2014年02月18日
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カテゴリ: 日本語本
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博物館のファントム 伊与原新

小説すばるに連載されていた、伊与原新さんの短編がまとまって単行本になりました。

60年にわたって増改築が繰り返され「迷宮」と化した博物館の旧館に棲みついた、
変人博物学者・ファントムこと箕作(みつくり) 類(るい)。
「何も捨ててはならぬ」が口癖の彼と、
片付け魔の女性新人分類学者・池之端(いけのはた) 環(たまき)の
でこぼこコンビが解決のために動きだす……!


国立自然史博物館に預けられていた「呪いのルビー」が狙われた。
最近、頻発している鉱物標本盗難事件との関連は?
もしや、呪いのルビーこそ<幻の宮沢賢治コレクション>なのだろうかーー?
(「呪いのルビーと鉱物少年」)。
植物研究室の美女が中庭の毒草で元恋人へ復讐する!?「ベラドンナの沈黙」、
絶滅したとされるニホンオオカミの伝説を追う「送りオオカミと剥製師(はくせいし)」、
ニセ化石ビジネスの謎を巡る「マラケシュから来た化石売り」など、全6編の連作短編集。

(楽天ブックスより転載)

箕作は21世紀の南方熊楠とも言える博物学者。
もう何でも知っています。人類も動物も昆虫も何でもござれ。
博物館に住み着いている箕作が主人公ですから、
何でもかんでも学名で分類します。

知識の洪水に圧倒されます。
学名の羅列には、ちょっと引いてしまいますが、箕作が分かりやすく説明
してくれるので、全く心配いりません。

どの話も不思議な事件が起きます。何が何だかサッパリ分からないのに、
箕作だけは膨大な知識を元にあっという間に事件を解決してしまいます。

全6編のうち「死神に愛された甲虫」が一番楽しめました。
謎も面白いし、箕作のやさしさが一番出ていますよね。

こうやって単行本で読むと、最初から色々伏線を張っているのがよく分かります。
連載ではバラバラに思えたエピソードも、違和感が無いです。

理系推理小説とも言える、ちょっと毛色の変わった小説です。
とっても知識欲が刺激される小説です。
何か、図鑑とか写真集を見たくなってきます~。

箕作と池之端の関係も、良いコンビですよね。
王道とは言え、とても素敵な距離感です。
ホームズとワトソンの関係ってかんじですけど、
どちらかというとテレビの「ガリレオ」コンビの方が近いですかね。

本で読んでも面白いですが、映像化されるともっと面白いかも。

いや~、やっぱり続編が読みたいです、伊与原さん!


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最終更新日  2014年02月18日 23時57分14秒
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