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2023.08.18
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カテゴリ: 観照


新町通を上ります。 蛸薬師通との辻を越えると六角町。北観音山の手前に、 山鉾巡りをするたびに通りから拝見する屏風飾り があります。一つがこの町家です。 通りに面して開放された窓越しに眺める 座敷には、南北両側に屏風が立てられています。

山の精巧なミニチュアもすばらしい

西億の座敷にも屏風が飾ってあります。その西の中庭までが開放されて、 屏風祭 が行われています。
手前の生花 が適度な目隠しの役割も果たしています。
京都特有の間口が狭めで奥行の深い町家の様子が見て取れます。
 ユーモラスな お多福像!


北観音山のすぐ傍のもう一軒の町家の屏風祭 。こちらは通りに面した戸が取り除かれて、一層開放的な状態で拝見できます。 正面から西奥の座敷に置かれた屏風

道路に面した東側の広い座敷 。高い屏風が立つ方向が北側です。

ここは、毎年この広い座敷空間に 絨毯 が敷き詰められ、 西と北に屏風 が飾られています。
小袿(コウチギ) が展示されていますが、毎年異なるように思います。これも特徴。



西奧に中庭 が遠望できます。ズームアップで。



     新町通の南側から眺めた北観音山 。山の後部側です。
      六角町は江戸時代、三井家などの有力商人が屋敷を構えていたところです。
      近くには案内碑や駒札が設けてあります。以前の拙ブログ記事でご紹介しています。

この山も、時計回りに南側から見上げて行きます。

一見、鉾に見えますが、 屋根の上に真松 が立つことで 曳山 であるとわかります。
町文書に文和2年(1353)の創建と 伝えられています。

この北観音山は、南観音山と一対のような感じです。 本尊 は同様に 楊柳観音 です。
巡行当日には、 山舞台に楊柳観音像と脇侍の韋駄天立像が安置され ます。
こちらは、 「上り観音山」 とも呼ばれています。今年は第6番での巡行です。

今年は 天水引 雲龍図 が使われています。

 鉾と同様に 下水引、二番水引、三番水引が重ねてかけてあります

下水引は中島来章の下絵による「関帝祭の図」 と伝えられる人物風景です。
二番水引は「赤地牡丹唐草文様綴織」、三番水引は「金地紅白牡丹文様唐織」
こちらの二枚は平成18年(2006)より使われ、江戸時代の姿を 復元新調 したものです。
上掲の 前懸は19世紀のペルシャ絨毯 。この 西面の胴懸はインド絨毯「斜め格子草花文様」の復元品


北観音山は元は屋根がなかったのですが、江戸時代中頃に障子屋根と取り付け、天明の大火で焼失後、復興を果たし、寛永9年(1797)に屋根を建造、 天保2年(1831)に現在のような大屋根の姿に なったそうです。
大屋根の内側には 折上格天井 が設えてあります。



埒(ラチ)から山の躯体部分の舞台裏が見えました。山の胴体を組み上げて荒縄で頑丈に縛り付けるのです。これも伝統技術そのものです。その 荒縄のしばり方の美しさ は裾膜などで見えなくなります。その一部を見る事ができました。
山鉾建てを眺めに行くと、この荒縄で縛るプロセスをじっくりと観察できます。以前の拙ブログでご紹介しています。


山の北西角
山の正面側
黒漆塗の欄縁 唐獅子牡丹等錺金具 で華麗に装飾されています。
北東側から
天水引

四隅の房掛金具は祇園守 (キオンマモリ) と称される意匠です。祇園守は京都八坂神社が配布するお守りのこと。また、八坂神社の本殿裏にはムクゲの一種、祇園守の花が咲くそうです。


見上げて写真を撮っているとき、山の正面側に 金幣 が取り付けられました。
南東側
東側面の胴懸はトルキスタン絨毯 です。
山の周囲を一巡りして、後部に戻ってきました。


大屋根の後部の破風飾り を切り出してみました。

      こちらは 正面側の破風飾 です。 これらの木彫雲鶴は片岡友輔の作

新町通の北側から眺めた駒形提灯 

再び、北観音山の正面側を眺めつつ、 新町通をさらに北に上ります。次は八幡山です。

つづく

参照資料
*図録『京都 祇園祭 町衆の情熱・山鉾の風流』 京都文化博物館 2020
*企画特集「祇園祭」 京都新聞
*​ 北観音山 ​  :「祇園祭」(祇園祭山鉾連合会)
*​ 北観音山 ​  :「祇園祭」
*​ 祇園守紋 ​  :「家紋のいろは」
*​ 八坂神社に咲く祇園守 ​ :「京都旅屋」

補遺
北観音山 ​  facebook
【祇園祭2022】北観音山 屏風飾りとお囃子 Kyoto Gion festival KITAKANNONYAMA Byoubumatsuri
祇園守紋 ​  :「家紋の由来」
祇園守 ​   :「note okami」

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観照 祇園祭後祭 Y2023 山鉾巡り+α -1 大船鉾 へ
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こちらもご覧いただけるとうれしいです。
探訪&観照 祇園祭前祭 Y2023 山鉾巡り+α -1 長刀鉾・函谷鉾・菊水鉾
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Last updated  2023.08.26 15:44:03
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