物欲☆あんず雨

物欲☆あんず雨

手前味噌☆漫画の制作過程その4



☆☆ベタとホワイト☆☆

全ページくまなく、消しゴムをかけ終わりますれば…。
次は『ベタ』入れです。

『ベタ』というのは、これまた漫画独特の用語で、黒くしたいところを、墨で塗りつぶす作業です。

『墨』と書きましたが、文字通り『筆』でもって、墨汁で塗り塗りしていたのは、おそらくは『今は昔』という手法にて…。

今は、大抵のかたが、マジックなど乾きの早い画材で塗りつぶしておいでなのでは…と思われます。

以前は、昔かたぎの編集サンが「マジックなど、もってのほか」と仰せだったりしたこともあったようですが、スクリーントーンを多用するのが主流となった昨今、広範囲を塗ると乾燥時に紙が殊更にでこぼこする『墨汁』塗りより、耐水性で速乾、でこぼこなどは生じないマジック等のほうが、効率が良い…という雰囲気となっております。

筆ペンをお使いのかたもおいでですが、筆ペンはマジックに比べますと乾きが遅めですので、わりと気を遣う画材です。

ただ、登場人物の髪の毛に『ツヤ』を入れる場合、まことに重宝するのがこの筆ペンです。
(あのツヤは、黒くした上から白を塗る訳ではなく、筆ペンの穂先を加減して『白く、塗り残す』という手法なのです)(後から白を塗るかたもおられますが)

今はベタ段階からデジタルで塗りがちの私めも、髪の毛のツヤベタ入れだけは、アナログ塗りの方が細かいニュアンスを表現できる気がして、ここまでは、紙上での作業としております。

ちなみに、アナログ上で広範囲のベタを塗る折は、私めは『コピック』というアルコールマーカーの、ブラックを使います。

コピックスケッチ単色0・100・110
↑このコピックスケッチは、インクの補充が可能です。
片側が、筆のように使える穂先になっていて、広い面積をあっという間に塗りつぶす事が出来て、なおかつ、紙にでこぼこが生じないのが有り難いです♪
(マジック同様、薄手の紙の場合、裏移りにご注意~~なのですが☆)

ベタ作業が終わりますれば、そのはみ出しや、ペンの失敗線、うっかり付けてしまった汚れなどを、『ホワイト』で修正する作業となります。

ドクターマーチン ブリードプルーフホワイト
↑漫画の仕事場で多く使用されているのが、このホワイトでござりませう。
(ルマというメーカーのものを、私めは愛用しているのですが…。なかなか手に入りがたい製品だったりいたします)

普通のポスターカラーの白では、墨汁の線などがその水分で滲みがちとなるところ、ブリードプルーフホワイトは、その名の通り、滲みが発生しないようになっています。
(筆ペンや一部のマジックでは化学反応で滲みが発生することも☆)

ときにこのホワイト、これを塗った上にペンで新たに線を描こうといたしますと、ぶっとい線しか描けなかったりするのですが…。

そういう、上からもう一度ペン線を入れるような修正をしたい場合には、事務用品としても重宝されている、このミスノンを使います。

 ライオン ミスノン W-20 W-20
ちょっと薄めの状態にしておいて、修正したい部分に出来るだけフラットに塗り、完全に乾かしてからでござりますれば、普通の紙の上と遜色ないくらいの細いペン線を引き直すことも可能です。

ミスノンは乾きも早いので、私めは、大まかな はみ出し部分にザッと塗っておいて、その後ブリードプルーフホワイトで、細部を整えたりいたします。
(あ、ブリードプルーフホワイトは、絵皿などにとって、水で溶いて面相筆などで塗ります)

★高級イタチ面相筆 黒軸 小
私めは、天祥堂というメーカーの『版下筆』(面相筆やゴチック筆よりリーズナブル♪)を愛用しておりますが、楽天内での扱いは無く…。
(『檸檬が置いてあった画材店』で購入~)

ベタのところでも触れましたが、仕上げをデジタルで行うようになって以来、このホワイト作業も、ほぼ、データ上(デジタル上)で行うことが多いです。

データ作業は、ペン入れまでをアナログで行っている私めの場合、原稿をスキャナでもって、PCに読み込む訳ですが、その段階で、どうしも『スキャンごみ』という微細な黒点が発生します。

それを取り除く作業も兼ねて、ホワイトを…という方が効率が良いですし、スクリーントーンを入れた後からでも、幾らでもホワイト修正が可能なデジタルの場合、アナログのようにトーンの前段階でのホワイトを徹底していなくても良い…というところもあります。
(その代わり、後の『見直し』に時間がかかってしまうのですが☆)

さて、ホワイト作業を終えますと、いよいよ、漫画制作作業の大詰めである、その『スクリーントーン貼り』になる訳です…。


☆☆『切った貼った』のトーン作業☆☆

スクリーントーンにつきましては、以前にも「こういうものです」などと、商品バナーを掲載して、簡単にご説明申し上げた記憶があるのですが…。

スクリーントーン
↑この日記や↓その翌日の、この日記でござりましたな☆(発掘~~)
デジタルは無尽蔵なれど

当時書きました説明文を、一応ここにもコピペ申し上げ候です。

マンガ用語においてのトーン(スクリーントーン)というのは、ベタ(真っ黒な部分)以外に、小さい点の集まったグレーっぽい部分だったり、「到底手描きじゃ無理だろ~~」ってな雰囲気の、緻密な模様部分、あれを表現するためのブツです。

黒以外の、服の生地部分だったり、もしくは人物の肌の影がグレーのように見えるところ、あれが、俗に申すところの「トーンが貼ってある箇所」ということになります。

アナログでのマンガ仕上げの場合、このスクリーントーンは、片側がシール状態の透明フィルムに小さい点や模様が印刷されているもの(幾つかのメーカーが出していて、膨大な種類があります)、それを貼りたい箇所に合わせて、カッターで切って圧着して行く…という作業となります。

マンガ原稿はB4でござりまするゆえ、スクリーントーンも、B4の原稿枠全面をカバーできるサイズ…と申します訳で、B4ちょい大きめサイズの袋に入って売っているのですが…。

これまたメーカーによってあれこれあるのですが、S-61とか、j-102とかいった感じで、カタログで柄を見て、店頭で型番を確かめながら買ったりします。


ではこたびも改めて、商品バナーで実物の雰囲気を~~。

スクリーントーン 61
↑人物の陰影などにも使う、一番スタンダードなトーンと申せるのが、この『61番』です。


スクリーントーン アイシースクリーンユース Y-1231~
↑↓このように幾つかのメーカーから出ています。

スクリーントーン デリータースクリーン(その他の柄) SE704~799番

それぞれのメーカー特有の柄や効果のトーンがあり、気に入ったものを一通り揃え、ストックも買っておく…といった場合、けっこうな出費となります。(資本の論理…)


トーンの種類は、ほんに膨大でありますゆえ、ご興味がお有りの節は、画材店でカタログなどチラ見していただけますれば幸いに存じます。(平伏)
(柄だけで笑えるものもあったりします☆)


コミックスクリーントーン C-275
↑こういう、衣装の柄として使えそうなものや、

コミックスクリーントーン C-100
↑こういった、手描きではかなりの時間と労力が必要な効果のトーンもあったりします。

これらを貼りたい箇所に貼りたいぶんだけ、カッターで切って、ひたすらに貼ってゆく作業が『トーン貼り』なのであります。


NTデザインカッター D-400P
↑ペンで描かれた複雑な線に沿って切ってゆくための、繊細な作業に特化した専用カッターもあります。
(が、私めは普通のNTカッターを使用)(上記デザインカッターの繊細な刃先を、すぐにボキボキ折ってしまうので…)

エヌティー/NTカッター (A-300R) 事務・軽作業用 左右両用 刃がすべり出ないオートロック...

イイ感じでカッティング出来たところで、シール面が紙から剥がれないよう、以下の専用ヘラを使って、丁寧に圧着します。

デリーター トーンヘラ

ただ切って貼れば良い…だけのものではあるのですが、広い面積のトーンを圧着する場合、シール面に空気が入らぬよう、真ん中辺りからヘラを入れて、力を加減しながら圧着したり、ヘラの角で印刷面にカスレが生じないよう気を遣ったり(薄い紙をヘラとトーンの間に置いておくと安心)、それなりに気配りが必要な作業です。

圧着後、切り分ける際に、線より少しはみ出してしまったところをカッターで微調整して行くのですが(足りないところを貼り足すのは大変なので、貼りたい線の内側に切れてしまうよりは、はみ出す方が修正しやすいのです)その部分は、切って取ったり、はたまたカッターの刃先角度を加減しながら印刷面を削り取って透明にしたり…と、それはその都度、好みや適宜で。

この日記 その翌日日記 でもボヤいておりますが、『トーンを削る』という作業が大の苦手の私めは、かなり小さい箇所まで削らずに切り取る…という手法で調整しておりました…。

「おりました…」と過去形で書きましたが、デジタル仕上げをするようになって、作業概念そのもが劇的に変化したのが、この『トーン貼り(デジタルでは『貼る』訳ではないので『トーン入れ』??)作業』です。

デジタル作業においては、『削り』が、かなりなツボ作業となっている私めであります♪♪

その『作業概念』自体の違いは、アナログ・トーン作業をご体験でない方には、ピンと来られないやも知れませぬが…。

次回、その説明にチャレンジしてしまいましょうかな~~と思っております。


☆☆トーンを『塗る』という感覚☆☆

前の日記終盤にて、トーン作業を「デジタル仕上げをするようになって、作業概念そのもが劇的に変化した」と記載申し上げておりましたが…。

まず、アナログ作業においては、文字通り『切った貼った』なトーン入れなのですが、データ上(デジタル上)においては、ほぼ、『塗る』という感覚なのでございます。

トーンを入れたい場所に『入れる』という感覚は、むろん全く同じなのですが…。

まずは、デジタルでのカラー作業(塗り絵♪)をやった事がお有りなれば、お判りかと存じまするが、一定の場所を囲む線が、完全に閉じている状態の場合、(塗り絵で使うような大抵のソフトには)そこを一発で『選択範囲』にすることが出来るツールがあります。
(SAIというソフトの…ですが、 この日記 で『選択範囲』の説明を試みております)

簡単に申さば、『線で囲まれたエリア』のみに、作業を施したい場合に指定する訳なのですが、『一発選択ツール』で取りたいそのエリア、線に少しでも途切れたところがありますと、指定しきれないのでございます。

線が途切れまくり絵柄の私めの場合、往々にしてその『一発選択』の恩恵に浴せない訳ですが、その場合『投げ縄ツール』など、地道に囲むためのツール(ペンで改めてなぞるような行為で、選択範囲を取るツール)で、選択範囲を指定します。

と、ここで、私めが使用しております漫画作成・専用ソフトのバナーを掲載させていただきたく存じます。


大人気のコミック作成ツール★【WINDOWS】COMIC STUDIO EX Ver.4.0※お届け1~3日
(↑Win版)
大人気のコミック作成ツール★【Mac OS X】COMIC STUDIO EX Ver.4.0※お届け1~3日
(↑Mac 版はこちらです)

当然、このソフトにも選択範囲を取る機能がありまして、各ツールで取ったその選択範囲に…。

塗り絵ソフトにおいて、選択範囲を、塗りたい色で一発で塗りつぶせますように、選択範囲に入れたいトーンを、一発で入れることが出来るので御座います。

指定さえしておけば、そのページの、貼りたい箇所いくつかに、すべて、一発で…。
(ゆえに、線がきっちりくっついていて、一発選択が取りやすいかたの場合、たいそうな高速作業でトーンが入ってゆく訳です☆)

むろんのこと、ソフトの中に入っているトーンでなくては使えないワザな訳ですが、手間はかかっても、ソフト内にはないアナログトーンをスキャンして入れたり…も可能です。(面倒ゆえに、私めはやったことがありませぬが☆)(モノグサ)

さて、切って貼るアナログ・トーンの場合、はみ出した部分を『カッターで切ったり削ったりして微調整』と、前の日記で書きましたが…。

デジタルの場合、その余分な部分を、当然、切ったり削ったりする訳ではなく…。

『消しゴム・ツール』で『消し』たり、はたまた細かい箇所は、『ペン・ツール』などを『透明モード』にして、これまた『消す』のでございます。

そして、やはり前日記で「アナログ・トーンは、貼り足りない箇所(欠けた箇所)を貼り足すという修正は困難」…と書きましたが、デジタルの場合…。

後から、トーンを、いっっくらでも足せるのでござりまする。

むしろデジタルの場合、『足りない箇所に足す』という微調整のほうが、便利のような印象があります。

しかもその、『トーンを足す』という行為。
当然『貼り足す』訳でなく、前述の『ペン・ツール』などで『塗り足してゆく』という感覚なのです。

モノクロ原稿においての『トーン』は、いわば、白と黒のキッパリした画面に、グレーの濃淡で微妙な『色調』を入れてゆく感じ…とも申せるのですが、デジタルでは、ほんに『色を塗る』という作業感覚なのであります。

あと、人物の肌などに入れる『61番』などの陰トーン、例えば瞼の上や指先の細かい箇所など、アナログの場合は剥がれないようにするために(シール面の面積が小さい場合、当然、剥がれやすくなってしまいます)上から透明なトーンやメンディングテープで補強しなければなりませぬが、デジタルはその心配が無く、細かいところも陰、つけ放題。
(これまた、ペン・ツールで簡単に足せるものの、足し始めるとキリがない感じゆえ、なぜかアナログ時代より陰トーンが減っている私め)

あと、別々のトーンとトーンが隣り合って貼られている箇所、アナログ作業では、切る段階でなかなかに神経を使うところで(隣の、先に貼ったトーンの厚みに、カッターの刃が干渉されがちに…)、トーン同士が接している面が、意外に剥がれやすくなったりもしてしまうものですが、デジタルではその心配も無く…。

ゆえに、トーンを貼りまくりたいかたには、デジタルがオススメ!という気持ちなのであります。

いつぞやの日記にも書きましたが、デジタルトーンは、いくら使っても『買い置きが切れる』なんてことはありませぬし☆

漫画ソフトを購入する…という初期投資は必要なれど(あ、それなりのスペックのPCや周辺機器も必要ですが…)、トーンも、一回の買出しで2万円くらい使っていたこともありますし、そう考えますと、早めに元は取れるのかな??(セコ~~)という感じです。

そうそう、トーンを入れる『種別(陰トーン、柄トーンなど)』の順番も、アナログ時代とかなり違って来ております…。


☆☆トーン入れの手順☆☆

人物の肌陰などの『陰トーン』、服などの『柄トーン』、点描やフラッシュなどの『効果トーン』といった、種別ごとの、スクリーン・トーンを入れる順番としたしまして…。

アナログ作業においては、私めの場合、まず人物肌陰などの『陰トーン』から入れておりました。

これは、陰トーンをとても上手にお使いの漫画家さんのアシスタントをさせていただいていた折に「なるほど♪」と思い、取り入れさせていただいた手法なのですが…。
あらかじめ、61番などで全ページにザッと陰を入れておきますと、背景や服のトーンを押さえめにしても、白っぽい印象にはならない…のでございます。

トーンというのは、どこにどのトーンを貼ろう…と、悩みながら、そのトーンを収納場所から探す…というのが、けっこう骨で、時間も意外に取られるところ。

手許に61番のみ出して、それを一心不乱に貼りまくる方が、実は効率もエエのだな~~という感じなのであります。

ちなみに、私めはドットがちょい大きめのほうが好きで、アナログ当時は41番を愛用しておりました~~。(数字が若くなるほどに『点』が大きくなります)

で、陰トーンを入れ終わってから…。
…あれ?次は服の柄とかだったかな??
それとも、「ここはこれ!」と既に決まっていた場所の効果トーン入れだったかな??
(アナログ作業の時代、既に記憶が『丸の内』…)

ともあれ、『陰』をくまなく付けたい場合、アナログ作業においては『陰トーンの上に、服柄トーンなどを重ねてゆく』というほうが良く、「まずは、陰」というやり方だったのでございます。

陰トーンは、前日記でも触れましたが、面積が小さめだったり、カッティングの形状から剥がれやすかったりもいたしますゆえ、それを『上から別のトーンで押さえる』という意味合いからも、『先』のほうが宜しいと申します訳で…。

さてさて。
陰を貼り、服柄を貼り、ここぞというところに効果的な『効果のトーン』を貼り…。

あとは、「このページちょっと白っぽいかな~~。このコマのバックに、このトーンでも貼っておくか…」と、調整してゆく次第なのであります。

アナログ作業の場合は、ざっと上記のような流れにて、デジタルのほうも、その順番のままでもエエ訳なのでありますが…。

デジタルは『トーンの重なる順』など、てんで考慮しなくて良いぶん、まさに、「貼りたいところから貼るッ!!」が断行できるのであります。

ゆえにこのところの私めは…。

何となく、登場人物の『衣装の柄』からトーンを入れ始めております。
衣装が『着物』という事が多めの昨今、全身のどの箇所にも『柄、無し』という訳には参りませぬゆえ、『トーン必須箇所』という事で、最初に入れている感じです。

デジタルの場合、トーンの種類によっては、陰トーンを重ねるとモアレ(ドット密度の違うトーンが重なったことで起こる、妙な模様)が発生しがちでもあり、そういうところに、先に陰トーンを入れないほうがエエ…という事もあります。
(と、いうこともあり、陰入れが、アナログ時代より減っているのですな☆)

主要キャラの衣装を貼り終わったところで、効果のトーンに入るのですが、この段階で、「『袴』も貼らなきゃいけないんだけど、衣装トーン入れは飽きたから、『効果』やっちゃうか~~」などと、気まぐれ発生も多々あり…。

順番を考えず、トーンを入れたいところから入れる!(俺が掟だッ)が、ほんに、とことん可能なのであります。

さて。
この日記 にて
全工程アナログ作業の場合、トーンを貼った後の線自体の修正はかなりな労力を必要といたしますゆえ、よほどでない限り、目を泳がせながらスルー…という事に。

最終段階においても、線補正がいくらでも可能…というデジタル作業、これはかなりな『罠』だと、今更のように気付きまして候です。

などと書いております通り…。

便利この上なく、作業そのものは夢のようにサクサクと進むデジタルではあるのですが、この『いつでも、どの段階でも修正が可能』というのが、ほんにまことに、『大いなる罠』なのでありまして…。

アナログ作業の場合、トーンを貼ったあとで、その下の線をどうしても修正したい場合、圧着してあるトーンを剥がして、そこを修正する訳ですが…。

いったん圧着したトーンは、ドライヤーなどの熱で、シールの粘着力を弱めたりして慎重に剥がさねば、切れたり下の紙まで剥がしたりしてしまいますし、上手く剥がせても、紙のほうに付着している糊を消しゴムで取ってからでないと、ホワイトやペン線が乗らなかったり…で、(こうして文にするだけでも)手間な事この上なく…。

ゆえにアナログでは、トーンを貼る前のホワイト作業を、とことん徹底しておかなければならない訳です。

が、トーンを入れた後でも、いくらでも修正可能なデジタル作業においては…。

トーンを貼りながら「ぬ?このガジガジな線、みっともないゾ」と思ったとたん、トーン作業は放置プレ~となり、線修正に血道を上げるモードに変貌してしまうこともあり…。(と、申しますか、私めの場合、かな~~り『ありがち』☆)

けっこう大雑把なほうである私めですら、かような状態になってしまいますゆえ、細部までとことんこだわる超・完璧主義でおいでのかたには、ある意味、デジタルは、危険極まりない領域となるのやも知れませぬ…。

まぁ、とにかく、アナログもデジタルも、トーンを入れ終われば作業完了となるのですが、欠かせないのが、その後の『見直し』であります。

すべての作業を終えてから、「このコマのこの場所、何種類もトーン入れて、何度も見てるのに、なんで今までこの大ミスに気付かなかったのぉぉ~~~ッ!!!」という箇所が、1つや2つ(いえ、もっと…)出て来てしまう訳でして…。

そして、そういったミス、見直しでも見落としちゃって、雑誌に載ってから気が付いちゃったりもする訳で~~。

まさに「お~~、コワイコワイ☆」という感じなのでありまふ…。

「ここ、これが、見直しでも見落としちゃたトコ☆」などと、拙作を例に暴露してしまいましょうかな~~とも思いましたが…。
やっぱ、恥ずかしいので、それはスルーさせていただきまして候です☆☆


と、申します訳で、ここまで連載形式でお送りして参りました、『漫画の作業過程(手前味噌)』、これにて終了とさせていただきます。

全駄文をご覧下された方々様、ほんにどうも有り難うございました~~~!!!
そして、お疲れ様でござりました~~~~~!!!
(ひたすらに平伏ッッ)


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