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統一球によって、野球はどう変わったのか?
1 打者編
本塁打数は1605本から939本に、約4割も減りました。球団別では12球団一の226本塁打をマークした巨人は108本、173本だった阪神は80本に半減。持ち前の強打を発揮できずに苦戦しています。
また、セ・リーグで14人いた3割打者は4人に、パ・リーグは13人から5人に減っています。逆に投手の防御率はと言えば、セで1人もいなかった1点台が2人生まれ、パは3人増えて4人になりました。
1試合の両チーム合計得点は昨季の平均8.8点から、6.6点に低下しています。多くの打者から「バットの芯に当たらないと飛ばない。球が重く感じる」と嘆きが聞かれました。
そんな中、ソフトバンクの内川は、王球団会長から「練習で120%、試合で80%の力で振れ」とアドバイスされて実践しましたが、統一球対策は特に取らなかったと言います。「意識の問題。おかしいと感じる選手と感じない選手で差があったのでは。僕は感じなかった」。もともと打撃の精度が高かったことを実証する形で、首位打者を獲得しました。
さてもう一人。統一球に苦しむ打者たちを尻目に、西武の中村が2009年の自己最多に並ぶ48本塁打を放ったことは奇異に感じられるかもしれません。
最初は中村も飛ばないということで無意識にも振りが大きかったようです。きっかけになったのは、6月5日の横浜戦で打った13号。「前日死球を受けた左手にほとんど力が入らず、右手だけで打てた感覚だったが、しっかり芯で球を捉えて押し込められれば、打つポイントが前か後ろかは関係ないと分かり、早い段階で、統一球は飛ばない、という意識をなくしたことの方が大きい」と語っています。それからは、ミートのポイントや強さより、正確さを意識して打席に立つようになり、ホームランを量産しました。
中村自身の変化もありました。48本打った09年、3.65打席に1回の割合だった三振が、今季は4.64打席に。中村は「確率を上げれば、来年はもう少し打てる」と初の50本台を狙っています。そのために打撃は変えるかもしれないが、統一球対策は頭にないと言います。
「統一球への対応は、打撃の精度、正確さ」という意味で、内川と中村には共通点があるように思えます。福岡工大工学部の溝田武人教授(流体力学)は、「打った瞬間に毎秒30~35回の強い回転を球に与えてやれば、打球に従来の球と同じ揚力が生まれる」と指摘しています。このことは、多くの打者が「芯で捉えて振り切ったときは、以前と変わりない」と語った印象とも一致すると思えます。
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