「何」
「好き」
「・・・は?」
























好きで好きで


















私、桐沢亜衣は今ものすごくヤキモチをやいてます。

何でかって?それは・・・


「きゃ~vvvリョーマ君~vvv(大歓声)」

テニスコート周り。
毎日のようにたまる「リョーマ様親衛隊(仮)」。

コイツらのせいで2人きりの雰囲気すら作れないのよ?!

ありえない!何より・・・最近リョーマは冷たい。

付き合い始めた頃はいい感じ(?)だったんだけど・・・

そう!最近!かなり冷たい。桃先輩はおいといて、何で私をおいて先に帰るの?!

これもまたありえないわ!!!







私だって「好き」のボリュームを下げれたら苦労はしない。


下がっていくばかりか上がっていくんだもん。


好きで好きでしょうがない。




・・・ねぇリョーマ?







あなたは私のこと想ってくれてる?







帰り道、今日も隣りにリョーマはいない。

寂しい気持ちが増えながら、私は家の近くまで来た。


「あれ・・・誰だろ?」


家の前に人がいる。

あの小さくてそれでもしっかりみえちゃう人影は・・・


「リョーマ!!!!!!」


私は叫んだ。


「お帰り。遅かったじゃん」
「遅かったって・・・ここ最近何してたの?!私、いっつも独りで・・・」

するとリョーマは照れくさそうに紙袋を取り出した。

「誕生日オメデト・・・///」

あ・・・忘れてた。今日は私の誕生日だったんだ・・・。

「開けてみて」
「うん・・・っ」

開けると中からピンクの可愛らしいワンピース。

私がこの前から欲しがっていた・・・


「・・・最近ずっと探してたんだよっ!」
「うん・・・すっごく嬉しい・・・っありがと・・・」

私のヤキモチなんてくだらないことだったんだね。リョーマ。







●おまけ●

「ねぇ亜衣」
「ん?」

リョーマはそういって私の手を握った。


「何処にも行くなよ?」
「何言ってンの。あたりまえじゃん」



こんな好きで好きで たまらないのに



何処にもいけるワケないでしょ?


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