朝市は地域の風物詩でもあります。飛騨高山に代表される観光客対象の「朝市」も趣がありますが,古くから地元の人たちのために生鮮品などを供給する役割を担ってきた「市」は,地域の気風,暮らしぶりが肌で感じられ,興味深いものがあります。
鹿児島中央駅からすぐの場所にある「西駅朝市」は,新鮮な野菜や魚,乾物,さつま揚げやお漬物まで手に入ることから,地元の人や観光客で賑わっています。
鹿児島中央駅をいまも「にしえき」と呼ぶ人は人は,根っからの“かごつま人”。平成2004年の新幹線開通までは,鹿児島中央駅の名称は「西鹿児島駅」。地元では「にしえき」と呼ばれ親しまれています。
西駅朝市は現在,鹿児島中央駅東口から市電を横切り,徒歩1~2分の一角にあります。朝5時ごろから始まり,午後1時くらいにはほとんどが店じまいです。
いまでもその名をわずかにとどめているのが「西駅朝市」。 第二次世界大戦後に,鹿児島本線,指宿枕崎線,日豊本線の沿線の人たちが,農産物や海産物を持ち寄り,駅前やバスロータリーで販売したのが起源ということです。この朝市は,大きなテント張りの共同店舗と共同店舗を核に,複数の店舗と露店で構成されています。
朝市からややはずれて大通りのナポリ通りに沿っては,70年配の数人のおばさんたちが店を出しています。のんびりと芋の皮や,たけのこの皮をむいたりしながら,お客を待っています。