ねこねここねこ

荒廃の隣りに

   荒廃の隣りに

真冬の梨畑は荒廃していて
みるも無残だった
勤務先に訪ねてきた青年と
その一角をみて、立ち話しをしたが

青年はオートバイのようなものを
頭のおくで
さかんにキックして
遅滞する言葉を、ようやく紡いでかえっていった

あれから四年
わたしは梨畑の隣りの勤務先を
二年前に辞め
荒廃の程度のすすみ具合をときどき思い出すことがあった

のちに
青年はその時の光景を
じぶんの小説のパートに利用していたが
梨畑については触れていない

「隣りに荒廃が存在している」
あの勤務先は
思えば、こころの所在として
恵まれた地形にあったのではなかろうか


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