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2021年06月14日
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カテゴリ: 舞台など

エヴァの前にシネマ歌舞伎
『鰯売戀曳網』を見ました。

『いせのくににあこぎがうらの
 猿源氏が鰯こぅえい!』

このセリフが最初から最後まで何回も
出るので覚えてました。

三島由紀夫さんが晩年に書かれた
新作歌舞伎だそうです。

十七代目中村勘三郎と、
六代目中村歌右衛門の共演が初舞台。

その後しばらく演じられない期間があって、
玉三郎と当時の勘九郎のペアで復活したそうです。

このあたりの説明は、シネマ歌舞伎の
本編開始前に玉三郎さんが全て説明してくれていました。

勘三郎さんが生きていたら、
一緒にお話してくれたかもしれないなーと
思い、ちょっと寂しかったです。
玉三郎さんもそう言ってました。

玉三郎さんの解説が終わって本編です。

この回は2009年の
歌舞伎座さよなら公演の時だそうで、
この時は見れませんでしたが、
私が通っていた旧歌舞伎座でした。

とっても懐かしくて幕が上がる前の
映像だけでワクワクしました。

あらすじは至って簡単。

勘三郎さん演じる猿源氏さんは、
通りがかりに見かけた玉三郎さん演じる
女郎の蛍火に一目惚れして仕事が
手につかないと、隠居している父に告白します。

人気の女郎さんだから、たかが鰯売りなんて
揚屋に入れて貰えない。
でも、関東の大名が近々に上洛する噂があるから、
その大名に扮して揚屋に入れば、
上客としてもてなされ、一番人気の蛍火と
会えるなと画策します。

首尾よく蛍火に会えた猿源氏さん。
酔っ払って蛍火の膝枕でうたた寝。
寝言で
『いせのくににあこぎがうらの猿源氏いわしこえーい』
と言ってしまいます。

蛍火さんがその寝言にただならぬ反応。
実は蛍火さんは城のお姫様。
鰯売りの掛け声に惹かれて城外へ出て、
追いかけている家にひとさらいに捕まって、
揚屋に売り飛ばされてしまったと告白。

二人はラブラブモード突入です。
ただ、水揚げするお金が無い。
すると、蛍火の実家の城から蛍火を探していた人が登場。
水揚げ金の問題もなくなり、
二人はラブラブモードのまま花道から
消えて行きます。

全てがハッピーなこの演目。

ひさびさに見てやっぱ歌舞伎は楽しいと
しみじみ思いました。

この話、歌舞伎じゃなくて普通のお芝居
なら全くつまらないと思います。
嘘っぽいセットに、きれいな衣装。
演者がセリフを言うときと、
義太夫さんが演者に合わせて長唄で
説明するときの間合いとか。
決めセリフを見栄を切って放つ時とか。

歌舞伎でしか無い演出があってこそ、
この作品は楽しくて、かわいらしいお話に
なるわけなんですね。
これが歌舞伎。
日本が誇る総合エンターテイメントです。

その中でも勘三郎さんがものすごく
好きな理由を思い出しましたよ。

当然踊りも芝居も最高なのですが、
こんなにデフォルメされている舞台上で、
違和感を全く感じない演技と、
違和感を逆手に取って笑わせてしまう演出。
更に自分自身を可愛らしく見せる表現力。

自力で得た技術と、生まれ持った自分の
見た目を存分に利用出来る才能。

そんなに歌舞伎語れませんが、
私の見たことのある歌舞伎役者さんで
こんなに人を惹き付ける役者さんは
いません。

唯一無二の方です。

こうやって、亡くなられた後も、
映像が残っていて、大きなスクリーンで
勘三郎さんの舞台が見られるのは、
とてもありがたい事です。

来月のシネマ歌舞伎は、
ちょっと怖い『籠釣瓶花街酔醒』

8月は宮藤官九郎さん作の
『大江戸りびんくでっど』だそうです。


毎月勘三郎さんです。

一回火が付いたので、
あきるまで毎月見ようかと思います。



さて、明日はシーズン初のパックラフト!
水量はどんな感じでしょうかね。







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最終更新日  2021年06月14日 07時02分09秒
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