クロノスずんどこべろんちょ(完結)

クロノスずんどこべろんちょ(完結)

育つとは?

久し振りにコエリスの地に立ち寄った・・・。


たまたまそこに俺の友人が居た。
久し振りにコエで彼に出会えたので、コエの皆は元気か?と訪ねてみた。

彼からの答えは「最近みんな来ないねぇ」と。





この所、ラピスでも同じ現象が見られる。

ある程度今までより早い時刻にログインしてみても、フレンドリストに登録されている人もギルメンも居ない場合が殆どだ。




あの頃、あれほど毎晩一緒に遊んだ皆はドコに行ってしまったのだろう。

大切な仲間だとお互いを認め合っていた皆は、どこへ?

「俺は引退しないよ。クロノスはずっと続ける」

そんな言葉を聞いても「当たり前じゃん?w」と言っていたのは遠い昔の事なのかもしれない。





人は育っていくと、徐々に環境を自ら変えるようになる。

判りやすい例を挙げれば、友人達との社交の場は、駄菓子屋→ファーストフード→ファミレス→居酒屋→バー・・・と言った感じだろうか。

それと同じ様に、ネトゲと言う世界で中の人が経験を積んで育っていくと、やはり環境を変えて行くものなのであろうか。



保守的な生き方を続ける俺みたいな奴には、良く判らないトコではあるが、なんとなくそんな感覚を受けている。もっとも保守的と言うのではなくて成長しない奴だから、と言う言い方も出来るだろう。

このクロノスと言う大陸にしがみついて、その手を離す事をしないが故に特に感じるのかもしれない。



俺はこれからもずっと駄菓子屋の軒先で、皆がいつもの様にやってくるのを待ち続けるのだろう。

その駄菓子屋に皆がいつもいると信じて、学校から帰ったらランドセルを玄関に放り投げ、そのままチャリンコに乗って走って向かうのだろう。



その駄菓子屋へ向う途中で擦れ違った車に、皆が乗っているのにも気付かずに。


2006/10/24記


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