ちっちゃなお部屋

ちっちゃなお部屋

捨てられない人たち


それでもって、4人ともB型でした。

これは前置きです。

「ししぃーちゃんって、物持ちがいいね!」
って、気付いた時には言われていました。
好きなものを買ってもらったり、選んでいたので、物は大事にします。

大人になって、子供が生まれると、その物持ちのよさを子供と思わず比較して、
「ああ、わたしってほんとうに、 物持ちいい人なんだわ。」
と実感。

ところで、捨てられない物ってありますよね。
かつては、凄くひいきにしていたんだけど、もう使わなくなってしまったもの。
でも、捨てられない。
捨てるに忍びない。
捨てるなんて出来ない。
あわよくば、後継者を見つけたい。

そんな品物、ございませんか?

ああ、恐ろしいことです。
我が家では、「捨てられない人々」が、それらの物を持ってさまよっていました。

父は、結婚する前から使っていた家具調のラジオを兄にしばらく「使わせて」いました。
箪笥の上には、使ったことのないランプ(夜寝ながら本を読むのに使うのランプ)が、もの心ついた時から置いてありました。
母に「あれは、だれがつかうの?」
と聞いたら、「お父さんが、独身時代一人で暮らしていた時に、お姉さんにもらったんですって。」
へー。

そっと、ランプのシェードを指で押してみました。
布が劣化していて、骨組みからぼろっと外れました。
危険危険・・・。
(その後ランプは、平成10年あたりに粗大ゴミに出されたそうです。)

中学時代は兄が、読まなくなった少年雑誌を、夏休みになると、下宿からドンと宅配便で送ってきました。
「読め。」
というのです。
私は、素直に読みました。
「少年サンデー」「少年ジャンプ」「少年マガジン」「少年チャンピオン」
どうでもいいけど、4冊も一度に買って読み続けるなよ!
夏が終わって兄が東京の下宿に戻ると、続きが気になって、しばらく本屋に立ち読みに走ったものです。

あと、
「これ使えば?」って英語の辞書を兄がくれるといったことがありました。
でも、それって兄の高校で使っていた辞書なんです。
非常に申し訳ないのですが、
私は、兄よりもランクの上の高校に通っていたので、もっと、内容の濃い和英辞典を学校から斡旋されていました。
「お兄ちゃん、、この辞書、ちょっと・・・」と断ったわたし。
ぬあんだってー?と兄。
おいおい、お前の辞書見せてみろよ。
え?お前こんなの使ってんの?
おいおい、お前の数学の教科書も見せてくれよ。
え?お前もうこんなことしてんの?
あー。
どう頑張っても、お前の学校のレベルにはお兄ちゃんの学校は到達しないんだなーと、兄の面目丸つぶれでした。

でも、懲りずに兄は持ってくる。
昔録音した「ノーランズ」や「アバ」のカセット。
これ聞く?

そして、近頃は、子供用に録画をせっせとしたアニメのビデオを見ないか?
とメールがよく来る。
「けろっこデメタン」「狼少年ケン」「エイトマン」見ないか?

ああ、おにいちゃま、もう十分ですわ。

そんなおり、父が急にやってきて、柱に時計をつけに来た。
「なにそれ?」
「いやぁ、この前自動車やさんでもらったんだよ。」
・・・・・・・。
そこの自動車やで前回もらった、手動式シュレッダー、まったく駄目で、粗大ゴミに出したばっかなんですけど・・・・。

物は回りまわってやってくる。
時として「NO」といえる、勇気が必要だ。


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