あんず村DX

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食べ放題!(BLEACH/イチウリ/SS)





食べ放題!




先週告白した。
相手は石田雨竜。
男同士はおかしいとルキアに言われたけど(ルキアに相談してしまった・・・。)別に俺は気にはしていない。
井上だって「ぜんぜんアリだと思うよ」って言ってたし。
コンは・・・なんか睨んでた。
返事はNO。
あれから3回は玉砕した。
でも俺はまだあきらめねえ!!
とりあえず石田のやつをデートに誘って雰囲気で流してしまう作戦を考えた。


「おい。」
「・・・。僕『おい』って名前じゃないんだけど。」
キツイ目で返された。
そりゃあ好きとか言って繰るを同性を笑顔で迎えるはずは無いが・・・。
・・・でも、こいつ、笑ったら相当綺麗なんだろうな・・・と思う。
俺みたいにいつも眉間に皺寄せてないで、少しは笑えばいいと思う。
そうすればこいつにも友達が出来るだろうし、好意を寄せる女子も・・・
おっと!そんなことになったら大変だ。
石田は誰にもわたさねえ!!
「ねえ。話あるんじゃないの?いつまでキモイ顔100面相なんてしてんのさ。」
そうだった!今は石田をデートに誘おうとしてたんだった!!
思い出してポケットから今朝の折込チラシを出す。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「夏梨ちゃーん。新聞とってきてー。」
遊子が朝食の目玉焼きを焼きながら言う。
我が妹ながらにできた妹だと思う。
「はいはーい。」
妹2号が気の無い返事をする。
「お!・・・一兄!一兄!!」
新聞を抱えながらパタパタと走ってくる。
「これこれ!!これ見て!!!」
夏梨が新聞に折り込んであったチラシを広げて見せる。
そこには「バイキングレストランオープン!」と書いてあった。
しかもオープン記念で、男性1200円、女性1000円、小学生以下600円と書いてある。
ラインナップは寿司から焼肉から中華からデザートまで。
妹たちはケーキの写真に夢中だ。
「「ねえ!一兄!行こうよ!!」」
さすが双子、息ぴったりで声を合わせて言う。
俺が返事を返す前に後ろから顔を覗かせたのは親父。
「おぅ?なんだなんだ?盛り上がってんな。ちびっ子ども。」
「あー!お父さん!これ見て!!」
遊子が真っ先に親父の元に行く。
「ほぉ・・・バイキングねぇ・・・。」
妹達は気体に満ちた目で親父を見ている。
「・・・・・・よおし!!今度の日曜行くか!!」
「「わあい!!」」
大喜びで妹達は散らばって行った。
後に残された俺と親父はしばらく見つめあって・・・。
「お前も来るだろ?」
「・・・・・・うーん・・・。(日曜は石田をデートに誘おうと思ってたんだけどな・・・。)・・・!」
「どうした?何か予定でもあるのか?」
これだ!!
即座に俺は親父からチラシを奪って二階へ駆け上がった。
「うおーい!一護ー??」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まあそう言う訳で石田にチラシを見せる。
「なあ、日曜日ここいかね?」
チラシとにらめっこする石田。
一瞬口元を緩めるがまたすぐ無表情になる。
「興味ないね。大体1食に1200円も出せないよ。僕そんなに食べないし。」
そうだった。
いくら食べ放題といっても1200円は石田には痛いはずだ。
この間のこいつの話によると1200円は石田の4日分の食費らしい。
「さすがにこんなにでかい僕達が小学生ですなんて言っても信じてもらえないだろうし・・・。」
まだ石田がブツブツ言っている。
諦めようかとも思ったが俺はあの魔法の言葉を思い出した。
「俺が奢る。」
一瞬顔をしかめたがすぐに鼻で笑って、
「君がそんなに行きたいなら仕方ないな。」
かかった!!
後ろで小さくガッツポーズをして自分の席に戻る。




(明後日の日曜日午前11時に駅前集合な。お前とりあえず携帯だけ持ってくればいいから。)
金曜日、学校の門を出るときに黒崎に言われた。
僕はそれに従って小さなショルダーバックに携帯と家のキーを入れてきた。
「お金は一切使わないんだからな。」
独り言を言いながら去年の誕生日に父親から贈られたショルダーバックを見る。
はっきり言ってお父さんの事は大嫌いだ。
でも結構センスはいいのでこのバックは気に入っている。
実は今日着てきた服もお父さんがくれたものだ。
僕のセンスとジャストフィットなのが気に食わない。
今は10時55分。
あんなヤツの為に早めに行くのもどうかと思ったが滅却師の誇りにかけても10分前行動は必守だ。
それに奢ってくれるというのだ。ここは少々ヤツを立たせたほうがいいだろう。
僕は朝ごはんを抜いてきた。
完璧だ!
・・・・・・
時計は11時を回った。
遅い。黒崎め、僕をこんなに早く呼んで置いて自分は遅刻か!!
「黒崎は・・・デートのつもりなのかな・・・。」
呟くと間髪入れず黒崎の声が響いた。
「石田ー!わりぃ!!遅れちまって!」
「黒さッ・・・・・・・。」
五分も遅刻してきた黒崎に僕は怒り気味で振り返るがその怒りも萎えた・・・。
黒崎は淡いブルーのブラウスにピンクのチェックのミニスカートと白タイツを穿いて登場した。
僕は絶句した。
似合わない・・・と言うかはっきり言ってキモイ・・・。
タイツのお陰で脛毛は隠れているが角張った足のラインまでは隠せない。
しかもミニスカート・・・。ウエストはベルトで何とか調整しているらしい。
ブラウスも肩があっていない。
全体的にツンツルテンだ。
つい手を口元にあてて「げぇ」って顔すると黒崎は眉間にいっぱいしわを寄せて睨んできた。
少々顔も高潮している。
・・・・・・!?
(まさか黒崎は僕の為に女装して・・・。僕が男同士とかそういうのを気にするから・・・?)
一瞬感動したが今の黒崎を頭の先から足の先までじっくり観察すると深くため息が出た。
「!何だよ!!そのため息は!!俺だって恥ずかしいんだからな!!」
そう言うんなら女装なんてしなけりゃいいのに・・・と思うが文句を言う前に紙袋を押し付けられた。
紙袋を持たされたまま手を引かれた。
乱暴な手を振り払おうとするが、黒崎は意外と力が強く、されるがままになっていた。
周りの人々がすれ違う度にこちらをちらりと見る。
そりゃあこんな『いかにも女装』している男が男の手を引いてあるいてたらおかしいだろう。
僕は顔から火が吹き出るほど恥ずかしかった。
それでも『僕は被害者、僕は被害者』と呟きながら付き従った。
駅構内の公衆トイレ、その男子トイレの方に蹴り入れられた。
「その中の服に着替えて来い。」
意味が分からない。
なぜ僕が黒崎の用意した服に着替えないといけないのか・・・。
別に僕変な服着てないし・・・。
そりゃあ皆に服のセンスが悪いとは言われているがそれは滅却師の衣装のことだ。
普段着のセンスはそこまで悪くないと思う。
しぶしぶ個室に入り、黒崎に渡された紙袋を開く。
「こ・・・これは!!!」



「くーろーさーきー???」
「お!」
俺の用意した真っ白なワンピースに身を包んだ石田が出てきた。
足元がスースーするのか内股気味で本物の女より女らしい感じだ。
それにしても白い。そして細い。
女と言っても全然通る。
少し顔を赤らめながらもその鋭い目で睨んでくる。
「まあまあ、似合ってるって。可愛い可愛い。それより早く行こうぜ?」
今の石田にとって『可愛い』は禁句かもしれないが、本人は褒められてちょっと照れているので問題ない。
腕を強く引っ張りながらバイキングレストランへ向かう。
その途中石田が思い出したようにぴたりと泊まる。
「そう言えば黒崎・・・君がそれを着て僕もこれを着るというのは少々おかしくないか?そもそも君は『デート』として誘ったんだろう?じゃあ君はそんなミニスカート・・・おえ・・・を着なくてもいいんじゃ・・・。」
「おえってなんだよ!!ま・・・まあお前がそう言うのも仕方ないか・・・。」
俺は少し考えてからポケットから財布を取り出す。
中身を開いて溜め息を吐く。
どう考えても2000円。何度数えても2000円。
この金額では子供と男。もしくは女二人しか入れない。
子供というのは小学校6年生までのことで、身長が170cmを越すこの二人ではとてもじゃないが通らない。
何とかなる。と思って女の格好をしてみたが・・・俺ははっきり言って似合っていない。
「そっか・・・それでこの格好なのか・・・。」
俺の財布を覗き見て溜め息を吐きながら全てを悟る石田。
「・・・・・・貸しといてあげる。200円。」
貸しだからね。と念を押しながらが俺に100円玉を2枚差し出した。
200円・・・。女+男-2000円=・・・。
「僕は何とかなっても君は間違いなくバレるからね。バレるだけならまだしも警察に通報されちゃうよ。」
ぶつぶつ言いながら先ほどまで石田が着ていた服を俺に差し出す。
着替えろってことらしい。


すんなり店内に入れた。石田はまったくもってばれてないようだ。
しかし俺はこんなツンツルテンのいかにもにあわなそうな服を着ているものだから周りの視線が痛い。
石田はどうしてこんなに体が細いのか・・・。
この服・・・石田が着ているときは少し余裕を持った感じがするのだが俺が着るとかーなーりキチキチだ。
肩幅は全く合っていないし足も腕もムチムチだ。
ウエストもボタンが締まらないのでベルトで調整している。
「・・・・・・破かないでね?服。」
「じゃあ着せるな!!」
とりあえず肉・肉・肉。
普段石田が家で食さない肉類をひたすら食べている。
それを片肘ついてジーっと見つめていると「何?」と険しい表情で返された。(肉かじりながら)
そしてそんな姿を見てもまったく疑う様子の無い客や店員。(男だということを)
不思議…な気もするが正直今のこいつは可愛い。
いや、いつも可愛いんだけどな・・・。


大して食べない内に店から出ることになった。
でもまあ、石田の満足げな顔が見れて俺も満腹だ。(そろそろ末期かな・・・)
後はこいつを自宅に連れて行きメロメロにするだけだ!!
「石田ー。お前結構食ってたし家で休憩してくか?ほら、おまえんち遠いじゃん?」
「え?ああ、うん。」
ちょっと食べすぎで辛そうにしている石田に声をかける。
(かかった!!!)
後ろで小さくガッツポーズを取るがもちろん石田には見えていない。
「ただいまー。んー?誰もいねえのかぁ?」
わざとらしい演技をしながら家の戸を開ける。
入れよ。と促すと石田は小さくお邪魔します。と言って上がってきた。
靴を揃える石田に、そんなことしなくていいよと言うが逆に睨まれた。俺の靴も揃えてくれた。
自室の扉を開けてさてどうやってそこもでもって行くか…。
と考えていると突然ライオン姿のぬいぐるみに声をかけられた。
「よう!一護!!お帰り!」
「うわあ!!」
おれはびっくりしてうしろに倒れる。
「何驚いてんの黒崎・・・。コン君じゃないか。」
呆れかけた冷ややかな目で俺を見下ろす石田。
そして石田と楽しそうに会話をしながらいっこうに出て行く気配の無いコン。
そのうちに石田もお腹が落ち着いてきたのか帰ろうとし始めた。
「え??もう帰んのかよ!!!」
「うん。だって家族の人とか帰ってくるだろ?僕はもうおいとまするよ。あ、200円。忘れるなよ。」
言いたいことを言うとそそくさと出て行った。
もしかして俺の邪念に気づいているのか・・・。
窓から下を眺めていると、愛しの石田雨竜があのワンピースを着て去っていく・・・。
逃した獲物は大きいと、ため息を吐く。
次のチャンスはいったいいつ訪れるんだろうか・・・。
だいぶ落ち込んでる俺の横でコンが不吉な言葉を漏らした。
「お前にばっかり良い思いをさせるか」



あとがき
ええっと・・・あれです。バイキングです。ふと思いついたネタです。ギャグです。
女装が書きたかっただけです。一護の。
ウリ子は女装してもかわいらしいのでばれないと・・・思うのは夢見てるんでしょうか・・・。目ぇ覚まします。




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