Alice Boy's Pictures

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伝わらぬ想い



伝わらぬ想い

先日TVでみた映画「バベル」状態。

長男との関係が難しい。

長男も言葉に出来ない想いがある。
私にもある。

言葉にしても、伝わらない想いがある。

親の仕事は子どもをひとり立ちさせること。
抱えることではない。。。と思っていたが。。今も思っているが。。

ヌクヌクとした抱卵期を過ごさせてやることができなかった長男の胸のなかには、消化できない想いの数々が積もって、詰まって、彼を苦しくさせているのだろう。

なんとかして彼の気持ちを聞き出したいのだけれど、かたくなに抵抗する。
成人した息子が母に素直に気持ちを伝えられないのは当然のようにも思うけれど、なんとも母親としての力不足を感じている。

次男に時間と関心を奪われているのは、自分ひとりを養い、楽しませていくことが難しい世の中で、母が死んだ後に、障害の重い弟を、「じゃぁ、よろしく!」と当然のように託されても身動きが出来まいと思うからなのだけれど、それも伝わらなければ、イイワケでしかない。

3/5  記

お兄ちゃん、引越しました。


かねてから、引越しの準備をしていた長男くん。
今日引越しました。

私が帰宅すると、お! 玄関の靴が少ない。

リビングのテーブルの上に置手紙。

引越しました。
○●◎○●◎○(マンションの名称) です。
後で、片付けます。

う~~~ん、やられた!!
机、PC、ラック、衣服、CDプレーヤー、けっこうな量を運び出している。
サクソフォンもない。

一人では絶対に出来ない作業。
いったい何人でやったんだ。。。。

引越し先は、隣の隣のワンルームマンション。
ボロイ。
う~~ん。
あまりに近いのが、笑わせる。
それでも、相当に重労働だったはずだ。

次男が勤務から帰る前に決行したらしい。
次男に「お兄ちゃんに会った?」と訊いたら、「会ってない。」と答えた。

月曜日の夜中に帰宅した長男はシャワーを浴びて、また出かけた。
それから会っていない。
何度、長男の携帯電話にかけても出なかった。

火曜日の昼にやってきて食事をしていったことは後でわかった。
そうとは知らない私が勤務の後の夕方に、長男の携帯にかけたら、長男が応答した。

「電話に出なさい!生きているか、死んでいるか、わからないから心配するでしょう!!」

とバス亭でバスを待っていたので、他に人も居たのだけれど、自分でもビックリするくらいの大声で叱りつけてしまった。

「あ。。ごめん。。」と長男。

が、今朝、次男の携帯にかけてみると、「こちらはNTTドコモです。お客様のおかけになった携帯電話は、云々。。。。」

くっそう!(-_-;)

長男の”ごめん。。”に意味はないらしい。
生死の確認が出来ない。

長男に置手紙を書いておいた。
「引越し先、勤務先を知らせなさい。
知らせないなら、生死の確認ができないので、警察に捜索願いを出します。」
脅しです。


で、帰宅すると、引越しが完了していた。
引越し先のマンションは書いてあるが、部屋番号を書いていない。

ムッカァ!!!
よく、わかっているじゃない。

オートロックの賃貸マンションは、部屋番号がわからなければ、どうしようもない。
私が帰宅した後の時刻ならば、管理人室には誰もいないわけだ。

既に成人しているので、独立させたいと思ってきた。
母子家庭は親子が密着しすぎるので、早く手放してやらなければ、ガールフレンドも出来ないだろう。
社員寮のある会社か、自衛隊へ入って親と離れる必要があると思っていた。

だから、一人で賃貸マンションを借りて、サッサと引越しを決行した長男を、嬉しく思う。

が、引越しよりも、社会保険完備の会社に就職するのが先だろう!!


順序が逆!!!


長男の独立は、次男には気の毒だけれど、長男には良い経験になると思う。
母の私が元気なうちに、一人暮らしに挑戦してくれて嬉しい。
今なら、ニッチもサッチも行かなくなったら戻ってくればよい。

私は息子達よりも先に死ぬのだから、私が歳をとりすぎてからではダメなんだ。
長男の兄弟は、自閉症で知的障害のある次男しかいない。
「困ったことが起こったら、兄弟で力を合わせて解決する」というパターンはない。
それどころか、長男には、不利がたくさんあるだろう。
今までだって、あったに違いないけれど。。

長男には、もっと円満に、穏やかに、踏み切らせてやりたかったのだが。。。
追い込まなければ、追い込まれなければ、行動出来ないのは、私も長男も同じ。
これは、母親としての私の力不足。


2008/3/6  記

置手紙

長男に長い置手紙を書いた。

長男は、来るかな?
片付けにくるかな?
掃除機をかけていってよ。

読んでくれるかな。
読んで、意味わかるかな。

面白いのは、難しいのはこれからですね。

長男にも次男にも私にも、本当に大切なのは、これからですね。

障害のある子が学齢期を終えたので、ホッ一息ついて、ブログを閉じるお母さん達が多くあるけれど、本番はこれからですよ。
記録しておかねばならないのは、これからです。

子ども達が小さい頃、どんな未来があるのだろうかと泣きながら過ごしたあの頃に、「泣かなくていいです。なんとかなります。」と言ってくれる人があったら、どんなに救われただろうか。

上手には出来なくとも、「けっこうなんとかなるじゃん!」と伝えたい。
でも、「なんとかなる」かどうかは不確定だけど。

学齢期なんて、問題のうちにはいらないよ。
苦しいのはこれから。
楽しいのもこれから。

2008/3/30
昨日、次男の美術教室から帰ると、長男が来ていた。
冷蔵庫の中にラップをしておいてあったものを片付けてシャワーをした様子。
洗濯もしたのかな。
テレビの予約録画もした様子。
まったく、こういう形は独立とは言わんのじゃないか、長男君。

3つ奨学金の返済と家賃を払うのはどんなシンドイことか。
かといってコズカイをくれとは言わない長男だが、気にいらない仕事でも、生活のためにこなしてしまうという逞しさはもっていないらしい。
あやうい奴だなぁ。。と気になるが、ここは何も言うまいと決めた。

今夜は鶏肉の唐揚げにするぞ。   と言うと、

お!   と短く答えた。

いるか?   とまた問うと、

お!   とまた答えた。

じゃ、おいといてやるよ。残ったらね。

と返すと、超早起きの次男が、朝飯前にパクパクと食べてしまうことがあるとよく知っている長男は、

へ!   と笑ってニタリとした。

少し、髪の長くなった長男は、少し男っぽくなったように思う。



こいつ、ハンサムだよなぁ。。と思う私は間違いなく親バカだとわかっている。

次男が早朝に食べてしまわないように、昨夜は、私の寝室に長男好みにスパイシーに味付けした唐揚げを隠した。


内職の仕事を片付けたら、居間のテーブルにそれを置いて出かけよう。






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