母親と女神

神聖なる意識―母親と女神、そして私達


前回は、私たちの求めに応じて、女神様たちも変容なさると言うことを書きましたが、これは、あくまでも、物理次元に生きる、制限された知覚しか持たない人間の考え方であります。


本来女神様は、とても多くの働きを持ち、私たちには理解できないほどのすばらしさ、豊かさを持ち合わせた存在です。女神様の本質は、全く変わらないにもかかわらず、その働きを限定して理解しているのは、まさに私たちの意識に他なりません。


もし、私たちの意識が高まり、物理次元で作り上げた制約から自由となり、知覚が広がってくると、すこしずつ、女神様の全体像に近いものが見えてくるのです。そして当然、私たちが女神様から受取る豊かさや恵みはより広範囲のものとなってきます。


それは、子供(人間)と母親(女神様)の関係にもたとえられると思います。
生まれたばかりの赤ん坊は、自分が母親から生まれたこともわからずに、自分の生理的な欲求(食事や排泄)のみで生きています。その時、子供にとって母親は、食事を与えてくれ、自分の排泄を手助けしてくれるだけの存在としてしか理解できません。


これが、幼稚園から小学生くらいになると、母親の仕事は、食事と排泄の手助けだけでなく、家を掃除したり、買い物をしたり、お風呂に入れてくれたり、場合によっては、外に働きにも行くのだということを理解し始めます。でもまだこの頃は、自分を中心に世界が回っていますから、母親の考えや思いを理解することはできません。ただ、母親に甘えて保護されることを求めるのです。


自分がお母さんから生まれたことを理解し、そして感謝の気持ちを持って、お母さんのお手伝いをするようになるのは、小学生後半から、中学生のころでしょうか。女神である母親と共にいることが楽しく、母親の仕事にも興味と理解を示すようになります。自分も母親みたいになろうと、素直に努力するのです。それは、女神である母親の愛情のなかにあることで、自分自身の情感や意識を育てていくためのものでもあります。


しかしながら、自意識が芽生えてくる高校生から20代前半になると、人は自分自身の自我を拡張させ始めます。母親から多くの事を学びますが、母親という存在を乗り越えるためにも、母親に反発しながら、自らの考えで育っていくのです。
しかし、この時も女神である母親は、子供のことを真剣に思い、子供を導くために、目に見える形、目に見えない形でさまざまなサポートを行います。


そして人間は、学校を卒業した後、社会人として働くことにより、社会の中での自分の立場を理解し、自分の意識と知覚を、飛躍的に成長させます。その経験をとおして、初めて、女神である母親の働きや考えが理解できるようになるのです。


しかしながら、母親の存在を本当に理解できるようになるのは、やはり自分が母親になってからのことのほうが多いようです。もちろん、実際の母親にならなくても、企業の中で部下を育てたり、友人たちの面倒を見たりすることによっても、女神としての存在を理解することはできます。


自分が、他人から、保護される、面倒を見てもらう立場から、他人や子供を育てるために、限りない愛情を注ぎ始める時、そして見返りを求めない愛情を、子供や他人のために行使するときに、初めて母親の気持ちや苦労が理解できるようになるのではないでしょうか。


もちろん楽しいことばかりではありません。子供達のために苦労したり、一生懸命尽くしても、理解されずに拒絶されることもあるでしょう。しかし、そのような経験すべてが、自分の意識を高め、知覚を拡張させるために必要なのです。女神として、多くの人たちに限りない愛情を注いでいる存在を理解しその働きを知るためにも・・・。


女神と共に生きるということは、ただ子供のように甘えるのではなく、女神達の働きを、自分のより高次な意識(聖なる意識)で理解する事であります。

そして、女神達の働きが、変わっていくように見えるのは、私たちの女神に対する理解が深まったために、女神の本質や全体像が見えてきただけのことなのです。女神の本質は変わりません。ただ、私たちが女神から受取る【豊かさ】が、私たちの受取る意識と能力に合わせて、広がっていっただけなのです。




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