先天性股関節脱臼とは


 先天的に股関節の構造に欠陥があり、股関節の脱臼が関節内包で起こっているものである。外傷性脱臼との違いは、関節包に破碇がなく、単に弛緩状態で脱臼していることである。
【原因】
1)出生後環境因子 
新生児の生理的肢位は股・膝屈曲位であり、出生直後からの股関節伸展の強制は脱臼を誘発する。石田らは、生後1日目からの股関節90°以上の屈曲位での向かい合わせ抱っこである「コアラ抱っこ」を推奨した。
2) 子宮内肢位・ホルモン分泌異常 
子宮内での股関節内転、膝関節過伸展は胎内脱臼を誘発しやすい。子宮筋腫、多胎、羊水過少などが要因として挙げられる。臼蓋形成不全などを伴わず、開排位にするだけで自然整復(治癒)するタイプである。
出産をスムーズにするため分泌されたエストロゲンが胎内にも影響を及ぼし、関節が弛緩し脱臼する。したがって、
3) 遺伝性
家系内発生はあるが、頻度的には多くない。芳賀らによると、先天性股関節脱臼(先天股脱と略す)を有する家系の調査で、親、同胞の第1度血縁者は3.9%、第2度血縁者(祖父母、おじ、おば)では1.4%、第3度血縁者(いとこ)では1.5%の発生率である。
【頻度】
 新生児1000人に対して、2~3人であり、男女比は1:6~8で女児に多い。また、左側に多く、右側の約2倍である。最近は両側例の減少が目立ち、池田らによると1987年~1991年の両側例は6.6%である。現在は5%以下である。その他、第1子、冬季(厚着になり股関節伸展、内転位に保持されるため)に多発する


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