あんず村DX

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合同勉強合宿大会御一行1(ウリ総受)


合同勉強合宿大会御一行

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10月
空が澄み切って高く遠く感じる頃。
この学校も定期テスト週間に入った。
部活動は停止、HRが終わると教師に追い出される始末。
HRの終わりを告げるチャイムとともに中央玄関から人があふれ出す。
生徒たちが出て行く中、1-3の教室に一護、茶渡、啓吾、水色、ルキア、織姫、たつきが残されている。
その中の啓吾が高々と手を挙げ、得意気に叫ぶ。
「わたくし、浅野啓吾は金曜日から合同勉強合宿大会を提案するものであります!」
し・・・・ん。
「何だよー!おれの別荘だぜ!海辺だぜ!ドキドキわくわくの体験だぜ!!」
「この時期じゃ海は入れないよ。」
大興奮の啓吾を他所に皆呆れている。ただ一人を除いては。
ふと一護がルキアに目を向けるとその瞳はたくさんのお星様を抱えキラキラと輝いている。
「い・・・行きたいのか?」
「楽しそうですわ。皆さん行きませんこと??」
立ち上がり皆を説得する。
一護はもうどうしたものかと頭を抱え込む。
「でもなあ・・・」
「女子が一人足んねえんだよな・・・はぁ。」
啓吾が残念そうにため息を吐く。
「姫が行くならあたしも行くわよーーー!!!」
さっきまで帰り行く生徒の中に紛れていた千鶴が猛ダッシュで戻ってきた。
抱きつこうとした瞬間たつきに顔面を蹴られその場に倒れこむ。
「ナイス・・・突っ込み・・・。」
「突っ込みじゃないって。こいつが行くならあたしも織姫も行かないよ。」
「たつきちゃん・・・。」
千鶴をつまみ出し話を続けようとしていたその時、がらりと教室の戸が開いた。
一瞬先生かと思い全員が身構えた。
が、入ってきたのはクラスメイトの石田雨竜。
一護はふと思った。
「別にあと一人女子じゃなくてもいんじゃね?」
「なにぃ。石田を誘うのか一護ーー!!ちがうんだー!俺は女子4対男子4でカップル成立!みたいなそうゆうのりで!!」
「石田君も一緒に行こうよー。楽しそうだよー。」
勝手に誘う井上に目の前の雨竜はぽかんとしている。
まだ状況が飲み込めてないようだ。
一護が大雑把に事の流れを説明する。
だが聞くとついっと眼鏡を上げ、すぐに「くだらないね」の一言が返ってきた。
「石田・・・。」
「ええーー??行かないの?石田君。行こうよー」
「そうですわ!!面白そうですのよ石田君!」
織姫とルキアがすかさず勧誘を始める。
女の子二人に圧倒されて少したじたじとする雨竜だったが、可愛い二人に懇願されては断れない。
「・・・仕方ないな・・・。」
特に雨竜はルキアの事を特に大切にしている。
可愛いから、小さいからという意味だけではない。
大好きなルキアがこんな品の無い男共に囲まれて旅をするなんて危険すぎる。
頼みの綱である一護が狼にならないとも限らないし、女子の中に彼女を守れるのはたつきのみだ。
しかもそのたつきは織姫も守らなければならない。
そうなると自分も出向いて自らルキアを守ろうと思ったのだ。
雨竜の同意の返事に織姫もルキアも手を取り合って喜んだ。

帰り道、一護と雨竜とルキアが三人で並んで歩く。
とはいっても雨竜とルキアが楽しげに話しながら歩くちょっと後ろをガードするように一護が付いているだけ。
一護にとってはどちらも守る対象となっている。
ふと足を止め、考え込む。
今回の旅行はちょっと危なくないか?きっと男子はみんなまとまって同じ部屋に決まっている。そうなると誰かが雨竜におかしな気を持つことも考えられなくも無い。
もしそうなったら・・・。
「なあ、石田。お前本当に行くのか?」
「な、何を言う、一護!せっかく石田が行く気になっておるのに!」
ルキアが焦っているが、一護はお構いなしに続ける。
「多分男子は雑魚寝だぜ。別荘なんて嘘っぱちで本当は啓吾のおじさん家だし。夏に海の家やってるだけだし。」
「・・・?それが?」
雨竜はいまいち一護の言う事が理解できなかった。大体合宿だの修学旅行だのというヤツは雑魚寝と相場が決まっている。
「ほほーぅ。一護、心配なのか?」
ルキアが隣でにやりと笑い、雨竜はさらに首を傾げる。
ルキアは一護の考えが分かっているらしい。
隣のちょっとおバカそうな少女にはわかるのになぜ頭のいい自分にはわからないのか・・・。
だんだん不愉快になってきた。
「君、僕が潔癖性とか思ってるだろ。別に僕は雑魚寝でもかまわないよ。むしろ大好きだ。」
くいっと眼鏡を上げ、鼻で笑った。
いつの間にやら雨竜のアパートの前まで来ていた。
「じゃあ、また明日ね、朽木さん。ついでに黒崎も。」
「明日のお弁当も楽しみにしておるぞ。」
「ついでだとぉ!!!」
一護が怒鳴るのを横目で見て、雨竜はさっさと鉄板でできた階段を上がっていった。
隣の少女は満面の笑みを浮かべて手を大きく振っていた。
一護は週末の事を考えると気が気でなかった。
肩を落とした明記をつくとルキアが意地の悪い笑顔で覗き込んできた。


続き物です。
<<2>>は合宿1日目の話になります。


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