Fu.Ta.Tabi.

Fu.Ta.Tabi.

スリランカの旅 3

スリランカの旅


スリランカ 5
<ダンブッラ>
ダンブッラはアヌラーダプラの南、バスで1時間半の場所にある大規模な石窟寺院である。高さ300mの岩山の中腹にあり、5つの石窟から成り立っている。バス道からは180mの高さのところにある。寺の境内がどこからかはっきりせず、スリランカ人は下から裸足で登っていくが、外国人には岩を素足で何百mも登るのは耐えられず、石窟寺院のぎりぎりのところまで、靴を履いて登らざるをえない。この石窟寺院は碑文や口伝により、紀元前1世紀まで遡ることが知られている。11世紀にも、さらにその後何度も17世紀まで、修復・増設がなされた。五つの石窟の内、第2窟が最も大きく、中心的な石窟になっている。いずれの石窟にも複数の石仏が座り、壁や天井には仏教画が描かれている。壁画は古いものは8世紀に描かれたと言われるが、そのほとんどは17,18世紀のものである。第2窟には合計53体の石仏と北側の天井に釈迦の一生を描いた壁画が描かれ、出家後、自分の髪を切るシーンもある。
スリランカ 6
<シーギリヤ>
一枚の大岩からなる名所は、オーストラリアのエアーズ・ロックが有名であるが、シーギリヤも平原に聳え立つシーギリヤ・ロックと呼ばれる大岩にある特異な遺跡である。ダンブッラから東へローカルバスで40分、周囲を矩形の堀と防御璧に囲まれ、その中心に高さ180mの巨岩が聳え立つ。かつての城砦で、巨岩の上には宮殿があった。巨岩の周囲は絶壁で、見学者は急峻な通路を、文字通り、よじ登らなければならない。頂上まで1時間はかかる。477年にカッサバ王が、城砦などを大規模に造営したと言われる。岩山の側壁の窪地の岩壁に半裸の女性が描かれている。これが「シーギリヤ・レデイ」であり、1500年も前に描かれた壁画とは思えないほど色彩が保たれている。この窪地の壁画を見るために、螺旋階段を建物3階分ほど登らなければならない。シーギリヤ・レデイは岩山のほぼ中間点にあたり、更に登ると小高い平地に辿り着く。そこには巨大なライオンの前足が残り、かつては頂上にかけ、ライオンの上半身と頭があったと考えられている。ライオンの前足から頂上に至る登山路は、いよいよ狭く急峻で危険になる。
頂上には大規模な宮殿の基礎部分が残り、また飲料水の手当てのための長方形の池があり、今でも水をたたえている。頂上は風が強く、涼しいが、陰がないので晴天では暑い。周囲が絶壁であり、四方が良く見渡せ、矩形の堀や防御璧、王の沐浴場と言われるプールも良く見える。
スリランカ 7
<ポロンナルワ>
アヌラーダプラから南東へ90キロ、バスで3時間、もう一つの古都ポロンナルワがある。3角地帯の下辺の右の点である。アヌラーダプラがインド・タミール人の攻撃で陥落した後、シンハラ人は11世紀の初めから13世紀の初めまでの200年間、ポロンナルワに都を置いた。旧市街の中心部に考古学博物館があり、遺跡はその南2キロの部分と、博物館以北の部分の2箇所に分かれる。アヌラーダプラの見学はレンタ・サイクルで行なったが、暑さでまいったので、ここでは小型三輪車を500円でチャーターして遺跡見学をする。まず南部の寺と石立像を見る。12世紀後半に在位した王、パラークラマ・バーフ1世の像といわれるこの高さ3,6mの石像は、その手に椰子の葉に書かれた仏典を持っている。その南の石造遺跡ポトグル・ビハーラは図書館で、椰子の葉に書かれた仏典が保存され、仏典の朗誦が行なわれていたという。考古学博物館北の遺跡群の内、もっとも大規模なのはクワドラングルと呼ばれる11の建造物、寺址の集まっている場所である。ここにはガルポタと呼ばれる石の本がある。長さ9m、幅1,5m、厚さ45センチの歴史を記したこの巨石碑文は、800年前のものである。遺跡北部のガル・ヴィハーラには、石仏坐像、立像、涅槃像の3体が、1枚岩に彫られており、見事である。 また、蓮の池、沐浴池もある。
スリランカ 8
<キャンデイ>
1592年から1815年まで都が置かれていた町で、ポロンナルワから西南へバスで3時間で行ける。スリランカ王朝最後の都である。  中心部には仏歯寺があるが、1998年に死者30余名を出すテロがここで発生したために、異常に警戒が厳しい。仏歯寺を守るように重火器を備えたトーチカが数基置かれ、また入場するのに3度、厳しいボデイチェックと持ち物検査がある。都心に19世紀のレトロな建物が残る町である。町の中心部に歴史のある格調高いクイーンズ・ホテルがある。町から西へバスで40分、ヒンズー・仏教混交の14世紀に建てられた3寺院、ガラダーデニヤ寺、ランカーデイラカ寺、アンパケ・デーヴァーレ寺を見学する。アンバケ・デーヴァーレ寺には、多くの柱にレリーフが彫られている。しょっちゅう旅をしているのであるが、キャンデイで初めて、日本人宿に泊まった。セバナ・ゲストハウスである。日本人の習慣を持ち込んだ宿で、私の嗜好には合わない。日本人宿には、もう泊まりたくない。
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