SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

10野辺山ウルトラマラソン完走記~第1章~

野辺山計画


スタート前 いよいよスタート20分前になり、荷物預けとトイレのために体育館を出る。トイレは男性専用がたくさんあり、スムーズな流れだった。

その途中、自分の姿を見つけてくれた富士吉田市スポーツクラブの方が声を掛けてくれた。3名のランナーが参加しているらしい。富士五湖でも一緒にゴールしたことのある方のチームだ。

他にもバンダナ姿でない自分の姿を見つけて声を掛けてくれる方がたくさんいた。

スタートは信越五岳に応援に来てくれたVANさんと、その知り合いの方と並んでいた。

スペシャルゲストの荒川静香さんの登場で会場は盛り上がるも、ちょっと小さい~!

スタートからゲートまではこちらでお楽しみください!

スタート映像
YouTubeにリンクしています!



スタート前


午前5時スタート!霧が深く立ち込めた朝。昨年のサロマ湖を思い出す。

霧が晴れれば暑くなる。最高気温の予報は18℃だが、野辺山と小海の高低差は500メートル近くある。

単純に23℃。体感的には25℃を越えるのではないかと思った。

スタートゲートを過ぎ朝焼けがランナーを照らす中、野辺山駅を右折、長い直線に入る。

山道はまだまだ先なので、スタートまでの90秒を足してもこの5キロは35分以内で通過したい。

いつもよりも気にしたのは心拍数だ。富士五湖・サロマ湖など平地では147前後。

今回は坂道しかないので、『登り坂は160以内』『下り坂は140前後』を目標とし、無理せずペースを作ることに重点を置いた。

これは事前の高尾~陣馬トレイルで予行練習をした上での数字だ。

また最も注意を払ったのは下り坂。

やはり練習の中でも、大きく負担が掛かったのが、大腿四頭筋!

かかとからブレーキを掛けると、モロに負担が掛かるので、うまく下りなくてはならない。

そんなこんなで5キロ表示が!

5キロ 29分51秒

どうなってるの?めちゃめちゃ抑えているのに、速い!?

周りのランナーにも聞いてみると・・・『楽なつもりなのに、キロ6分は速いねぇ。』

『鈴木さん、これじゃサブ10になっちゃうよ!』

『ですよね~!まあ無理ですけど。(汗)』と、まあこの先は登りしかないし、20キロの最高地点までじっくり行きましょう!

登りは40分と思えば、自然とペースを抑えるはず。


それにしても暑くなってきた。

朝の気温は5℃。富士五湖での脱水症状を教訓に、5キロでアームウォーマーを外し、ポーチのコードに通した。

まったく寒くない。標高が上がって寒くなるようならば、また付ければいいさ。

JRの線路沿いを八ヶ岳グレイスホテルまで進むと、国道141号線を渡りいよいよ本格的な登りの始まりだ。

しかし霧が深い為、視界が悪く八ヶ岳の姿は見えない。

その脇を国土交通省の小暮さんが過ぎていく。

『鈴木さん!風呂入ろうよ!稲子湯!気持ちいいよ。』『そんな余裕ないですって!』

小暮さんは、あの『川の道』も走るベテランランナーでありながら、どこにもシリアスさを感じさせない人柄だ。

あっという間に僕の視界から消えていった。


10キロ


いよいよコースは林道へ。

砂利道が始まりしばらく進むと10キロの手前にエイドがある。

今日は手持ちのショッツをしっかり活用しようと、すでに1本分がなくなっている。

エイドでは水とショッツを口に流し込みスタートした。


10キロ 1時間06分37秒 36分45秒


今度は遅いな?まあ最初が速かったから、全然平気!マイペースマイペース!

心拍数も160以内にはしっかりと収まっている。

無理して飛ばしては2年前の繰り返しだから、あくまでも計画通りに行こう!

徐々に登りがきつくなってくるが、初出場の時ほどではない。

上空が見えなかったりで、あそこまで登るとかの意識がないからだろうか?



10キロ過ぎてから早くもちょっと内臓に嫌な予感。昨日の弁当が重かったかな?

土曜日は朝ごはんを7時半にクリームパンを食べただけで、設営・トークショー2回でランチが17時過ぎになった。(汗)

そして夕飯もお弁当があり、19時半にまたまた頂いた。

レース当日はサンドイッチ2つにしたが、チキンカツがなかなかのボリュームで、無理して食べた感じだった。

嫌な予感は消化していないわけではない。

いつも中盤にくる気持ち悪さが少しだけ顔を覗かせた。

そこで今回新アイテム『塩熱サプリ』を使用!

レモンの風味でお菓子のような食べやすさ。これで安心と言う暗示なのか?すぐに復活した。
塩熱サプリ¥630(アートスポーツ各店で取扱いしています)

15キロ手前エイド
登りでは比較的抜かされることの方が多い。

一方、急な登りになるとこちらは歩かずに進もうとしているので、抜かすことになる。

この繰り返しでお客さんに声を掛けたり掛けられたりで、楽しく走れた。


エイドは5キロ行かないうちにまた出てくる。

15キロ手前のエイドだったので、今度はメダリストアミノダイレクト5500を流し込む!

粉を口に入れた状態で息を吸ったので、気管に入りかなり焦った!

こちらは乳酸対策と言うことで、前半に摂ろうと決めていた。
(15キロ・25キロ・35キロに摂取)


15キロ 1時間47分33秒 40分56秒

この先20キロまでのラップは40分で構わない。

エイドでの休憩を入れながら確実に進んでいる。歩きもなし、脚の違和感もなし!順調そのものだ。

最高地点の1908メートルは20キロの少し手前だったはず。

下りを含めて20キロのラップを2時間30分以内で良いので、45分近く掛けても貯金が貯まるのだ!


ここまで登ると霧も晴れ、時折八ヶ岳が姿を見せる。

空は青空、空気が澄んでいる。一方下はまだまだ霧が深く、富士山を見ることはできなかった。

最高地点までまだ先と思っていた矢先、ちょっと坂を登ったら現れた1908メートル!この時点で2時間11分を過ぎたところだった。

20キロ付近


思ったよりも速かった!20キロ手前とは言え、2時間11分なんて!

とりあえず20キロの通過で2時間30分の計画だから、このまま行くとサロマ湖と変わらないじゃない!

2時間20分ならば平均すれば7分ペース。

ここからは下り坂。慎重に飛ばし過ぎないように気を付けて行こう!

足元は『NEWTON』だしね!


タイム的な余裕もでき、カメラマンアート鈴木の登場だ!

この完走記を読んでいる方にリアルに臨場感を伝えたいと思って撮影。ひとりでブツブツ言いながらだったので、前後の少ないところを選んだ(苦笑)。

生命の水
最高地点から生命の水まで YouTubeにリンクしています!


周りのランナーは登りは終了とばかりにガンガンと飛ばしていく。

行きたくなります!この下り坂。

あとあとに体力を残すことが先決!ず~っと続きますから!


20キロ 2時間22分45秒 35分11秒

0-20KM


登り3キロ下り2キロの5キロラップを35分でカバー!

これは上出来!貯金も約7分と自分でもビックリだった。

20キロエイドエイドにはイチゴがたくさん用意してあり、ビタミンC!と思って頬張った。

このエイドは2年前トイレ待ちをした場所。

やはり長蛇の列ができているが、今回はパス!小もしたい気もするが、少し我慢しよう!

ショッツのワイルドビーン(カフェイン入り)を摂っているので、トイレはかなり少なく済むのだ!

また大きい方も行きたい気もするが、山中は我慢我慢!

できれば42キロのランナーが減った辺りで済ませたい。

こちらは途中『プップッ』と着地の衝撃ですることで、便意はなくなっていった。失礼・・・。



さて次のエイドは23キロ。そこまではトレイルと言うか、砂利道の林道が続く。

更に僕を追い越していくランナーが増える。

距離にして3キロの林道。クネクネとカーブを曲がるものの、先は見えず・・・。

心拍数とにらめっこしてとにかく145までは上がらないように注意。

左側を見ると大きく開けてくる景色。まもなく林道の終わりを感じさせる。

しかしまだまだ長いアスファルトの下りが続く!と、見えてきた!23キロエイド!

23キロ


ここまで20分ちょい。エイドでは水分を片手にショッツ&塩熱サプリ!

暑くなってきたけど、被り水がないなぁ。

お客さんと挨拶を交わし、いよいよ長~いアスファルトに入る。


その昔、何年前だろう?野辺山に販売応援に来て、ちょうどこの分岐で応援した。

しかしその頃はまだこの先もトレイルだった。

そして吸い込まれるように走り降りていくランナー達。今そこに立っている。


アスファルトの下りを如何にして下るか!最大のポイント。

ここでダメージを負うことは避けたい。高尾山の1号路を思い出す。

ブレーキを掛けずに骨盤から前へ、脚は真下にフラットに、少し前傾の倒すイメージ。

とにかく、かかとからの着地はNG!それだけを意識して、心拍数を抑えて下りだした。


練習の和田峠から藤野まで下る時のようなロケーション!

幾重にも繋がるヘアピンカーブの先にランナーの姿が見え隠れする。

周りのランナーからは

『トレイルの下りを6分半で、だいぶ稼いだから、アスファルトは少し抑えて行こう!』の声が。

それでも僕のことを追い越して行くので、そのペースは変わっていないだろう。

逆にここぞとばかりに飛ばすランナーもいる。

こういうコースの場合、どっちが有利なのかな?

オールマイティーなのがもちろん良いだろうけど、得意不得意はあるし。

計画したように、僕は平坦に強い方だから、登りと下りどちらも抑えないといけない。



ここでクリニック参加のお客さんと並走!

『エネルギーどのくらい摂ってるんですか?』

『かなり消費してますよ!7本入りだから、3本は使ってますね!』

おっと、意外と減っている。これは58キロまでもつかな?

『マイペースで頑張ってください!』と見送った。



25キロ 2時間58分46秒 36分01秒

エイドを含めて36分はかなり良いペース!決して無理をせず確実に下る。

そしてまたトレイルになり、登りが始まった。

一旦下りを経験して飛ばし過ぎると、普通の坂が激坂に感じる。

それがないようにうまく下りを走らなくてはならない。

心拍数を今度は160以内に設定し登り始める。2キロぐらいと聞いていたので、焦らず走る。


30キロ手前エイドエイドの間隔も程よく、しっかりと水分補給ができた。

繰り返しショッツと塩熱サプリで、他の食べ物を口入れるのが少し怖かった。

30キロ 3時間35分29秒 36分43秒

登りを含めたこの時間は問題ない。脚の疲労度や局部的な痛みはなし。

あと5キロで稲子湯に到着する。



しかし精神的になんだかツライ・・・。

今回の失敗は距離を少し気にし過ぎてしまったこと。

通常ならば35分を積み重ねて行くうちに、もう30キロ!的な気持ちで距離を重ねるのだが、今回は心拍数を気にしていたのもあり、最高地点で20キロとか35キロの稲子湯過ぎたら下り坂!とかを考え過ぎてしまった。

もちろん起伏のあるコースなので、それを知らないのは困るが、ちょっと神経質になったかもしれない。

なんとか気持ちを切り替えながら、距離を刻む。

さあ稲子湯までは大きな起伏が待ち構えている。

さすがに2年前の記憶は曖昧で、なんとなくこんなコースだったなと思い出すが、明確には思い出させない。


トレイルではないアスファルトをじわじわと登り進んで行く。

途中お客さんに『本店の林さんは前ですか?この前の奥久慈一緒に走ったんです!』

『スタートからバラバラだったんで、わからないんですけど、僕より後ろはないでしょう(苦笑)』

こちらの調子が良いにしても、そんなはずはない。前に行っているはずだ。


そんなこんなで登りをクリアし稲子湯へ到着する!


35キロ 4時間05分53秒 30分23秒


えっ!?合ってる?まあ登りがあったので下りもあるけど、そんなに速いかな?

コースの高低差をポラールから検証してみよう。
20KM-40KM


30キロから2/3は下りだったようだ。登りの方が印象に残るのはやはりキツイから?


稲子湯にはかなり早く着いたので、しっかり補給と思い、まずはおしるこ!

白玉2つ入りで汁はたっぷりな量だ。ちなみにサロマ湖は汁の量は1/5くらい。

エイドは混み合っているが、それなりの人数だ。

すると到着した安田さんを発見!さらに稲子湯からさっぱりした顔で出てきた小暮さんとバッタリ会った!

『ホントに入ってる!』正直な気持ちだった。

こちらはそんな時間の余裕はなく、せいぜい休憩は5分くらいだ。

3箇所で入るには着替えを入れたら15分×3で45分はいるよな?

絶対無理だ!すごい人がいるなぁ。


35キロ稲子湯


こちらはトイレ!トイレ!と思ったが、長い列を見て止めた。小だったし、そのうちで!と我慢できる状態だった。

安田さん、小暮さんに別れを告げ稲子湯からスタート!休憩時間は約10分だった。

2010野辺山ウルトラマラソン完走記~第2章~


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