物欲☆あんず雨

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敵中潜行



[敵中潜行]
さあ、いよいよ伝説の(?)『中抜き5話』に入りました!
この第13話[敵中潜行]から第17話[慶長地獄節]までは、かつての再放映の折、省かれてしまっていたのでござりまする。(再放映の時間帯に国会中継や航空機事故のニュースが入り、編成が押してしまったためとのこと)
本放映で大ファンになり、当時は高価なビデオデッキを頑張って購入、録画していた方々も多かろうと思われまするが、この『中抜き』という酷い仕打ちにさぞやご悲憤なされたことでござりましょう…。
本放映での記憶のみの、まさに伝説となってしまった 幻の5話…。
今回、ほとんど初見のような気持ちで観始めましたが、文字通り初めて観るかのようなシーンの連続に、己の記憶が如何に吹っ飛んでいたか、思い知らされましてござりまする。

孫八の墓前、彼の死から3日経った今も立ち直れない才蔵が…。
前回のヒキでは、前だけを見つめて真直ぐ突き進むかのように見えた才蔵ですが、孫八の死は自分で思っていたよりも大打撃だったという事なのでござりましょう…。立ち直れないという自分自身の感情に驚き、どうしてよいかわからない焦燥感が伝わって参ります。(墓参りの帰途、路傍のお地蔵さんの肩をポンポン叩きながら空虚な笑い声を上げ、「やっぱりお前も笑えんか…」というシーン、滑稽ゆえに物悲しさが感じられます)

それでも、大御所暗殺だけは為遂げなくてはならない…。
才蔵は、駿府城下にするが屋という茶問屋を構える甲賀の『草』、仙左衛門に助力を頼みに行きます。三河漫才に乗じての暗殺の時には何かと便宜をはかってくれたものの、今回は佐助が撤収、表立って動く事は出来ないと断られてしまいます。
ねぐらだけは…と仙左衛門に世話してもらった町外れの納屋で、孫八の遺髪を取り出し、たそがれる才蔵。八方ふさがり、かなりどん底…。
一方お国も、才蔵から離れてはみたものの駿府を去る事も出来ず、かなりみじめな宿無し状態。

才蔵のねぐらに『ちゃぼ』という年若い甲賀忍びがやって来ます。明るい元気者、生意気で自惚れ屋なところは、かつての誰かさんを見るようです。
普段なら「キャラ、かぶってるよ…」となるべきところ、今は元気の無い落ち込み・才蔵、ちゃぼにすっかりお株を奪われた感じです。(才蔵クン、とても大人っぽく見えたりも)
ところでちゃぼは、するが屋・仙左衛門の息子。自分のコネを使って暗殺計画に加わりたいようです。

さて九度山では幸村が『国家安康』の件で、徳川家の謀略を憂慮。大坂の隠岐殿も気が気ではない様子。
大納言家に戻った青姫のみ、退屈を持て余し、旅の空を懐かしんでおります。

才蔵はちゃぼを伴ってするが屋を再訪。しかし、息子の頼みにも耳を貸さない仙左衛門。
長年かけて地元に馴染み、派手に動かず情報収集のみに徹する『草』としてのスタンスを決して崩さぬ仙左衛門…。戦闘能力という忍び伎倆にプライドを持つ才蔵らとは違う、また別の『忍びの誇り』が彼から感じられます。

駿府で才蔵の捜索を続けていた獅子王院を探して、わざわざ京から徳永(俊岳の家臣)がやって来ます。俊岳からの召還指令もさることながら、自分に偉そうに命令していた徳永が直々に来てくれたあたり、内心感激の獅子なのではないでしょうか~。
獅子王院は部下A『赤犬』をお国の見張りに残し、京へ戻って行きます。

大名家への茶の献上に紛れて侍に化け、駿府城への侵入を思いついた才蔵、仙左衛門へのダメもとの懇願もやはり却下、その帰途には風魔の頭領・黒夜叉にまで会ってしまいます。追撃はかわしますが、顔を覚えられてしまい、のちには、霧隠才蔵であることまで知られてしまいます。(風魔に捕まった赤犬が暴露)

父に内緒で茶の献上に動くちゃぼ。その事を知った仙左衛門、とうとう根負けしたかのように、才蔵に助力することを決意。
しかし、この時既に風魔に目を付けられていたするが屋…。献上の茶を運ぶ才蔵を見送ったあと、歩み寄る黒夜叉の姿を見て、覚悟をきめる仙左衛門。地下の秘密部屋でこれまで収集した情報の書き付けを処分しはじめます。
逃げるよりも、証拠の隠滅を優先せねばならないのも『草』としての務めなのでしょう…。

茶の献上に紛れ込み、さあこれから駿府城へ…という時、風魔の襲撃を受ける才蔵。
お国の助けも得て、脱出。
しかし仙左衛門は風魔に連れ去られ、するが屋の秘密部屋で呆然としているちゃぼ。
お国は、才蔵の名を明かした赤犬が許せず、はずみもあって刺殺してしまいます。『間者』としては、かなり壊れて来ているお国…。
そして数日後、晒されている仙左衛門の首の前で泣きわめくちゃぼの姿が…。

「仙左衛門の死は、俺のせいかも知れない…」お国につぶやく才蔵。(いや、『かも知れない…』じゃなくて、ズバリあんたのせいでは…と突っ込む私め…)
才蔵が素直に佐助たちと撤収していれば、死ななくても済んだ人がまた一人出てしもうたような…。
それはともかく、落ち込みに追い打ちを掛けられてしまったかのような才蔵さま、お国に側に居て欲しいそぶり…。けれどもお国自身は、孫八を死なせてしまった自分が許せずにいます。

駆け去るお国に、呼び掛ける才蔵、「お国どの…」がいつしか「お国…」に変わっております。
積極的にアプローチをかけていた時にはイマイチ効果がなかったお国の誘惑、今は『相手に追わせる作戦(天然)』で才蔵さまのハートをGETしようとしております。

来週月曜日放映のサブタイトルは[追撃無宿]。宿無し二人の、恋と任務の行方や如何に!

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