*.・゜・.*君に花束を*.・゜・.*

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おじいちゃん 1 <文>


アタシが、生まれて初めてとても身近な人の『死』を体験したのは

中学生のときだった。

まだ、夏でその日は海水浴の帰りだった。

家に帰ってだらけていたら電話がきた。

相手はおばあちゃんだった。

おじいちゃんが死んだ、と。

とても夢を見ているような気持ちで

お母さんとお父さんがあわただしく

準備をしていたのをぼんやり覚えている。

おじいちゃんの家に行くと、たまにしか会わないような親戚が

沢山きていた。

おじいちゃんは、白い服を着せられて顔に白い布をかけられていた。

むせ返るくらいのお線香の匂いがした。

おじいちゃんを見たとき、やっぱりまだ夢見ごこちだった。

それから、淡々と進められていく通夜、葬式。

アタシはずっとその間夢を見ているような気がした。

骨になったおじいちゃんをみてもまだ夢を見ている気がした。

夏休みが近かった。

葬式を終えてから家に帰ってもまだどこか上の空だった。

ぼーっと色々な事を考えていた。

おじいちゃんの思い出とか。

アタシは夏休み・冬休み毎回独りでおじいちゃんの家に遊びに行っていた。

1週間くらいずっといた。

その度におじいちゃんとおばあちゃんはアタシを色々な所へ連れて行ってくれた。

アイスを食べに行ったり、鍾乳洞に行ったり、ドライブしたり

確か、最後に一緒に出かけたのは鍾乳洞だったっけ?

暑い暑いと五月蝿かったアタシを鍾乳洞まで連れて行ってくれた。

そういえば今年は、一緒に丘の上にある羊の牧場まで行こうって約束したっけ。

なーんて。

夏休みに入り、アタシはおじいちゃんの家に行った。

おじいちゃんは、骨になって仏壇のところにいた。

そこで、アタシは夢を見た。

おじいちゃんの夢だった。

おじいちゃんは何も言わずにいつもの所定の位置まで移動して

ゆっくりタバコに手を出す夢だった。

アタシは、目がさめた。

おじいちゃんがいないと言う現実。

なぜかそのとき、ようやくおじいちゃんの『死』が解った。

無性に泣きたくなったのを覚えている。



つづく。


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