紅ノ蝶

紅ノ蝶

笑顔の裏の君の思い









笑顔の裏の君の思い





















―いってきます兄さん―











アイツは覚悟を決めた。


辛い筈なのに笑ってそう言っていたんだ。


本当は俺が代わりに戦ってやりたかった。


アイツに辛い思いはさせたくなかった。












その笑顔を見て、ふと初めて会った時の事を思い出した。










『神田ユウ君?私はリナリー。リナリー・リーっていうの。』


笑顔で手を差し出され、柄にもなく手を握り返した。



俺は最初、こんな奴もエクソシストなのかなどと見下していた。

女なんて、弱いに決まっていると。

泣き言ばかりで何も出来ない。

所詮俺には関係のない存在。








だけど。









アイツ…リナリーは、








俺が思っていた女の姿とは全くと言っていいほど逆だった。







アクマとの戦いでも俺に遅れをとらないし、弱音を吐くなんてもってのほかだ。

(すごい女だな………。)











でも











ただ強いだけじゃなかった。




その強さの反面、隠れてたくさんの涙を流していた。




その笑顔の反面、心はいつも泣いているような気がした。






―みんなに心配されるの嫌なんだもん―







自分以外の人間の事も考えて




―こんなんじゃダメだって思っているのよ!強くならなきゃって―







自分のこともしっかり考えていて


絶対に人に弱みを見せない



そんなリナリーを

見つめるうちに、

一緒に話をする度に、

隣で座禅をする度に、















―俺はお前は強い女だと思うがな―












本当にそう思ったんだ。







だから…





だから………。













「死ぬなよ…リナリー…。」















誰にも聞こえないような声で、でもアイツには聞こえるように俺は呟いた。











-----
2008.3.19
神田→リナリーですね。
今週号読んでの妄想小説。
ここまでお付き合いありがとうございました。




© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: