おきらくごきらく

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○儲けのルール6



 お客とのコミュニケーション能力を高める
  ◆お客とのコミュニケーションがうまくいく仕組みを作る。これが顧客戦略だ。

 リピーターをしっかりつかめば楽になる。
  お客さんの新規開拓には時間も経費もかかる。
  しかし、リピーターや紹介客は新規開拓に比べると、格段に経費がかからず、こ
  の割合が増えていくと経営が安定する。
  新しいお客さんを一件作るコストを10とすると、継続客をつなぎとめておくの
  にかかるコストは1~3くらい。
  また、実績が長くなればなるほど、売り上げに占める既存客の割合が多くなり、
  経営は安定してくる。これに対し、新規に独立したときは固定客ゼロ。
  一度契約したお客さんをリピーターにしないと、自転車操業が続き、いつまでた
  っても経営は安定しません。だから、固定客化が必要になる。
  新規の顧客開拓も大事ですが、同時にリピーター・固定客ををしっかり作ってい
  くこと。これを独立当初から意識して仕組みにしておくと経営が安定する。
  ◆リピーターをしっかりつかまえるための仕組みを作りましょう。

 3ステップで経営安定
  例えば、普通の飲食店の場合、新規顧客100人のうち2度目のリピート来店は約
  6割、3度目の来店は3割、その後も数年にわたって固定客になるのは1割程度と
  いわれます。つまり、何もしなければ、お客さんのほとんどは流出する。
  これは他の業界にもいえる。
  いくら自分で頑張っていると思っていても、それは単なる思い込み。
  どんな業界にも多くの競争相手がいて、常に新しい会社や店が市場に参入してくる
  。とにかく、生き残るには競争に勝たねばならない。
  そのためには、
   ・競争相手以上に、お客さんから好かれ
   ・競争相手以上に、お客さんから気に入られ
   ・競争相手以上に、お客さんから忘れられないようにする
  以上の3ステップを意識的に実行する必要があります。
  ◆お客→リピーター→ファンへと、お客を育てよう。

 初めての人にすかれて「お客」になってもらうためには何をすればいいか?
  利益はお客さんからしか発生しませんから、もともと「経営はお客さん中心」が当
  たり前。どんな会社の経営計画書を見ても、「顧客第一主義」と判で押したように
  書いてある。しかし、実際はなかなか難しい。
  ある研究者が道を歩いている人に「今、何を考えていましたか?」と調査した。
  その結果、97%の人は自分のことを考えていて、他人のことを考えていた人はわ
  ずか3%だった。つまり、人は放っておくと自己中心に物事を考えるという本性を
  持って生まれている。そして、その欠点は経営のいたるところに出てきてしまい、
  ひいては経営状況を不安定にする。
  そこで、初めての人に好かれてお客さんになってもらうためには、
  「お客さんと直接接するところを総点検」し、
  「お客さんに不便や手間をかけているところを改善」することになる。
  まずは、身近な名刺・封筒・電話・FAXをみてみましょう。
  これらは、あまりにも身近すぎて見過ごされがち。
  以下は主に法人向け営業の場合ですが、小売店や飲食店の場合はさらに顧客と直接
  接する機会が増える。お客さんの立場で不便に思うことを書き出し、自社・自店で
  はどうか、どこをどう改善するか。
  こういったことを考える日を月に一度は持ち、創意工夫を重ねていきましょう。
  ◆すかれてお客になってもらうためには、お客の立場になって考えることが大切。
   まずは、お客と直接。接するところを総点検。お客に不便や二度手間をかけてい
   るところを改善しよう。

 ◆お客さんから好かれるための名刺・封筒つくり
  好かれる名刺のコツ
   1.電話・FAX番号は見やすい大きな文字で
   2.法人の種類は社名のあとに
    (法人の種類が前にあるときは、社名より小さな文字で)
   3.社名とキャッチフレーズを混同しない
   4.住所だけでは場所はわからない
   5.顔写真を入れる
   6.名刺のウラも使いましょう
  好かれる封筒のコツ
   封筒をミニカタログにしよう(メッセージ欄をつくろう)

 ◆お客さんから好かれる電話・FAX対応のコツ
  好かれる電話対応のコツ
   1.話し中をなくす(回線を2本引いたり、キャッチホンを利用)
   2.新人に電話を取らせない(独立したては社長が取ろう)
   3.用件をいちいち聞かない(業者も立場を変えればお客さん)
  好かれるFAX対応のコツ
   1.専用線を引く(電話との兼用はやめよう)
   2.複数回線を引く(FAX使用が多い場合)
   3.呼び出し回数は短く(呼び出し音は0~1回に)
   4.メンテナンスはしっかりと(定期的にクリーニングを)

 お客に気に入られてリピーターになってもらうにはどうしたらいいか?
  お客さんになってくれた人に、さらに気に入ってもらうためには、どんなことを
  すればいいでしょうか?
  まず「お客さんが思っている以上の、プラスアルファのサービスを実行する」こ
  とが一番の近道。
  それには、自分の都合や面倒臭さをぐっとおさえ、親切で報いを求めない行動が
  必要。
  少々話がそれますが、相手が良くなることを本心から願い、自分の精神力や思い
  の全てを相手に捧げた状態を「祈り」と呼ぶ。
  しかし、祈りの状態になるのはとても難しく、普通の人はとてもできない。
  この状態に近いのが「感謝」。感謝とは、「感じたことを、言葉で射る」と書
  く。つまり、感じたことをありのままにパッと伝えるのが感謝。
  ですから、感じても言葉や態度に表さなかったら、それは感謝ではない。
  ありがたいと思ったら、口や言葉や文章で相手に伝える行動が必要。
  雨の中を来社・来店してもらたら「わざわざ雨の中をありがとうございます」と
  素直に言葉に出してお客さんに伝えること。
  同じく、注文が入ったら、お礼の電話かFAXをすぐに入れて、喜びを素直に伝
  えること。
  入金があったら、すぐにお礼のハガキかFAXを出し、喜びを素直に伝えること。
  こうするだけでも、きっとあなたの会社を気に入ってくる。
  これを実行するだけでも、お客さんが思っている以上の何かになる。新人研修な
  どでは必ず「報・連・相」の話が出る。「部下は上司に報告・連絡・相談をきち
  んとせよ」。
  でも、繰り返しになりますが、利益はお客さんからしか生まれない。
  社内の会議や報告よりも、「お客さんへの報・連・相」を最優先すべき。
  ◆お客に対して「感謝」をしよう。報・連・相はお客から。
   それだけでもお客はあなたの会社をきっと気に入ってくれるはずだ。
   なぜなら競争相手は感謝をしていないから。

 誰でもできるはがきで感謝。
  もっとも役立つのが、手書きのハガキ。
  ◆お客さんに気に入られるハガキ作戦
   1.入金お礼(FAXでもOK)
   2.その都度ハガキ
   3.面白い・役立つ内容の定期メール
   4.徹底して継続させる(フォームを作りましょう)
   5.意味を忘れない(感謝を態度で示しましょう)
  ハガキやFAXは経費もそれほどかからず、かつ、感謝の物的証拠として残る。
  Eメールという手段もありますが、インターネットが普及すればするほどアナロ
  グは貴重。できるだけ手書きで感謝を示したいもの。

 リピーターが他の人にも紹介してくれるようなファンになってもらうには何をすれば
 いいか?
  「感謝を態度で示す」ハガキやFAXに加えて、大事なことは「一度、商品をお買
  い上げ頂いたお客さんを忘れてはならない。同時に、お客様からも忘れられてはな
  らない」こと。そして、他の人にも紹介したいと思ってもらわなくてはなりません
  。そこで有効なのが、「定期メール」や「ニュースレター」の発行。

  ◆忘れられないニュースレター作戦
   1.質より量(目的はお客さんに忘れられないこと)
   2.お客さんに役立つこと(予期しないサービスを)
  本当の営業とは、相手の困っていることや必要とする情報を察知し、自社の商品や
  サービスで解決すること。そして、その対価としてお金を頂くのが経営。
  さらに、あまりお金をかけないで、お客さんのためになることや役立つことがあれ
  ば、目先の損得抜きに実行に移す。
  すると、お客さんは喜び、感謝もされますから、ますます仕事も楽しくなり、さら
  にお客さんの役立つサービスが自然にできるようになる。
  このように「顧客戦略」を極めると、報いを求めない親切心と行動力が身につきま
  す。また、それは最終的にはあなたの人間性を高め、人格を磨くことにもつながる
  。

 「うらみ」と「のろい」と「たたり」の経営
  「初心7年」と言われるとおり、7年もたつと初心の素直さや原点の心をすっかり
  忘れ、自己中心的になる社長が増える。
  さらに、「横着15年」と言われるとおり、15年もたつと自分に直言する人がい
  なくなり、経営が横柄になってきている。
  すると、注文をもらっても「当然」という顔をして、感謝を態度で表さなくなる。
  また、得意先からみると大事な注文であっても、納期もサービスもいい加減になる
  。でも、自社の商品だけはどんどん買ってもらいたいという、厚かましい考えを持
  つようになる。これを「自己中心の経営」と呼びます。
  こうなると、お客さんは嫌気がさして他社に注文を出すようになる。
  ところが自己中心の経営をしている人は、自分の行いの悪さを棚に上げ、
  「今まで面倒をみていたのに、よそから買うなんてけしからん」
  と、お客さんの悪口を言うようになる。
  これを「うらみの経営」とか「のろいの経営」と呼ぶ。

  お客さんの悪口を言うようになると、これが態度に出て、お客さんの評判は一層悪
  くなり、そのうちお客さんが少なくなって経営が危うくなる。これが「たたり」で
  す。
  業績が悪いのは、「景気が悪い」「政府が悪い」「場所が悪い」とか言いますが、
  実は業績不振の大半はこのタイプの会社が多い。
  常に、自分の会社をお客さんから見たらどうなのか、チェックを怠らないようにし
  よう。とにかく、顧客戦略で大切なことは、お客さんが思っている以上の何かをす
  ること。

◎まとめ
 顧客戦略4大原則
  原則1.「顧客戦略は経営安定化のために欠かせない」
  原則2.「顧客戦略の基本は3ステップ(感謝は態度で示せ)」
    ◆ステップ1 好かれて「お客さん」になってもらう
    ◆ステップ2 「お客さん」から気に入られて「リピーター」になってもらう
    ◆ステップ3 「リピーター」から忘れられず「ファン」になってもらう
  原則3.「キーワードは『お客さんが思っている以上の何か』をすること」
  原則4.「慢心してはいけない」




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