工はかえって魅力を打ち消してしまって残念。ゆったりと南国リゾートでも和めそうなこちらのLPバージョンの方がいい。特に途中の間奏部分での管楽器(サックス?)の音色が素敵です。白人音楽と黒人音楽がうまくクロスオーヴァーした、実に妙味ある世界を作り出すことに成功したネ。
明るく元気 テンション 高揚感 乾燥感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(和み感) ポップ偏差値合計
8
5 8 9 7 8 7 7 5 64


【 ポップ偏差値 63

HORMONES / DIG LIKE MERRY HELL '98「WHERE OLD GHOSTS MEET」



「ワールド・フェイマス・ギター・ポップ」P.147掲載。ホルモンズという一風変わった名前だけど、音は直球のネオアコ系ギターポップという感じ。疾走感あるリズムに溌剌としたギターサウンド。随所で畳みかけるドラムも勢いを感じさせる。ちょっと甘く切ない情緒的なメロディは日本人好みかも。歌詞に「チャーチ・ベル」と出てくる所なんかは個人的にもツボ。それとギターと共にバンジョーを使いサウンドに厚みを加え、更に牧歌的雰囲気を醸し出している。おまけに後半ではバグパイプも登場し、スコットランド辺りの田舎の純朴さや土臭さを感じさせてイイ。逆に言えばいまいち垢抜けないんだけどね。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(バンジョー) ポップ偏差値合計
8
8 7 8 7 7 7 7 4 63


TRASH CAN SINATRAS / WHITE HORSES '90 「CAKE」,「Circling The Circumference」収録

TRASH CAN SINATRAS  WHITE HORSES 1.jpgTRASH CAN SINATRAS  WHITE HORSES.jpg

イギリスのギターポップ・バンド「ザ・トラッシュ・キャン・シナトラズ」による往年のヒット曲のカバー曲。オリジナルはおそらく68年の 「Jacky - White Horses」 (JACKIE LEE)の模様。彼等のCDS「Circling The Circumference」収録で日本盤アルバム「CAKE」にはボーナストラックとしてこの曲が追加収録されました。にもかかわらず日本盤のライナーでは全く触れられていないけど、このカバーは素晴らしい。

のどかで牧歌的な雰囲気の原曲を現代風にアレンジ。硬質で少しヒヤリとした90年代的感触をベースにエコー深めのバックによりサウンドにかなりの拡がりを持たせることに成功。原曲では少し性急なアレンジの為、なだらかできれいで味わい深い、このメロディ本来の持ち味を十分に生かしきれていませんでしたが、このトラッシュ版はスピードを落とし、伸びやかに歌うことにより、素材本来の旨味を十二分に引き出せたと言えるでしょう。更に繊細なギターの音色をかくし味に「白馬」の持つイメージ通りの一種幻想的なムードを醸し出しました。こんなマイナーな曲にスポットを当てたセンスも面白いけど、おそらくは当時の作詞作曲者が望んだ通り、あるいはそれ以上のアレンジにより現代に蘇らせたセンスを讃えたい。(注:明るくポップな曲ではありません。)

GIRLS AT OUR BEST! / FUN-CITY TEENAGERS '80 LP「PLEASURE」収録

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1980年のイギリスの女の子だけのNEW WAVE系バンドの唯一のアルバム収録曲。ギターポップというよりはパンク後に現れたニュー・ウェイヴ・バンドとして当時は SLITSなんかと一括りで特に女の子に受けが良かったですね。ちょっと後に漫画家の岡崎京子さんが「東京おとなクラブ」に同タイトルの作品を発表していたり。

トラックはストレートなパンク系ロック。けれどもリードがファルセットぎみに歌いパンク風にならなかったのが幸いして、かなりポップで聴き易く仕上がっています。明るく元気で軽やかな曲調に陽気な空気感、ひょうきんな男性コーラス等で実に楽しい雰囲気。

これだけポップな内容なんだから!と当時のクラスメートなんかにも随分カセットテープを押し付けたりしたんだけど、あんまり受けは良くなかったなあ。当時としては、多少ポップ度がキツ過ぎたのかもしれない。そういう意味では時代的に「ちょっと早過ぎたポップバンド」って感じですかねえ。 「ラブリー☆えんじぇる!!」 「PRINCESS BRIDE!」 が大受けする30年後の現代なら、もっと広く受け入れられていたんじゃないかなと思います。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(明るく元気) ポップ偏差値合計
9
7 7 7 6 6 7 9 5 63


GOLDSTONED / baby baby baby '00 「Ready Steady Goldstoned LP 3」収録

Ready Steady Goldstoned LP 3.jpg

ギターポップ版ハリーラブ。スタイル・カウンシル的なブルーアイドソウル的側面も持った一人のドイツ人によるユニットらしいです。確かにここで聴ける熟成された甘みのあるメロディはそれっぽく個人的にも実に好みのタイプ。更にドイツっぽいインダストリアル/ノイズバンド風な冷ややかさと湿り気のある空気がしっとりとした高原の風のようで心地よい。ヴァイブがコロコロと響く様も可愛らしくて気持ちイイ。一聴すると地味でハリーラブ的弾け度も低めだけど、ポップさと玄人受けしそうな高い音楽性が共存した素晴らしいトラック。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ギターポップ) ポップ偏差値合計
6
6 7 7 8 9 8 7 5 63


「恋はあせらず」トラック世界大会開催中!
"YOU CAN'T HURRY LOVE" TRACKS WORLD CHAMPIONSHIP

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岡崎律子 / はじまりはここから '01 作曲岡崎律子 編曲十川知司
「ひなたガールズソングベスト ~ラブひな~」収録

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アニメ「ラブひな」収録曲を作者自らがカバーした曲。この岡崎律子さんという人はアニソンの作曲を多く手掛ける一方、自らも歌い、沢山のアルバムを発表した、いわゆるシンガーソングライターという位置づけになるようです。明るい曲調に軽やかなテンポでカヒミ・カリィを思わせるウイスパリング・ヴォイスで歌われる曲。ちょっとコミカルでソフトでゆるい曲線を描くメロディは女性らしい作品という感じ。岡崎律子さんの一人ハーモニーとなる部分などもなかなかチャーミング。

ここまでならば、まあ普通の良く出来たガールポップで済んでしまいますが、私も偶然耳にしたこの曲、実は特筆すべき点があるのです。全体のサウンドはギターポップというワケではないですが、途中の間奏部分とエンディングで聴けるホーンによるインスト・パートがまるで80年代ネオアコ・サウンド!!!

「フリッパーズギター / HAPPY LIKE A HONEY BEE」のメロディをPALE FOUNTAINS風ホーンで仕上げたって感じ(もっと近いのがある気がしますが思い浮かばない)。どこか懐かしい、甘酸っぱい青春時代の大切な何かを思い起こさせてくれる素晴らしいメロディで、ネオアコ史に残る黄金旋律と言えるでしょう。

「YOU TUBE」でこの曲の ライブテイク が聴けます。(4分27秒以降の曲です)少しでも気に入られましたら是非スタジオテイクで聴いてみて下さい。なお、この 「ひなたガールズソングベスト ~ラブひな~」には、「恋はあせらず」トラックの最高傑作にしてアニソン・ポップの最高峰でもある 「未来への贈り物 / 堀江由衣 他」 も収録されていますので、かなりお買い得ですヨ。

Wikipediaの 岡崎律子 さんの項には、既に故人である彼女が残された多くの楽曲が紹介されていますが、ポップでオススメな曲があったら是非教えて下さい。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ネオアコ風味) ポップ偏差値合計
7
6 7 6 7 8 8 9 5 63


BLUEBELLS / I'M FALLING '84 「SINGLES COLLECTION('91)」収録

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このグループはネオアコという括りでいいのかなあ、、、。AZTEC CAMERAの持つ強い意志、ORANGE JUICEの持つ痛み、FLIPPER'S GUITARの持つ捻くれた味わいなんかが皆無に近く、三者の持つ若き青臭さも感じない。かといって明るさオンリーだからといってFRIENDS AGAINのような過剰な音楽性も無い。どうにも私の括るネオアコの仲間に入れるにはチト「ぬるい」グループという気がする。

そんな彼らの中でお気に入りの一曲がこれなんだけど、ちょっと情緒的で湿り気のあるメロディで決して明るくポップな作品ではない。5分23秒と長く全体的に大仰なバラード系の作り。歌声は特に感じるところのないあっさりしたものなんだけど、後半に向けて段々と盛り上がっていくサウンドに魅力がある。残り2分をきり歌が無くなってからの泣きのギター、エコーのかかったエレピの調べ、抑揚を抑えたコーラス、それらを従えて盛り上がるヴォーカルもようやくエンジンがかかってきたネ。ネオアコはこのぐらい過剰じゃなきゃ。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(泣きのサウンド) ポップ偏差値合計
5
8 8 5 7 8 9 8 5 63






ギターポップ推薦曲(3)


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