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薩摩・大隅見聞録
何故、管理人が体力づくりをしてるのか
みなさん、≪甲状腺機能亢進症(バセドー病)≫という病気を知っていますか?
私、管理人は、小学校4年生のときにこの病気が発覚しました。
症状はというと、『夜中に冷蔵庫の中身をたいらげてしまうくらいの空腹と食欲(その割に体重増加の傾向が見られない)』、そして『死んだように何時間でも眠る』、『不自然な首の腫れ』でした。
現在はどうかわかりませんが、当時は「何故こんな病気に小学生が?」と珍しがられたものです。
なので体格は、痩せすぎ、そのため放っておけば体力も筋力もありません。
妊娠・出産のときは、早産などの合併症や体力低下によっての「死」も覚悟したほどです
母親というのは、精神的にも身体的にもパワーが要ります。
ですから、体力維持のために筋トレなどをしているわけです。
◆ バセドー病
【原 因】
代表的な甲状腺機能亢進症です。若年の女性に多く、男性の数倍の頻度でみられます。人口10万人あたり100人程度の患者がいると推定されます。
発症には遺伝的な素因と環境因子が関係するようです。過労、心労、外傷、出産などのストレスのあとに発症する場合が多いといわれています。
バセドー病は甲状腺細胞に存在するTSH受容体に対する抗体(TRAb)が原因です。この自己抗体はTSH受容体と結合して甲状腺を刺激し、過剰な甲状腺ホルモンをつくり機能亢進症を起こします。
【症 状】
症状の大部分は甲状腺ホルモンの過剰によるものです。からだの代謝が過度に刺激されるため、運動時と同じ状態になります。暑がりで汗をかきやすくなり、飲水量も増えます。エネルギー消費の増加により食欲があっても、しだいに体重が減少します。交感神経が興奮状態になるため、脈拍が早くなり動悸を感じます。不整脈もよくみられ、高齢者ではむくみや呼吸困難などの心不全症状を示すこともあります。
また手などが細かくふるえるために書字などに困難を感じます。筋力が衰えて疲れやすく、階段の昇り降りや立ち上がるのもつらくなります。男性ではまれに過労、飲酒の翌日に筋肉のまひを起こすことがあります(周期性四肢まひ)。
消化管の運動も過剰になり、下痢をしやすくなります。精神的には落ち着きがなく、せっかちになり、感情の起伏が激しくなります。時に精神病を思わせる症状が出現したり、重症では昏睡に至ることもあります。
高齢者では逆に周囲に関心がなくなり無欲状態になることもみられます。
目の症状も有名で、眼球の前方突出(眼球突出)、上まぶたのはれ、眼裂の開大(驚いたときの目に似る)、眼球運動の障害のためにものが二重に見える(複視)、などいろいろな症状がありますが、必ずしもそうなるとは限りません。目の症状の大部分は甲状腺ホルモン過剰ではなく、眼球のうしろの組織や眼肉の免疫的な炎症によるものです。多くの場合、甲状腺はびまん性にはれてきます。
【診 断】
症状と血中甲状腺ホルモンが高値であること、TSHは抑制され、血中にTRAbが存在することで診断されます。目の症状はバセドー病の特徴です。一般検査では肝機能が異常なことがあります。コレステロールなど血中脂質は低下します。
【治 療 】
過剰な甲状腺ホルモンの分泌を是正し、機能を正常化することが原則です。治療には内科的治療、外科的治療、放射線治療の3つがあります。
内科的治療では抗甲状腺薬(メチマゾール=MMI、プロピールチオウラシル=PTU)を使用します。この薬剤は甲状腺に作用して甲状腺ホルモンがつくられるのを阻害します。通常、薬を服用すると1~2カ月で機能が正常化します。そのあと服薬量をしだいに減らし、一定量を2~3年服薬します。機能が正常化すれば症状は消え、体重も増加します。
内科的治療の欠点としては、治療期間が長いこと、薬を中止したあと再発例が多いことが挙げられます。また抗甲状腺薬で薬疹や肝臓機能障害などの副作用のため使用できないことがあります。まれですが、血液中の白血球が減少する顆粒球減少症という副作用があり、この場合には感染症によって死亡することもあるので、服用中に発熱などの症状が出たら、ただちに薬を中止し検査を受ける必要があります。これら副作用は服薬を中止すれば回復します。なお抗甲状腺薬とともにベータ遮断剤を使用して、脈拍やふるえを抑えると自覚症状がかなり軽快します。
外科的治療は、甲状腺の一部を手術によって切除し(甲状腺亜全摘)、甲状腺ホルモン濃度を正常化するものです。まず内科的治療で甲状腺機能を正常化してから手術をおこないます。大部分は術後すぐに機能が正常化しますが、再発や機能低下症も起こることがあります。一般には甲状腺のはれが非常に大きい場合には手術治療がすすめられます。
放射線治療は放射性ヨードを服用する方法です。ヨードは甲状腺にはよく取り込まれます。取り込まれた放射性ヨードは、その放射線によって甲状腺組織を破壊するので、甲状腺ホルモンが低下します。服用すると2~3週ほどで甲状腺ホルモンが低下してきます。放射線治療は妊娠中の患者さんでは使用しません。放射線を使用しますが、がんや白血病などの危険はありません。
ただし服用して数年以後に甲状腺機能低下症に移行することがあります。3つの治療法はそれぞれ一長一短があり、患者さんの病状や希望、医療施設の状況などによって治療法を決定します。抗甲状腺薬に副作用のある場合は、ほかの方法を使用します。
日常生活の注意としては、甲状腺機能が亢進している間は過労やストレスを避けます。機能が正常化したら日常生活に制限はありません。バセドー病は若い女性に多いため、妊娠や出産に関する心配をされることが少なくありません。まず甲状腺機能が亢進している間は妊娠を避けるようにします。早産などの合併症が多くなるからです。
機能が正常化したら抗甲状腺薬を服用しても妊娠はさしつかえありません。ただ抗甲状腺薬を多量に服用している場合には、薬剤が胎盤を通じて胎児に移行し、胎児の甲状腺機能を抑制する可能性があります。妊娠中の服用量については、専門医の指示が必要です。
母親の血液中のTRAbの濃度が高い場合には、この抗体が赤ちゃんの甲状腺を刺激してバセドー病を起こすことがあります。これを新生児バセドー病と呼びます。出生後2~3週で自然によくなりますが、この間治療が必要です。抗甲状腺薬による奇形については心配する必要はありません。妊娠してから初めてバセドー病が発見されることもありますが、この場合も抗甲状腺薬を服用して母親の甲状腺機能を正常化することが大切です。
抗甲状腺薬は母乳にもわずかですが移行しますが、授乳もさしつかえありません。乳汁への移行の少ないPTUが使用されますが、1~2錠程度であればMMIでもさしつかえありません。
なおバセドー病は妊娠中には一般に軽快する傾向がありますが、出産後数カ月後に悪化することが多いので、定期的なチェックが必要です。目の症状に対しては症状に応じて対処します。眼球突出や眼瞼挙上のため睡眠中に完全に目が閉じないで、角膜の炎症を起こすことがあります。睡眠前に点眼薬を使用したり、眼帯で保護する場合があります。
眼症状が強い場合にはステロイド剤、利尿薬や目の後部に対する放射線治療をおこなうことがありますが、眼科の専門医による診察と治療がすすめられます。複視に対しては時期により手術も必要となります。
時事通信社「家庭の医学」より
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