ハンサムネコ ☆アビ☆

ハンサムネコ ☆アビ☆

感じの悪い店



「今度できた、駅の近くのスーパー、感じ悪いわよ」と、みさ子が言った。
「あなたもやっぱりそう思う?」と、ふみ子が応じた。
「品数が少ないし」
「しかも品質が悪くて」
「安物ばっかりね」
「だいたい、入り口のところ階段でしょう、入りにくいわ」
「そうそう。だから出るときだって、あわてると転びそうになるのよ。」
「自動ドアじゃないし」
「レジの人が暇なもんで、出入りするとき、じっと見てるじゃない。あれ、本当にいやな感じよ」
「出入りするときだけじゃないわよ、品物選んでる最中、ちょっとふり返ったら、レジのとこからじっとこっちを見てるじゃない。ぎょっとしたわ。」
「レジからずっとどの棚も通路も見渡せるようにできてるみたい」
「だったら、監視カメラ、あんなにたくさんいらないと思わない?いかにもお客さんを信用してませんて感じで」
「店員もなってないわ。品物探してると、後ろから『いらっしゃいませ!』なんて、急に声かけるから、心臓が止まるかと思った」
「いやな店」と、ふみ子が締めくくった。
「もう二度とあんな店で、万引きしないわ」
みさ子も言った。
「私もやめとく」


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: