1936年ジョージ5世が亡くなり
長男のエドワード8世が即位します
新王エドワードは
離婚歴が有り、夫のある女性
ウォリス・シンプソンとの結婚を望んでいますが
英国教会の首長でもある国王が
離婚歴のある女性と結婚することは認められず
国を挙げての大騒ぎになり
王位か恋かの選択を迫られたエドワードは
王位を捨てました
そして王になるべく育てられたわけではなく
望んだわけでもない次男のジョージが
ヒトラーがドイツの首相になり
ファシズムが台頭し
第二次世界大戦勃発が目前の
この難局に
国王にならざるをえませんでした
他にもジョージには
国王として不都合なことがありました
幼い頃の乳母の影響と厳しい父の躾のため
真面目で繊細なジョージは
吃音という言語障害をもってしまったのです
民衆を前にすると言葉が出なくなるのは
演説が不可避の国王としては
非常に困ったことです
吃音を克服するべく
忍耐強く努力がなされますが効果はなく
ジョージと妻のエリザベスは苦しみます
念のため、このエリザベスは
現エリザベス2世の母です
言語療法士のライオネルの献身
寄り添い励ますエリザベスの愛
ついに、イギリスはドイツに宣戦を布告します
国王はラジオを通じて
国民にスピーチをしなければなりません
ナチスと戦うためには
国民の心が一つになることが大切ですから
国王は国民の心を打つ演説をしなければなりません
ジョージ6世は、この大切なスピーチを
吃音を見せないようにゆっくりと間をとりながら
威厳をもって、全身全霊を込め
誠意と勇気で語りました
戦争にならないために、あらゆる努力をしたが
努力の甲斐がなく戦争になったことを説明し
これからは、暗い日々が続くかもしれないが
力をあわせて頑張っていこうと話しました
戦争が拡大してロンドンに敵機が襲来しても
国王一家は疎開せず
睦まじい家族の姿を見せて
国民と共に首都に在ることで
国民の士気を鼓舞したと言われています
困難に際しての
真のリーダーシップと思います
コリン・ファースは
『ブリジット・ジョーンズの日記』で
固物の英国紳士をユーモラスに演じて
ワクワクさせましたけど
この作品のジョージ6世は
王者らしく威厳がありながら
コンプレックスに悩むひとりの人間として
また、家庭の人としての姿を演じて
最高です
夫婦とは
こんなにステキなものなんだと
思わせてくれ、反省させてくれた
ヘレナ・ボナム=カーターは
曾祖父がイギリスの首相を務めた
名家の生まれと言われていますけど
自信のある気品と素直な愛らしさが
とっても素晴らしい王妃です
久しぶりに心打たれ満足した映画でした
お勧めです